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2章
【220話】
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荒れ果てた大地。
暗雲が覆う空。
雲の切れ間から見える空の色は赤い。
太陽だけがギラギラと輝きその存在を主張する。
「ここ、は………?」
「起きたかルーク」
「サイヒ!」
起き上がってルークはサイヒを抱きしめる。
漸く再び手に入れた半身から引き剥がされないように、と。
その背に手を回してサイヒはルークの背を撫でる。
幼子をあやすかのように。
「どうやら我々は『悪意の概念』に何処ぞに飛ばされたらしい」
「ではここは異界か?」
「世界軸は同じだ。ただ時が違う」
「?」
「我々は過去に飛ばされたらしい」
「過去?」
「そしてコレは必然でもあったようだな。ご先祖様の記憶に何が起こったのかが記録されている」
「では今はサイヒのご先祖様が生きていた時代なのか?」
「あぁ、世界が滅びて神のゲーム盤となった世界。神々が地上の人々の平和な暮らしに飽き、楽しさを求め地上に異界の魔物を解き放った。人間も動物も魔物の餌食になったようだ。
そして人々がもがき苦しむ姿を見て神は楽しんでいる。どれだけ人が足掻けるか賭けもしているようだな」
「だから神のゲーム盤…?」
「そう、ここは我々にとっては神話時代であり、この時代の神話時代の神々が人間を使ってゲームを楽しんでいる最中と言う事だ」
「どうすれば私たちの時代に帰れるのだ?」
「古代種【時渡り】を見つければよい。帰るだけならそれで十分だ。だがこの世界の人間が滅ぼされないように『神屠』を見つければならない」
「『カムト』?その人物は見つからないのか?」
「あぁ、『神屠』はまだ存在していないからな。『神屠』は神を屠る者。古代種の【強化】、つまりは私のご先祖さまだ。だがまだご先祖様は古代種としての力に目覚めていない。
我々がこれからするのはご先祖様を見つけて、まだ力のないか弱い人間のご先祖様を護ることだ。ご先祖様が進化すればこの世界は滅びない。
逆に言うとご先祖様を守れなかった場合、人類は滅び、我々の存在も消えるだろう。人類が滅びた延長上の別の時間軸の世界が存在することになるのだからな。
我々は自分たちの存在を護るためにもご先祖様が古代種の力を身に付けるまで、ご先祖様を護らないといけない訳だ」
「分かった。サイヒと再び巡り合えたのに再び愛し合う事なく消えるのは真っ平だ。サイヒのご先祖様を護ろう」
「再び愛し合う事なく、とは又存在理由が随分と私中心だな?」
「私が魔王をしていた時、どれほどサイヒを求めたと思っているのだ?『悪意の概念』に記憶の全てを消され意識を刈り取られても其方の事を求めたのだぞ私は」
「ふふ、愛され過ぎてもまだ足らんな。早く私たちの時代に戻って幾らでも愛し合おう。そのためにはこの世界の神々に我々の存在が知られては困る。
これからは私たちの存在と真名を護るために正体を隠して行動した方が良いだろう。まずは髪と瞳の色を黒に変える。
そして互いの呼び方も変えねばな。ルーク、私の事はサイヒではな『鈴蘭』と呼んでくれ」
己の髪と瞳の色を変えたサイヒがそう言う。
ルークも同じく髪と瞳を黒に変える。
「分かった。では私は『マオ』と」
「『マオ』か随分と可愛い名前になったものだ。黒髪に黒い瞳の其方も愛らしいな、マオ」
「鈴蘭の黒い瞳も美しぞ。本当に夜が人の姿を模ったようだ…色を変えても我々は存在感が強すぎないか?」
「仕方ない、【認識阻害】で存在感が強くなり過ぎないようにしよう。では、まずはご先祖様を受け入れる準備をせねばな。この辺りの生きている人間の保護から始める。
そしてチームを作り、この時代の人間に戦い方を教える。戦えない者には徹底的に補助の能力を伸ばさせる。生きていく地盤が整えねばご先祖様が力を学ぶ場として良いとは言えぬからな」
「分かった鈴蘭。ではまずアチラの方角で襲われている人間を助けるしようか」
「あぁ、行くぞマオ」
「鈴蘭と一緒なら何処まででも!」
そしてサイヒとルーク、いや、鈴蘭とマオは神々のゲーム盤となった世界で生きていく事となった。
暗雲が覆う空。
雲の切れ間から見える空の色は赤い。
太陽だけがギラギラと輝きその存在を主張する。
「ここ、は………?」
「起きたかルーク」
「サイヒ!」
起き上がってルークはサイヒを抱きしめる。
漸く再び手に入れた半身から引き剥がされないように、と。
その背に手を回してサイヒはルークの背を撫でる。
幼子をあやすかのように。
「どうやら我々は『悪意の概念』に何処ぞに飛ばされたらしい」
「ではここは異界か?」
「世界軸は同じだ。ただ時が違う」
「?」
「我々は過去に飛ばされたらしい」
「過去?」
「そしてコレは必然でもあったようだな。ご先祖様の記憶に何が起こったのかが記録されている」
「では今はサイヒのご先祖様が生きていた時代なのか?」
「あぁ、世界が滅びて神のゲーム盤となった世界。神々が地上の人々の平和な暮らしに飽き、楽しさを求め地上に異界の魔物を解き放った。人間も動物も魔物の餌食になったようだ。
そして人々がもがき苦しむ姿を見て神は楽しんでいる。どれだけ人が足掻けるか賭けもしているようだな」
「だから神のゲーム盤…?」
「そう、ここは我々にとっては神話時代であり、この時代の神話時代の神々が人間を使ってゲームを楽しんでいる最中と言う事だ」
「どうすれば私たちの時代に帰れるのだ?」
「古代種【時渡り】を見つければよい。帰るだけならそれで十分だ。だがこの世界の人間が滅ぼされないように『神屠』を見つければならない」
「『カムト』?その人物は見つからないのか?」
「あぁ、『神屠』はまだ存在していないからな。『神屠』は神を屠る者。古代種の【強化】、つまりは私のご先祖さまだ。だがまだご先祖様は古代種としての力に目覚めていない。
我々がこれからするのはご先祖様を見つけて、まだ力のないか弱い人間のご先祖様を護ることだ。ご先祖様が進化すればこの世界は滅びない。
逆に言うとご先祖様を守れなかった場合、人類は滅び、我々の存在も消えるだろう。人類が滅びた延長上の別の時間軸の世界が存在することになるのだからな。
我々は自分たちの存在を護るためにもご先祖様が古代種の力を身に付けるまで、ご先祖様を護らないといけない訳だ」
「分かった。サイヒと再び巡り合えたのに再び愛し合う事なく消えるのは真っ平だ。サイヒのご先祖様を護ろう」
「再び愛し合う事なく、とは又存在理由が随分と私中心だな?」
「私が魔王をしていた時、どれほどサイヒを求めたと思っているのだ?『悪意の概念』に記憶の全てを消され意識を刈り取られても其方の事を求めたのだぞ私は」
「ふふ、愛され過ぎてもまだ足らんな。早く私たちの時代に戻って幾らでも愛し合おう。そのためにはこの世界の神々に我々の存在が知られては困る。
これからは私たちの存在と真名を護るために正体を隠して行動した方が良いだろう。まずは髪と瞳の色を黒に変える。
そして互いの呼び方も変えねばな。ルーク、私の事はサイヒではな『鈴蘭』と呼んでくれ」
己の髪と瞳の色を変えたサイヒがそう言う。
ルークも同じく髪と瞳を黒に変える。
「分かった。では私は『マオ』と」
「『マオ』か随分と可愛い名前になったものだ。黒髪に黒い瞳の其方も愛らしいな、マオ」
「鈴蘭の黒い瞳も美しぞ。本当に夜が人の姿を模ったようだ…色を変えても我々は存在感が強すぎないか?」
「仕方ない、【認識阻害】で存在感が強くなり過ぎないようにしよう。では、まずはご先祖様を受け入れる準備をせねばな。この辺りの生きている人間の保護から始める。
そしてチームを作り、この時代の人間に戦い方を教える。戦えない者には徹底的に補助の能力を伸ばさせる。生きていく地盤が整えねばご先祖様が力を学ぶ場として良いとは言えぬからな」
「分かった鈴蘭。ではまずアチラの方角で襲われている人間を助けるしようか」
「あぁ、行くぞマオ」
「鈴蘭と一緒なら何処まででも!」
そしてサイヒとルーク、いや、鈴蘭とマオは神々のゲーム盤となった世界で生きていく事となった。
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