50 / 67
次から次へと来る情報に、ハイランズ伯爵は今にも倒れそうです。
しおりを挟む
バーナード・ハイランズ伯爵に対し、自分は誘拐犯ではないのだと懸命に訴え続け、ようやく疑いが晴れたその頃。
シュバリエ皇国のヴァーミリオン公爵に仕える若い騎士、ウェルナー・サイオンは、気力も体力もすべて使い果たしていた。
彼はどうしても、ユリアーナに逢わなければならなかった。
なぜなら、彼の今後を左右することを彼女が握っているからである。
そのため、公爵の遠征などには、必ずといっていいほど同行した。
今回も、そのために同行し、公爵に頼まれた伝言を、ただ言えばいいだけだったはずなのに……。
「何故こんなことに……。」
何度説明しても、全く話を聞かない目の前の連中に、辟易していた。
「ヨナリウスをどこにやった!」
「ですから、我が公爵と一緒に、母親のもとへ向かっています!」
「身代金は、どのくらいを予定している?」
「そのような予定はありません!」
何度も、同じ問答が繰り返された。
目の前では、黒いローブに身を包んだ妖艶な美女が、手のひらに真っ赤に燃え盛る火の玉を生み出し、今にもこちらを焼き殺そうと構えている。
もう一人、同行していたショートカットが似合うかわいらしい少女は、無言のまま、自分の指の爪を一枚一枚、ナイフの刃先で剥がそうとしていた。
ウェルナーは、生きた心地がしなかった。
その中でも、最後まで……。
「こんなに早く、この国へ来られるはずがない!」
と疑われ続けたが、国家機密を口にするわけにもいかず、
「公爵様が説明してくださいます!」
「自分からは言えません!」
と、頑なにそれ以上の説明を拒み続けた。
半ば強引に押し切る形ではあったが、それでも何とか自由を勝ち取った頃には、腹はぺこぺこで、ふと見上げた空には、いつの間にか星が瞬いていた。
「……オレ、泣いていいかな……」
伯爵家が詫びとして用意してくれた、遅い時間の豪華な食事を、涙というしょっぱいスパイスで味付けしながら、ウェルナーは次々と口へ運んでいく。
国に残してきた、新婚のかわいい妻の顔を思い浮かべ、生き残ったという事実を、噛みしめるように実感していた。
なぜなら途中で、あの妖艶な美女が、含みのある手つきで体に触れながら、
「いい体しているわね? なんなら夜の運動で、吐かせてあげても、よくってよ?」
と、冗談とも本気ともつかぬ誘惑を仕掛けてきたからである。
そのとき、
「わたし、新婚なので! 妻を裏切れませーん!」
半ば叫ぶようにそう言い放ち、誘惑に屈しなかった自分を、心の底から褒めてやりたくなった。
それに。
その一言で「誠実な男」だと認められ、急に信用されるようになったのだから、世の中というのは分からない。
「やっぱり、誠実が一番……」
ウェルナーは、心の中で強く誓った。
その頃、別室では――。
伯爵たちが、密かに会議を開いていた。
「しぶとかったわね、あの男。」
「かわいい顔して、なかなか根性が据わっているわ!」
「さすがは、あの“戦闘狂”と呼ばれた公爵の部下ね。」
メリンダとククルは、ユーリとヨナリウスには決して見せない、凶暴な顔をさらしていた。
その迫力に、その場にいる男性陣はビクビクしている。
「でも、もったいなかったな。いい体してたのに……」
物欲しそうに指をくわえるメリンダ。
「よその国の騎士に手を出すのは、さすがにまずいでしょう。」
「しかも人様のものって、魅力的……。」
「メリンダ……いつか痛い目を見るよ……。」
聞いているだけで胃が痛くなりそうな会話が続く。
その空気を何とかしようと、
「コホン……」
と、伯爵が咳払いをした。
