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月の箱庭
17 壁
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グウェンティアは目を細めた。デュナミスに視線を向け、今問われた言葉を考えてみた。あの時、両親が出逢わなければ、彼女の存在はなかった。
必然であったのか、それとも、偶然であったのか、誰も知るものはいない。グウェンティアは小さく息を吐き出し、一言、告げた。
「私は暗殺者よ」
デュナミスは凍りつき、アシャンティは目を見開いた。
薄闇の中、四人は無言で着替えていた。グウェンティアは何時もの仕事着に袖を通し、ブーツの靴ひもをきつく結んだ。立ち上がり、振り返ると三人はすでに着替え終わっていたのかグウェンティアを待っていた。
三人共、彼女と似たような服を身に付けていた。首までの長袖のシャツに短めのフード付きケープを羽織り、アシャンティはグウェンティアより少し長めのスカートと黒のタイツ、長めのブーツを履いている。
二人は上こそ同じものの、下はズボンでやはりブーツを履いていた。
着用して初めて判ったのは、服には魔術が込められ、普通の防具以上の効果があることが判った。
グウェンティアは腰に細剣を装備すると、出口に向かう。静かに扉を開き、動きを止めた。
「幻滅したかしら」
小さく問われた言葉に、デュナミスとアシャンティは息を飲む。
「それでもかまわないけど、やることはきちんとして頂戴」
グウェンティアは早口で言い終えると、外へと続く廊下を進んだ。玄関にはレギスと大神官が待っていた。
「行くのか」
レギスは短くグウェンティアに問い、彼女は頷いた。後ろから付いてきた三人も無言のままだ。
「先に外に出ていて」
グウェンティアは振り返りもせずに、三人と一匹に告げた。有無を言わせないその響きに、皆、従うしかなかった。
アシャンティは大神官に小さく挨拶をし、二人と一匹と共に外へ出た。
「言っておこうと思って」
グウェンティアは悲しい気に呟いた。レギスと大神官は不思議そうに彼女を見る。
「必ず、依頼は全うするわ。でも、その後、私は帰ってこない」
淡々と、グウェンティアは事実を口にした。
「どう言うことだ」
レギスは首をひねった。
「封印と結界が正常化した後、三人は帰ってくるけど、私は仕事が残っているから、戻ることはないの」
グウェンティアは自身が告げた言葉を考えた。これは、紅の予言には出ていない筈だった。何故なら、これは決められた事実であり、変化を伴うものではない。
「今まで生活する場を与えてくれた事に感謝するわ」
レギスは孫娘の素っ気ない言葉の裏を読み取っていた。年齢に比べ、冷静であり尚且つ、大人びている。だからと言って、そのまま捉えるのは危険である事を彼は良く知っていた。
「全てが終わった後に何がある」
レギスの短い問いはそのまま、大神官の問いでもあった。
「私は」
グウェンティアは外に視線を向けた。そこには、こちらの様子を伺う三人と一匹の姿があった。視線を戻し、決心したように息を吐き出す。
「すべてが終わった後、ある場所でしなくてはならない事があるの」
これは事実だった。元々、全てが終わった後、消えるつもりでいた彼女にとって意外な事実であった。
自ら姿を消す必要はなかったのだ。最初から、紫は人々の前から消える運命だった。
「お祖父様、行き場をなくなった私を受け入れてくれて感謝しているわ」
グウェンティアは瞳を閉じ息を整え、再び、瞳を開く。
「大神官である貴方にも感謝を。あの子を受け入れてくれた事に感謝を」
グウェンティアに視線を向けられ、言われた言葉に大神官は目を見開いた。
「何を」
大神官は動揺した。アシャンティを神殿に連れてきたのは彼女の両親ではなかった。一人の若い男だったのだ。
「あの子は私のいた屋敷にいたの。あの時までずっとね。記憶を封印したのは私よ」
グウェンティアはアシャンティを見た時、二度と会わないと思っていただけに驚きを隠せなかった。それを隠す為に、居場所をわざと聞いたのだ。
あの襲撃の夜、一番最初に屋敷を脱出した者だった。
「彼等は帰ってくるけど、私は違う」
