男として育てられた公爵家の令嬢は聖女の侍女として第2の人生を歩み始めましたー友人経由で何故か帝国の王子にアプローチされておりますー

高井繭来

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本編で語られなかったイチャラブ事情

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 ルーシュSide

「僕はジャスミン、君の名は?」

「え、と、ルーシュですが………」

「さあ靴を脱いで」

「え、嫌です」

「靴を履いたままだと手当てが出来ないよ?」

「法術なら靴を履いていても手当てできますよね?」

「僕は法術は仕えないからね」

「なら何でここに来たんですか――――っ!!」

「綺麗な薔薇が心を和ませてくれるだろう?」

「どうせなら傷を和ませてほしいです」

「女の子は花が良く似合う、可愛い子は特に、ね」

「私は花より医療室に興味があります。案内してくれなくても良いので医療室のある場所だけ教えて下さい」

「分かったよ。もう1度お姫様抱っこがして欲しいんだね?女の子はアレが大好きだからね♡」

「話ちゃんときーてっ!!」

 もう敬語も保ってられない。
 どうして自分に群がる者はこう質が悪いのか。
 自国の男装王女然り、今目の前に居るこの男-ジャスミンと言うらしい-然り。

「ルーシュ、その男は誰だい?」

 腰にくるアルト。
 聞き覚えがあって、ルーシュが最も好きな声。
 それが地を這うような冷たさで放たれた。

「アンドュ、さま?」

 声の方向を見ると、無表情でルーシュの足を触っているジャスミンを絶対零度の瞳で見つめるアンドュアイスの姿がそこにはあった。

 :::

 アンドュSide

 取り合えず言われた通り庭園に来たアンドュアイスである。
 そこそこ広いので、探すのは困難かも知れない。
 だがアンドュアイスのルーシュ専用辞書に”面倒くさい”なんて言葉はない。

 探そうか、と庭園に足を踏み入れて、すぐにルーシュの場所が分かった。

 アンドュアイスの大好きな声が聞こえる。
 でも何か焦っているような感じだ。
 誰かと会話しているらしい。
 アンドュアイスから逃げた癖に、誰かと会話………。
 
 アンドュアイスはその誰かに殺意を抱いた。
 そんなに簡単に殺意を抱かないで欲しい。
 庭園に居た小動物が一斉に逃げた。

 アンドュアイスの戦闘能力は大陸でも1・2を争うハイスペックだ。
 それもそうである。
 全能神自ら手解きをしているんである。
 しかも加護迄与えられている。
 アンドュアイスは天界の白い雷を操るのである。
 並の人間が勝てるわけがない。

 そのアンドュアイスの殺気にもルーシュが気付かない。
 そう話し相手に意識しているみたいだ。
 それはアンドュアイスにとって面白い事ではない。

 アンドュアイスは殺気を1度仕舞うと自分からルーシュの下に近づいた。
 
 そこで目にしたのは、ベンチに座るルーシュと、ルーシュの靴を脱がそうとする美形の男。

 ピキッ

 アンドュアイスの額に血管が浮かぶ。
 自分でもまだ触ってないルーシュの足。
 それも靴を脱がそうとしている。
 アンドュアイスでも素足に触ったことは無いのに…………。

「ルーシュ、その男は誰だい?」

 普段なら絶対にルーシュに出さない声色で、絶対零度の瞳でアンドュアイスはジャスミンを睨み付けたのであった。
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