途端に、
「おほほほ……」
「私ったら……」
メリンダとククルは、いつもの穏やかな表情へと戻る。
「とにかく、あの男の話を信じるとするなら……」
今後の方針について、話し合いが始まった。
「順調にいけば、ヨナと公爵一行は、今夜は兄上たちが泊まった町にいるはずだ。」
そこまでは、ここから一日もかからずに辿り着ける。
「彼の話では、子供たちを連れて帰るための馬車も用意しているらしい。……なら、この際、子供たちも一緒に連れて行こうと思う。もちろん、あの公爵の騎士もだ。監視付きで。」
翌日。
シュバリエ皇国から来た子供たちに、お迎えが来ていることが伝えられた。
しかし――。
「え。もう帰るの?」
「お迎え、早すぎない?」
意外にも、今すぐ帰ることに不満を口にする子供たち。
清潔でサイズの合った綺麗な服を着て、美味しいご飯とおやつを食べ、ふかふかの布団で眠る毎日が、すっかり気に入ってしまっていたのだ。
そんな五人を優しくなだめすかし、ようやく帰ることが決まった、そのとき。
伯爵のもとに、また新たな書状が届いた。
「は? 盗賊団を捕まえた?」
内容を読んで、伯爵は目を見開いた。
予想通り、ヨナリウスと公爵一行は、昨晩、例の町に宿泊していた。
そこで――。
段取りがずさんな割に、なかなか捕まらないことで有名な、悪運の強いコソ泥集団を、どうやらミー君が捕まえたらしい、という報告だった。
なぜか武器も持たず、全裸のまま、町の最高責任者の屋敷の庭先に転がっていたという。
悪臭を取り除いたところ、公爵によく似た子供に「公開処刑」のようなものを迫られたためか、盗賊たちは我先に、自分たちの罪を白状し始めているらしい。
「あれ? このパターン……どこかで……。」
伯爵は、じわりと頭痛を覚え、薬を口に含んだ。
どう対応すべきか指示を求める内容だったため、至急、伝令を飛ばし、公爵一行には、そのまま現地で足止めするよう伝えた。
(頼むから、これ以上は増えないでくれ……ヨナ、どうか今はおとなしくしていてくれ……)
伯爵は神に祈りながら、眠りについた。
そして次の日の早朝。
伯爵は辺境伯の屋敷へ使いを走らせ、兄の留守が長くなることを伝えた。
すると、今度はお城からの急ぎの伝令が届く。
次から次へと届く文章に、伯爵は今にも倒れそうな勢いだった。
「ひ、一つずつ対応すれば、大丈夫、絶対に……。」
そう自分に言い聞かせ、頭の中で優先順位を組み立て直す。
まず自身の屋敷の者たちへ、王都で別件が生じたことを説明し、指示を出す。
その次に。
目をこすり、眠たそうにしているシュバリエ皇国の子供たちを何とか馬車に乗せ、ヨナス教会へと向かった。
司教に会い、国王の命令であることを告げ、ミディがしばらく留守になる旨を伝える。
そのうえで、牧場と孤児院の子供たちのことを託した。
「な、なんで私が実家に?」
突然呼び出されたミディは混乱し、気持ちの整理もつかないまま、気が付けば馬車に乗せられていた。
「あの、どこか体調が悪いのでは?」
元気がなく、少し見ないうちにやつれたミディを見て、伯爵は心配そうに声をかけた。
「あ、いえ……ご心配なく……」
ミディはバツの悪そうな表情で、伯爵の視線から目をそらした。
(今、王城に行ったら、ローに会ってしまう。私、何を言えば……)
ミディの頭の中は、そのことでいっぱいだった。
膝の上に置いた自分の手を見つめながら、彼女は考える。
(お祝いを述べるべき? それとも……玉砕覚悟で、言ってしまう?)
その向かい側で、
「えっと、まず公爵に会って、ヨナの無事を確認して……」
(がんばれ俺! 負けるな俺! そして……死ぬな俺!)