グウェンティアは静かに言い切った。そして、外に足を向けた。全ては決まった事であり、今更、何かを言ったところで何も変わらない。
「グウェン」
レギスは呼び止めようとした。だが、言葉が続かなかった。何かを言ったとして、現実が変わらない事を良く知っていたからだ。
「結界の端まで一緒に行っても構わないか」
レギスは苦し紛れに問い掛けた。グウェンティアは振り返る。
「来たかったら来たらいいわ。そのかわり、結界から絶対に出ないで」
釘を差し、グウェンティアは三人と一匹の元に向かった。空が白み始めていた。
「話は済んだのか」
ゼディスは問い掛ける。グウェンティアは小さく頷き、近付いた。
「必要なことは告げたわ。行きましょう。時間がないみたいだし」
グウェンティアは城がある方に視線を向けた。目的地は違うが、最終的に目指さなくてはいけないのは城の中心部だ。その後に、それぞれの責務を果たすことになる。
封印と結界の森で使命を果たし、世界の秩序を正常化させる。おそらく、結界が正常に機能し続けるのは、修道院の結界だけの筈だ。
残りの結界は順次、崩壊し無力化するだろう。
結界強化に伴い、少しでも封印されている者の魔力に毒された者は排除され入ることは出来なくなった筈だ。
「グウェン」
デュナミスは遠慮がちに呼んだ。グウェンティアは彼に視線を向ける。同じ瞳の色をしていても、グウェンティアのそれとデュナミスのとでは意志の強さが違った。
「何か言いたい」
グウェンティアは問い掛ける。デュナミスは小さく息を吐き出し、考えを纏めようとした。
要の部屋で聞かされた事実に打ちのめされたのは事実だ。グウェンティアは一言告げただけで、その他の説明は一切なかった。否、訊くことが出来なかったのだ。グウェンティアの年齢を考えると言葉が続かなかった。
「何故」
デュナミスは言葉を切った。何が言いたいのか考えが纏まらなかった。しかし、疑問をぬぐい去るには訊くしかないことを彼は知っていた。
「教えてほしい。何故、暗殺者なのか」
デュナミスは息を飲み、慎重に言葉を口にした。グウェンティアはデュナミスを直視し、目を細めた。
修道院の役割そのものが、彼女のその後を決めた。彼女の母親の家系が技術の全てを知るきっかけとなった。
「結界を出たら話すわ」
素っ気なく答え、歩き出した。
グウェンティアはふと、ある事に気が付いた。辺りを見渡し、彼等がいないことに気が付いた。
「ゼディス、馬達は」
視線をゼディスに移し問い掛けた。
「彼奴等は結界を強化する前に出ていったみたいだな。自分達が魔力に毒されている事を本能的に知っている。はじき出される事が判っていたんだろう」
ゼディスの答えにグウェンティアは納得した。彼等の容姿は魔物に近い。性格は温厚であるが、外の世界で生きていく為に外見が進化したのだ。今更、元の姿に戻るのは不可能に近い。
「そう」
素っ気なく言い、歩き出す。時間がない今、少しの時間の無駄が命取りになる。
一行は早足で歩き、結界の端まで来た。そこにあったのは白い壁だ。三人には見覚えのあるものだった。ただ、違うのは綻びが存在しないことだ。こうなると、出るのは困難な筈だ。
「どうやって出るつもりだ」
ゼディスは腕を組み、呟いた。グウェンティアは小さく溜め息を吐き、壁の前に額の痣を向けた。
白い壁にいきなり魔術文字が浮かび上がり、忙しなく動く様がはっきりと確認出来た。
文字は一定の動きで光を放ち、微かな風を伴って彼女の目の前にぽっかりと穴が開いた。
「行きましょう」
振り向き、グウェンティアは短く告げた。額の三日月の痣が鍵である事は皆、知っていた。だが、結界に出口を造るのにも使われるとは考えが及ばなかった。
「行って」
短く命令し、最初に動いたのはグロウだった。
「外を見ていてやる。これだけ結界の壁が厚いと確認も出来ないからな」
素っ気なく言い、霞む結界の中に姿を消した。次いでゼディス、デュナミスと続く。アシャンティは少し躊躇い、大神官に抱き付いた。大神官は少し驚きながらも、アシャンティの背中を軽く叩いた。
アシャンティは表情を曇らせ、しかし、直ぐに彼等の後に続いた。
「三人をお願い。必ず戻ってくるから」
グウェンティアは二人に聞こえるくらいの小さな声で言った。二人は小さく頷く。
「待っている、安心していい」
