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そして全能神は愉快犯となった
【173話】
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「ルークは私の運命の相手なんだよ」
「惚気か?」
「違う違う、話は最後までしっかり聞け。正確には運命の相手として私は生み出された」
「?」
「意味が分からないだろう?私も最初意味が分からなかった。全く悪趣味にも程がある」
はぁ、とサイヒが小さな溜息を漏らす。
そしてカップの中身を飲み干し口内を湿らせた。
いやな話をする時と言うのは喉が乾燥するらしい。
この日サイヒはどうでも良いことを1つ覚えた。
「競馬は分かるか?」
「帝国にも競馬場がある」
「なら話は早いかもな、私はトップブリーダーに生み出された最高に配合された血筋なのだよ」
「自慢か?」
「自慢になれば良かったんだがなぁ…前全能神はルークが魔王でありながら人間として生まれた事を知った。そしてそのルークと最高に相性が良いように私は血を掛け合わされたんだ。DNAを弄っていないだけ少しはましと思うべきか……」
「やはり惚気にしか聞こえないんだが…それがどうして今の状態になる?」
「遺伝子と言うのはな、自分の遺伝子からかけ離れた遺伝子を持つ者に惹かれるんだ。そして私の遺伝子はルークの間反対。好き、とかそう言う感情以前に遺伝子が互いを求めあう。私はルークを愛するように作り出されえた神の玩具の1つだったのだよ」
「神はお前を玩具にして何がしたかったんだ?」
「愛し合うものが殺しあう所を見たかったらしい。3流映画みたいなものだ。監督は神様。配役、玩具の私といつか魔王として目覚めるルークだ。
神様は私がルークを愛しながら殺すだろうと、その日を楽しみにしていたようだな。そして神様の望み通り、私はあの日ルークと出会ってしまった。
最高の配合がされた私は一瞬でルークに惹かれた。ルークが私の匂いが好きだと言っていたのも遺伝子が遠いせいだ。私たちは互いが惹かれ合う様になっていたのだから」
「つまり、お前がルーク様を愛したのは神のせい、と言いたいのか?」
クオンの青緑の瞳が剣呑な光を宿した。
この男はルークの味方だ。
誰がサイヒに惹かれてもクオンはルークに付くだろう。
それは愛情だとかそう言ったものではない。
献身、そんな言葉が1番に合うほどに主に忠誠を捧げているのだ。
クオンは魂の髄から騎士なのである。
「話を聞いて最初はな、私もそう思ったよ。だがルークの存在が大きくなりすぎて私はルークが手放せなくなってしまっていた。これは神様も大誤算だ。まさか自分が恨まれて、玩具が自分に反撃してくるなんて思ってもいなかったらしい。
愛する者同士の殺し合いを楽しむはずが、神様はうっかりとミスをして自分の天敵の血まで私の配合に加えてしまっていた。だから私は神殺しが出来たのだよ。
そして神様は世襲制だった。
神様を倒したものが次の神様になる。さすがにこれは私も予定外だったのだが、これでルークの元に戻らなくて済むと思った。
胎内にはもうカマラとドラジュが居たから、思い残すことが幾らあろうと思い出を静かに噛みしめて生きていけると思っていた。
なのに私の予想を裏切ってルークは魔王になり、世界を滅ぼすどころか私の伴侶になりに来た。そこまでされて落ちない女が居ると思うか?私だって女だ。愛している相手にプロポーズされて嬉しくない訳がない。
そうして私たちは20年以上の時を夫婦として過ごした。
だが、ドラジュがユラさんを恋人にして幸せそうなのを見たとき思ったんだ。
ルークが本来結ばれるべき異性が他に存在したのではないかと。作られた運命でなく、本物の運命がルークにもあるのではないのかと。
だから私はルークにチャンスを与える事にした。本当の運命を見つける時間を与えた。今のルークは私に恋心を持っていない。私が取り出した。
そして私の遺伝子情報を感じ取れなくした。
今のルークにとって私は異性の気の合う親友、と言ったところだろう」
クスリ、とサイヒが小さく笑う。
酷く疲れた様子に見える。
きっとそれはクオンの気のせいではない。
「お前はソレで良いのか?」
「最初はただの遺伝子の悪戯だった。でも私はそれを抜いてもルークが愛おしくて仕方ない。私にとってルークは作られた運命を差し引いてもやはり運命の存在だ。でもそれはフェアではない。
ルークに本当の恋心を教えてあげたい。私はルークを愛しあえて幸せだった。子供まで産ませてもらった。その子供ももう2人とも成人した。そろそろルークに本当の時間を返してあげるべきだと思ったんだ」
「………お前は、本当にバカな奴だ」
「純愛だろう?」
「ただの愚行だ」
「言わなければ誰も気づかないくらいにしか私とルークの関係が変わっていることに気付いている者は居ない。どうかお前を今回は口を閉ざしてくれないか?」
「私はルーク様に忠誠を誓った部下だ。ルーク様が安全なら文句はない。だが覚えておけ、私はルーク様の部下だが、それを差し引いてもお前の事を心友だと思っている。限界が来る前には私に言いに来い。話位は聞いてやる」
真剣な青緑の眼差し。
それがサイヒの青銀の瞳を捉える。
「有難う、心友」