伯爵は今後の段取りを組もうと、脳をフル回転させていた。
シュバリエ皇国のヴァーミリオン公爵に仕える若い騎士、ウェルナー・サイオンは、気力も体力もすべて使い果たしていた。
彼はどうしても、ユリアーナに逢わなければならなかった。
なぜなら、彼の今後を左右することを彼女が握っているからである。
そのため、公爵の遠征などには、必ずといっていいほど同行した。
今回も、そのために同行し、公爵に頼まれた伝言を、ただ言えばいいだけだったはずなのに……。
「何故こんなことに……。」
何度説明しても、全く話を聞かない目の前の連中に、辟易していた。
「ヨナリウスをどこにやった!」
「ですから、我が公爵と一緒に、母親のもとへ向かっています!」
「身代金は、どのくらいを予定している?」
「そのような予定はありません!」
何度も、同じ問答が繰り返された。
目の前では、黒いローブに身を包んだ妖艶な美女が、手のひらに真っ赤に燃え盛る火の玉を生み出し、今にもこちらを焼き殺そうと構えている。
もう一人、同行していたショートカットが似合うかわいらしい少女は、無言のまま、自分の指の爪を一枚一枚、ナイフの刃先で剥がそうとしていた。
ウェルナーは、生きた心地がしなかった。
その中でも、最後まで……。
「こんなに早く、この国へ来られるはずがない!」
と疑われ続けたが、国家機密を口にするわけにもいかず、
「公爵様が説明してくださいます!」
「自分からは言えません!」
と、頑なにそれ以上の説明を拒み続けた。
半ば強引に押し切る形ではあったが、それでも何とか自由を勝ち取った頃には、腹はぺこぺこで、ふと見上げた空には、いつの間にか星が瞬いていた。
「……オレ、泣いていいかな……」
伯爵家が詫びとして用意してくれた、遅い時間の豪華な食事を、涙というしょっぱいスパイスで味付けしながら、ウェルナーは次々と口へ運んでいく。
国に残してきた、新婚のかわいい妻の顔を思い浮かべ、生き残ったという事実を、噛みしめるように実感していた。
なぜなら途中で、あの妖艶な美女が、含みのある手つきで体に触れながら、
「いい体しているわね? なんなら夜の運動で、吐かせてあげても、よくってよ?」
と、冗談とも本気ともつかぬ誘惑を仕掛けてきたからである。
そのとき、
「わたし、新婚なので! 妻を裏切れませーん!」
半ば叫ぶようにそう言い放ち、誘惑に屈しなかった自分を、心の底から褒めてやりたくなった。
それに。
その一言で「誠実な男」だと認められ、急に信用されるようになったのだから、世の中というのは分からない。
「やっぱり、誠実が一番……」
ウェルナーは、心の中で強く誓った。
その頃、別室では――。
伯爵たちが、密かに会議を開いていた。
「しぶとかったわね、あの男。」
「かわいい顔して、なかなか根性が据わっているわ!」
「さすがは、あの“戦闘狂”と呼ばれた公爵の部下ね。」
メリンダとククルは、ユーリとヨナリウスには決して見せない、凶暴な顔をさらしていた。
その迫力に、その場にいる男性陣はビクビクしている。
「でも、もったいなかったな。いい体してたのに……」
物欲しそうに指をくわえるメリンダ。
「よその国の騎士に手を出すのは、さすがにまずいでしょう。」
「しかも人様のものって、魅力的……。」
「メリンダ……いつか痛い目を見るよ……。」
聞いているだけで胃が痛くなりそうな会話が続く。
その空気を何とかしようと、
「コホン……」
と、伯爵が咳払いをした。
途端に、
「おほほほ……」
「私ったら……」
メリンダとククルは、いつもの穏やかな表情へと戻る。
「とにかく、あの男の話を信じるとするなら……」
今後の方針について、話し合いが始まった。
「順調にいけば、ヨナと公爵一行は、今夜は兄上たちが泊まった町にいるはずだ。」
そこまでは、ここから一日もかからずに辿り着ける。
「彼の話では、子供たちを連れて帰るための馬車も用意しているらしい。……なら、この際、子供たちも一緒に連れて行こうと思う。もちろん、あの公爵の騎士もだ。監視付きで。」