レギスはグウェンティアに応えた。彼女は小さく微笑むと壁の中に消えた。すると、壁にあった出口は霞のように消え、元の姿を取り戻した。
二人は長い間その場に立ち尽くし、夜が完全に明けるまで動くことはなかった。
必然であったのか、それとも、偶然であったのか、誰も知るものはいない。グウェンティアは小さく息を吐き出し、一言、告げた。
「私は暗殺者よ」
デュナミスは凍りつき、アシャンティは目を見開いた。
薄闇の中、四人は無言で着替えていた。グウェンティアは何時もの仕事着に袖を通し、ブーツの靴ひもをきつく結んだ。立ち上がり、振り返ると三人はすでに着替え終わっていたのかグウェンティアを待っていた。
三人共、彼女と似たような服を身に付けていた。首までの長袖のシャツに短めのフード付きケープを羽織り、アシャンティはグウェンティアより少し長めのスカートと黒のタイツ、長めのブーツを履いている。
二人は上こそ同じものの、下はズボンでやはりブーツを履いていた。
着用して初めて判ったのは、服には魔術が込められ、普通の防具以上の効果があることが判った。
グウェンティアは腰に細剣を装備すると、出口に向かう。静かに扉を開き、動きを止めた。
「幻滅したかしら」
小さく問われた言葉に、デュナミスとアシャンティは息を飲む。
「それでもかまわないけど、やることはきちんとして頂戴」
グウェンティアは早口で言い終えると、外へと続く廊下を進んだ。玄関にはレギスと大神官が待っていた。
「行くのか」
レギスは短くグウェンティアに問い、彼女は頷いた。後ろから付いてきた三人も無言のままだ。
「先に外に出ていて」
グウェンティアは振り返りもせずに、三人と一匹に告げた。有無を言わせないその響きに、皆、従うしかなかった。
アシャンティは大神官に小さく挨拶をし、二人と一匹と共に外へ出た。
「言っておこうと思って」
グウェンティアは悲しい気に呟いた。レギスと大神官は不思議そうに彼女を見る。
「必ず、依頼は全うするわ。でも、その後、私は帰ってこない」
淡々と、グウェンティアは事実を口にした。
「どう言うことだ」
レギスは首をひねった。
「封印と結界が正常化した後、三人は帰ってくるけど、私は仕事が残っているから、戻ることはないの」
グウェンティアは自身が告げた言葉を考えた。これは、紅の予言には出ていない筈だった。何故なら、これは決められた事実であり、変化を伴うものではない。
「今まで生活する場を与えてくれた事に感謝するわ」
レギスは孫娘の素っ気ない言葉の裏を読み取っていた。年齢に比べ、冷静であり尚且つ、大人びている。だからと言って、そのまま捉えるのは危険である事を彼は良く知っていた。
「全てが終わった後に何がある」
レギスの短い問いはそのまま、大神官の問いでもあった。
「私は」
グウェンティアは外に視線を向けた。そこには、こちらの様子を伺う三人と一匹の姿があった。視線を戻し、決心したように息を吐き出す。
「すべてが終わった後、ある場所でしなくてはならない事があるの」
これは事実だった。元々、全てが終わった後、消えるつもりでいた彼女にとって意外な事実であった。
自ら姿を消す必要はなかったのだ。最初から、紫は人々の前から消える運命だった。
「お祖父様、行き場をなくなった私を受け入れてくれて感謝しているわ」
グウェンティアは瞳を閉じ息を整え、再び、瞳を開く。
「大神官である貴方にも感謝を。あの子を受け入れてくれた事に感謝を」
グウェンティアに視線を向けられ、言われた言葉に大神官は目を見開いた。
「何を」
大神官は動揺した。アシャンティを神殿に連れてきたのは彼女の両親ではなかった。一人の若い男だったのだ。
「あの子は私のいた屋敷にいたの。あの時までずっとね。記憶を封印したのは私よ」
グウェンティアはアシャンティを見た時、二度と会わないと思っていただけに驚きを隠せなかった。それを隠す為に、居場所をわざと聞いたのだ。
あの襲撃の夜、一番最初に屋敷を脱出した者だった。
「彼等は帰ってくるけど、私は違う」
グウェンティアは静かに言い切った。そして、外に足を向けた。全ては決まった事であり、今更、何かを言ったところで何も変わらない。
「グウェン」
レギスは呼び止めようとした。だが、言葉が続かなかった。何かを言ったとして、現実が変わらない事を良く知っていたからだ。