きっと良い方向に物事は進むだろう。
サイヒの全能神としての予知にも近い直感がソレを告げていた。
「惚気か?」
「違う違う、話は最後までしっかり聞け。正確には運命の相手として私は生み出された」
「?」
「意味が分からないだろう?私も最初意味が分からなかった。全く悪趣味にも程がある」
はぁ、とサイヒが小さな溜息を漏らす。
そしてカップの中身を飲み干し口内を湿らせた。
いやな話をする時と言うのは喉が乾燥するらしい。
この日サイヒはどうでも良いことを1つ覚えた。
「競馬は分かるか?」
「帝国にも競馬場がある」
「なら話は早いかもな、私はトップブリーダーに生み出された最高に配合された血筋なのだよ」
「自慢か?」
「自慢になれば良かったんだがなぁ…前全能神はルークが魔王でありながら人間として生まれた事を知った。そしてそのルークと最高に相性が良いように私は血を掛け合わされたんだ。DNAを弄っていないだけ少しはましと思うべきか……」
「やはり惚気にしか聞こえないんだが…それがどうして今の状態になる?」
「遺伝子と言うのはな、自分の遺伝子からかけ離れた遺伝子を持つ者に惹かれるんだ。そして私の遺伝子はルークの間反対。好き、とかそう言う感情以前に遺伝子が互いを求めあう。私はルークを愛するように作り出されえた神の玩具の1つだったのだよ」
「神はお前を玩具にして何がしたかったんだ?」
「愛し合うものが殺しあう所を見たかったらしい。3流映画みたいなものだ。監督は神様。配役、玩具の私といつか魔王として目覚めるルークだ。
神様は私がルークを愛しながら殺すだろうと、その日を楽しみにしていたようだな。そして神様の望み通り、私はあの日ルークと出会ってしまった。
最高の配合がされた私は一瞬でルークに惹かれた。ルークが私の匂いが好きだと言っていたのも遺伝子が遠いせいだ。私たちは互いが惹かれ合う様になっていたのだから」
「つまり、お前がルーク様を愛したのは神のせい、と言いたいのか?」
クオンの青緑の瞳が剣呑な光を宿した。
この男はルークの味方だ。
誰がサイヒに惹かれてもクオンはルークに付くだろう。
それは愛情だとかそう言ったものではない。
献身、そんな言葉が1番に合うほどに主に忠誠を捧げているのだ。
クオンは魂の髄から騎士なのである。
「話を聞いて最初はな、私もそう思ったよ。だがルークの存在が大きくなりすぎて私はルークが手放せなくなってしまっていた。これは神様も大誤算だ。まさか自分が恨まれて、玩具が自分に反撃してくるなんて思ってもいなかったらしい。
愛する者同士の殺し合いを楽しむはずが、神様はうっかりとミスをして自分の天敵の血まで私の配合に加えてしまっていた。だから私は神殺しが出来たのだよ。
そして神様は世襲制だった。
神様を倒したものが次の神様になる。さすがにこれは私も予定外だったのだが、これでルークの元に戻らなくて済むと思った。
胎内にはもうカマラとドラジュが居たから、思い残すことが幾らあろうと思い出を静かに噛みしめて生きていけると思っていた。
なのに私の予想を裏切ってルークは魔王になり、世界を滅ぼすどころか私の伴侶になりに来た。そこまでされて落ちない女が居ると思うか?私だって女だ。愛している相手にプロポーズされて嬉しくない訳がない。
そうして私たちは20年以上の時を夫婦として過ごした。
だが、ドラジュがユラさんを恋人にして幸せそうなのを見たとき思ったんだ。
ルークが本来結ばれるべき異性が他に存在したのではないかと。作られた運命でなく、本物の運命がルークにもあるのではないのかと。
だから私はルークにチャンスを与える事にした。本当の運命を見つける時間を与えた。今のルークは私に恋心を持っていない。私が取り出した。
そして私の遺伝子情報を感じ取れなくした。
今のルークにとって私は異性の気の合う親友、と言ったところだろう」
クスリ、とサイヒが小さく笑う。
酷く疲れた様子に見える。
きっとそれはクオンの気のせいではない。
「お前はソレで良いのか?」
「最初はただの遺伝子の悪戯だった。でも私はそれを抜いてもルークが愛おしくて仕方ない。私にとってルークは作られた運命を差し引いてもやはり運命の存在だ。でもそれはフェアではない。
ルークに本当の恋心を教えてあげたい。私はルークを愛しあえて幸せだった。子供まで産ませてもらった。その子供ももう2人とも成人した。そろそろルークに本当の時間を返してあげるべきだと思ったんだ」
「………お前は、本当にバカな奴だ」
「純愛だろう?」
「ただの愚行だ」
「言わなければ誰も気づかないくらいにしか私とルークの関係が変わっていることに気付いている者は居ない。どうかお前を今回は口を閉ざしてくれないか?」
「私はルーク様に忠誠を誓った部下だ。ルーク様が安全なら文句はない。だが覚えておけ、私はルーク様の部下だが、それを差し引いてもお前の事を心友だと思っている。限界が来る前には私に言いに来い。話位は聞いてやる」
真剣な青緑の眼差し。
それがサイヒの青銀の瞳を捉える。
「有難う、心友」
きっと良い方向に物事は進むだろう。
サイヒの全能神としての予知にも近い直感がソレを告げていた。
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