翌日。
シュバリエ皇国から来た子供たちに、お迎えが来ていることが伝えられた。
しかし――。
「え。もう帰るの?」
「お迎え、早すぎない?」
意外にも、今すぐ帰ることに不満を口にする子供たち。
清潔でサイズの合った綺麗な服を着て、美味しいご飯とおやつを食べ、ふかふかの布団で眠る毎日が、すっかり気に入ってしまっていたのだ。
そんな五人を優しくなだめすかし、ようやく帰ることが決まった、そのとき。
伯爵のもとに、また新たな書状が届いた。
「は? 盗賊団を捕まえた?」
内容を読んで、伯爵は目を見開いた。
予想通り、ヨナリウスと公爵一行は、昨晩、例の町に宿泊していた。
そこで――。
段取りがずさんな割に、なかなか捕まらないことで有名な、悪運の強いコソ泥集団を、どうやらミー君が捕まえたらしい、という報告だった。
なぜか武器も持たず、全裸のまま、町の最高責任者の屋敷の庭先に転がっていたという。
悪臭を取り除いたところ、公爵によく似た子供に「公開処刑」のようなものを迫られたためか、盗賊たちは我先に、自分たちの罪を白状し始めているらしい。
「あれ? このパターン……どこかで……。」
伯爵は、じわりと頭痛を覚え、薬を口に含んだ。
どう対応すべきか指示を求める内容だったため、至急、伝令を飛ばし、公爵一行には、そのまま現地で足止めするよう伝えた。
(頼むから、これ以上は増えないでくれ……ヨナ、どうか今はおとなしくしていてくれ……)
伯爵は神に祈りながら、眠りについた。
そして次の日の早朝。
伯爵は辺境伯の屋敷へ使いを走らせ、兄の留守が長くなることを伝えた。
すると、今度はお城からの急ぎの伝令が届く。
次から次へと届く文章に、伯爵は今にも倒れそうな勢いだった。
「ひ、一つずつ対応すれば、大丈夫、絶対に……。」
そう自分に言い聞かせ、頭の中で優先順位を組み立て直す。
まず自身の屋敷の者たちへ、王都で別件が生じたことを説明し、指示を出す。
その次に。
目をこすり、眠たそうにしているシュバリエ皇国の子供たちを何とか馬車に乗せ、ヨナス教会へと向かった。
司教に会い、国王の命令であることを告げ、ミディがしばらく留守になる旨を伝える。
そのうえで、牧場と孤児院の子供たちのことを託した。
「な、なんで私が実家に?」
突然呼び出されたミディは混乱し、気持ちの整理もつかないまま、気が付けば馬車に乗せられていた。
「あの、どこか体調が悪いのでは?」
元気がなく、少し見ないうちにやつれたミディを見て、伯爵は心配そうに声をかけた。
「あ、いえ……ご心配なく……」
ミディはバツの悪そうな表情で、伯爵の視線から目をそらした。
(今、王城に行ったら、ローに会ってしまう。私、何を言えば……)
ミディの頭の中は、そのことでいっぱいだった。
膝の上に置いた自分の手を見つめながら、彼女は考える。
(お祝いを述べるべき? それとも……玉砕覚悟で、言ってしまう?)
その向かい側で、
「えっと、まず公爵に会って、ヨナの無事を確認して……」
(がんばれ俺! 負けるな俺! そして……死ぬな俺!)
伯爵は今後の段取りを組もうと、脳をフル回転させていた。
67
あなたにおすすめの小説
結婚して5年、冷たい夫に離縁を申し立てたらみんなに止められています。
真田どんぐり
恋愛
ー5年前、ストレイ伯爵家の美しい令嬢、アルヴィラ・ストレイはアレンベル侯爵家の侯爵、ダリウス・アレンベルと結婚してアルヴィラ・アレンベルへとなった。
親同士に決められた政略結婚だったが、アルヴィラは旦那様とちゃんと愛し合ってやっていこうと決意していたのに……。
そんな決意を打ち砕くかのように旦那様の態度はずっと冷たかった。
(しかも私にだけ!!)
社交界に行っても、使用人の前でもどんな時でも冷たい態度を取られた私は周りの噂の恰好の的。
最初こそ我慢していたが、ある日、偶然旦那様とその幼馴染の不倫疑惑を耳にする。
(((こんな仕打ち、あんまりよーー!!)))