「結界の端まで一緒に行っても構わないか」
レギスは苦し紛れに問い掛けた。グウェンティアは振り返る。
「来たかったら来たらいいわ。そのかわり、結界から絶対に出ないで」
釘を差し、グウェンティアは三人と一匹の元に向かった。空が白み始めていた。
「話は済んだのか」
ゼディスは問い掛ける。グウェンティアは小さく頷き、近付いた。
「必要なことは告げたわ。行きましょう。時間がないみたいだし」
グウェンティアは城がある方に視線を向けた。目的地は違うが、最終的に目指さなくてはいけないのは城の中心部だ。その後に、それぞれの責務を果たすことになる。
封印と結界の森で使命を果たし、世界の秩序を正常化させる。おそらく、結界が正常に機能し続けるのは、修道院の結界だけの筈だ。
残りの結界は順次、崩壊し無力化するだろう。
結界強化に伴い、少しでも封印されている者の魔力に毒された者は排除され入ることは出来なくなった筈だ。
「グウェン」
デュナミスは遠慮がちに呼んだ。グウェンティアは彼に視線を向ける。同じ瞳の色をしていても、グウェンティアのそれとデュナミスのとでは意志の強さが違った。
「何か言いたい」
グウェンティアは問い掛ける。デュナミスは小さく息を吐き出し、考えを纏めようとした。
要の部屋で聞かされた事実に打ちのめされたのは事実だ。グウェンティアは一言告げただけで、その他の説明は一切なかった。否、訊くことが出来なかったのだ。グウェンティアの年齢を考えると言葉が続かなかった。
「何故」
デュナミスは言葉を切った。何が言いたいのか考えが纏まらなかった。しかし、疑問をぬぐい去るには訊くしかないことを彼は知っていた。
「教えてほしい。何故、暗殺者なのか」
デュナミスは息を飲み、慎重に言葉を口にした。グウェンティアはデュナミスを直視し、目を細めた。
修道院の役割そのものが、彼女のその後を決めた。彼女の母親の家系が技術の全てを知るきっかけとなった。
「結界を出たら話すわ」
素っ気なく答え、歩き出した。
グウェンティアはふと、ある事に気が付いた。辺りを見渡し、彼等がいないことに気が付いた。
「ゼディス、馬達は」
視線をゼディスに移し問い掛けた。
「彼奴等は結界を強化する前に出ていったみたいだな。自分達が魔力に毒されている事を本能的に知っている。はじき出される事が判っていたんだろう」
ゼディスの答えにグウェンティアは納得した。彼等の容姿は魔物に近い。性格は温厚であるが、外の世界で生きていく為に外見が進化したのだ。今更、元の姿に戻るのは不可能に近い。
「そう」
素っ気なく言い、歩き出す。時間がない今、少しの時間の無駄が命取りになる。
一行は早足で歩き、結界の端まで来た。そこにあったのは白い壁だ。三人には見覚えのあるものだった。ただ、違うのは綻びが存在しないことだ。こうなると、出るのは困難な筈だ。
「どうやって出るつもりだ」
ゼディスは腕を組み、呟いた。グウェンティアは小さく溜め息を吐き、壁の前に額の痣を向けた。
白い壁にいきなり魔術文字が浮かび上がり、忙しなく動く様がはっきりと確認出来た。
文字は一定の動きで光を放ち、微かな風を伴って彼女の目の前にぽっかりと穴が開いた。
「行きましょう」
振り向き、グウェンティアは短く告げた。額の三日月の痣が鍵である事は皆、知っていた。だが、結界に出口を造るのにも使われるとは考えが及ばなかった。
「行って」
短く命令し、最初に動いたのはグロウだった。
「外を見ていてやる。これだけ結界の壁が厚いと確認も出来ないからな」
素っ気なく言い、霞む結界の中に姿を消した。次いでゼディス、デュナミスと続く。アシャンティは少し躊躇い、大神官に抱き付いた。大神官は少し驚きながらも、アシャンティの背中を軽く叩いた。
アシャンティは表情を曇らせ、しかし、直ぐに彼等の後に続いた。
「三人をお願い。必ず戻ってくるから」
グウェンティアは二人に聞こえるくらいの小さな声で言った。二人は小さく頷く。
「待っている、安心していい」
レギスはグウェンティアに応えた。彼女は小さく微笑むと壁の中に消えた。すると、壁にあった出口は霞のように消え、元の姿を取り戻した。
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