聖女の力を姉に譲渡し国を出て行った元聖女は実は賢者でした~隣国の後宮で自重せずに生きていこうと思います~

高井繭来

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そして全能神は愉快犯となった

【192話】

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「浮気ですわ」

「いや、私はそんなつもりは……」

「ルーシュ様に引き続きセブン様、お兄様最近浮気のし過ぎではなくて?」

「いや、1番はお前だぞマロン」

「麻婆豆腐、美味しかったのでしょう?」

「え、あぁ、まぁ美味しかったぞ」

「深夜に夜食を食べながらする恋バナ、楽しかったのでしょう?」

「食べたと言ってもジャンクフードだぞ?それもルーシュの手作りの」

「それが問題なのですわ!夜食が必要なら私が幾らでも持たせてあげます!最近人様の所でご飯を食べる機会が多くなりましたわお兄様!
私は恋バナできる立場では無いですし、酒のつまみというのも良く分かりません。
だから出来る限りの食事は研究して作れるようになりましたし、お兄様の好みを1番熟知しているつもりです。食べたいものを言って下さるなら何でも作ります!
だからあまり人様のお宅でお食事をしないで下さいまし…それとも、もう私の手作りご飯やお菓子は飽きてしまいましたか?」

「そんな事ある訳ないだろう!私の1番はお前だマロン!」

「じゃぁ、今晩はジャンクフードを作りますので一緒に恋バナして下さいますか?」

「そんな捨てられた子猫のような目をするのは卑怯ではないか?私は基本的にお前に弱いのはお前自身も熟知しているはずだと思っておるのだがな?」

「使える物は何でも使う主義なので、商人の娘舐めないで下さいまし」

 ペロ、と舌を出して見せるマロン。
 専属侍女が上司の全能神にする行動としては不敬罪に当たるが、浮気性のお兄様に妹がする行動としては可愛いものである。

「ふふふ、今日の夜は何が食べたいですか?」

「背徳的な食べ物でお願いする。飲み物はコーラが良い」

「最高にお兄様のお口に合う、手作りコーラお出ししますわ」

「楽しみにしている」

 そしてマロンは茶器を下げだした。
 そうここは全能神の執務室。
 マロンはそこで働く皆のために茶を淹れ、仕事しながらでも摘まめるお菓子を配る。
 コレに癒されている文官の数はどれほどいるだろうか?

 だがそれにしても………。

「恋人同士の喧嘩みたいだったな」

「魔王様が間に入って行けなかったぞ」

「クオン様もフリーズされている」

「しかも全能神様を口論で撃破した」

「マロン様に逆らうのは止めておこう」

 こうして、天界の最高実力者はマロンではないかと言う噂が王宮に走ったのであった。
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