旦那様の態度にとうとう耐えられなくなった私は、ついに離縁を決意したーーーー。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
「お幸せに」と微笑んだ悪役令嬢は、二度と戻らなかった。
パリパリかぷちーの
恋愛
王太子から婚約破棄を告げられたその日、
クラリーチェ=ヴァレンティナは微笑んでこう言った。
「どうか、お幸せに」──そして姿を消した。
完璧すぎる令嬢。誰にも本心を明かさなかった彼女が、
“何も持たずに”去ったその先にあったものとは。
これは誰かのために生きることをやめ、
「私自身の幸せ」を選びなおした、
ひとりの元・悪役令嬢の再生と静かな愛の物語。
婚約辞退いたします。だってこの国、沈みますもの
鍛高譚
恋愛
「婚約はお断りいたします――この国は近い将来、崩壊しますので」
そう言い放ったのは、社交界でも目立たない子爵令嬢、マリン・アクアリウム。
ある日、とある舞踏会に突如現れた王太子ガイア殿下。
誰もが驚く中、なんと彼はマリンに婚約を申し出る。
周囲は騒然。「子爵令嬢が王太子妃!?」「断る理由などないはず!」
――だが、彼女は断った。「この国は、もうすぐ滅びます」――と。
そんな不吉な言葉を口にしたことで、彼女は“狂言癖のある嘘つき令嬢”と噂され、
家族にさえ見放され、ついには国外追放の身に。
だが、彼女の予言は本物だった――
数年後、王国に未曾有の大災厄が迫る。
国土が崩れ、海に沈む都市。人々が絶望する中、思い出されるのは、
あの舞踏会でただひとり“滅び”を告げた少女の名。
「彼女なら、この国を救えるかもしれない……」
皮肉にも“追放令嬢”マリンは、再び王都に呼び戻され、
滅びゆく国で最後の希望として担ぎ上げられる。
信じてもらえなかった過去。
それでも人々の命を守ろうと奔走するマリン。
そして、王子ガイアが差し伸べた、あの日と変わらぬ手。
――たとえ国が滅んでも、あなたとともに歩んでいきたい。
家出を決行した結果
棗
恋愛
フィービーの婚約者ミゲルには大切な幼馴染がいる。病弱な幼馴染をいつも優先するミゲルや母が亡くなって以降溝が出来てしまった父と兄との関係にフィービーは疲れていた。
デートの約束をしてもいつも直前になって幼馴染を理由にキャンセルされ、幼馴染にしか感情を見せないミゲルを、フィービーを見ようとしない父や兄を捨てる決心をしたフィービーは侍女や執事の手を借りて家出を決行した。
自分を誰も知らない遠い場所へ行ったフィービーは、新しい人生の幕開けに期待に胸を躍らせた。
※なろうさんにも公開しています。
王妃さまは断罪劇に異議を唱える
土岐ゆうば(金湯叶)
恋愛
パーティー会場の中心で王太子クロードが婚約者のセリーヌに婚約破棄を突きつける。彼の側には愛らしい娘のアンナがいた。
そんな茶番劇のような場面を見て、王妃クラウディアは待ったをかける。
彼女が反対するのは、セリーヌとの婚約破棄ではなく、アンナとの再婚約だったーー。
王族の結婚とは。
王妃と国王の思いや、国王の愛妾や婚外子など。
王宮をとりまく複雑な関係が繰り広げられる。
ある者にとってはゲームの世界、ある者にとっては現実のお話。
七年目の裏切り 〜赴任先の夫から届く愛の手紙は、愛人の代筆でした〜
恋せよ恋
恋愛
「君は僕の最愛だ。もう二度と、君を危険に晒したくない」
命懸けの出産後、涙を流して私を抱きしめた夫ジュリアン。
その言葉通り、彼は「私を大切にするため」に夜の営みを断った。
私は、女としての寂しさを「愛されている誇り」に変え、
隣国へ赴任した夫を信じて二人の子供と家を守り続けていた。
毎週届く、情熱的な愛の手紙。タイプライターで綴られた
その愛の言葉を、私は宝物のように抱きしめていた。
……しかし、その手紙は「裏切り」だった。
夫が異国の地で、愛人と肌を重ねながら綴らせていた「偽りの愛」。
身分を隠して夫の赴任先の隣国へと向かった私が見たのは……。
果たして、貞淑な妻・メラニアが選んだ結論は……。
子供たちのため結婚生活の継続か、それとも……。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました
鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」
そう言ったのは、王太子アレス。
そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。
外交も財政も軍備も――
すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。
けれど功績はすべて王太子のもの。
感謝も敬意も、ただの一度もない。
そして迎えた舞踏会の夜。
「便利だったが、飾りには向かん」
公開婚約破棄。
それならば、とレイナは微笑む。
「では業務も終了でよろしいですね?」
王太子が望んだ通り、
彼女は“確認”をやめた。
保証を外し、責任を返し、
そして最後に――
「ご確認を」と差し出した書類に、
彼は何も読まずに署名した。
国は契約で成り立っている。
確認しない者に、王の資格はない。
働きたくない公爵令嬢と、
責任を理解しなかった王太子。
静かな契約ざまぁ劇、開幕。
---
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる