銀の鳥籠

善奈美

文字の大きさ
3 / 281
銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編

003 衝撃の事実!

しおりを挟む
 次の日、友人? に無理矢理連れてこられたのは職員室、の前の掲示板。職員室は一階に位置してるけど、行った事ってなかったんだよな。大広間は入り口の正面に位置してて、職員室は奥まった場所に図書室と向かい合うようになっている。当然、図書室があると言うことは人通りも多いと言うことだ。
 
 その職員室と図書室に挟まれるようにある掲示板。デカデカと張り出されたありえない内容。驚きに言葉が出ねぇし!
 
「これ、なんだよ」
 
 掲示板には基本、学校生活で必要なことが貼り出されるのが普通じゃねぇのかよ! 一個人の情報を漏洩する場所じゃないだろうが!
  
「サクヤの近況」
「いやいや、言いたいのはそこじゃなくてだ。何でオレのことが、しかも、個人情報だ!」
「争いを避けるため?」
 
 争いって何だ。こんなの貼り出されたら、煩い奴等が出てくるじゃねぇか!
 
「オレの身の危険に配慮はないのかよ」
「配慮」
 
 掲示板を指差してのうのうと宣うな!
 
「生徒会役員には親衛隊がいるだろう!」
「いるけど。魔力を持たない奴等と一緒に考えてたら、後が辛いんじゃないの」
「はい?!」
 
 意味が分かんねぇぞ! 今更だけど、俺が叫んでるからか、周りに人が集まりだしてる。いや、オレが浅はかだっただけだけどさ。
 
「オレの親衛隊に関する認識はワンコロ集団だぞ」
「まあ、間違えてないけどね。循環相手は魔力がある奴には必須なの。で、会長クラスになると相手もそれなりの奴じゃないと意味がない」
 
 それなりのって、どれなりのだ?!
 
「会長の魔力はトップクラスで。これは噂なんだけど、会長、物心つく頃にはサクヤを知ってたみたいだぞ」
 
 は?! どう言うことだ?! それこそ、個人情報!
 
「魔力の循環って、体内に無駄に溜まり込んだものを新しくするってことだ。じゃあ、相手が自分と全く合わない魔力の器だった場合、循環の意味がない」
 
 淡々と言いやがるし。内容に関しては、何も知らないオレでも納得できる説明だけどさ。
 
「サクヤが迫られたとき、授業中にも関わらず乱入してきて掻っ攫ってただろう。此処に貼り出される前に捕獲されたわけ。噂が本当だったと思ったね」
 
 ……。それって……。いや、待てよ。正確な情報云々は横に置いておいて、この物言いだと、ここに居る奴等はオレの誕生日を知ってたってことかよ?
 
「連れ出された時間が、ちょうど、生まれた時間なんじゃないの? 貼り出されてからじゃ、争奪戦だし」
 
 まず、個人情報が漏洩してることに対する問題点は上げられないのか? そこは問題視っていうか、教師の奴、あのとき、見送りやがったんだ! そこに気が付けよオレの莫迦! それに貼り出すって?! 誕生日に貼り出すって?!
 
「噂だと、外部って言っても、微弱な魔力の両親から強い魔力を持つ子が生まれたら、合うだろう相手の親に通達するみたいだな。ちなみに、俺にそんな相手はいないぞ。会長を振るなら俺が付いてって、即立候補するぞ」
 
 勘弁してくれ。本当に魔力がある魔法使いの感覚が分かんねぇぞ! まず、うちの両親、それ知ってたんじゃないのか?! 息子の貞操の危機を軽く見てやがるな! それに、ユエは?! 他の奴等のは貼り出されないのかよ?! そこに関しての疑問に答えてくれる奴いるのか?!
 
「素直に貰われた方がサクヤのためだとは思うけどね」
 
 此奴、いつか締める!

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

従僕に溺愛されて逃げられない

大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL! 俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。 その傍らには、当然のようにリンがいる。 荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。 高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。 けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。 当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。 居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。 さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。 主従なのか、恋人なのか。 境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。 従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。

完成した犬は新たな地獄が待つ飼育部屋へと連れ戻される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

ふたなり治験棟 企画12月31公開

ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。 男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!

神官姫と最強最弱の王

深也糸
BL
アズカヴァル国の王、リヴェラ・ライト・アズカヴァルは十八歳になり、成人したことで妃を娶らなければならなかった。 隣国のリゼルハイドの姫、シファ・ヴィオラ・リゼルハイドはリヴェラと娶せられるためにアズカヴァルに逗留することになる。リヴェラに城の中を案内してもらい親睦を深めようとするが、早々に男だとバレてしまい……。 ※週一回 マイペース更新

兄弟カフェ 〜僕達の関係は誰にも邪魔できない〜

紅夜チャンプル
BL
ある街にイケメン兄弟が経営するお洒落なカフェ「セプタンブル」がある。真面目で優しい兄の碧人(あおと)、明るく爽やかな弟の健人(けんと)。2人は今日も多くの女性客に素敵なひとときを提供する。 ただし‥‥家に帰った2人の本当の姿はお互いを愛し、甘い時間を過ごす兄弟であった。お店では「兄貴」「健人」と呼び合うのに対し、家では「あお兄」「ケン」と呼んでぎゅっと抱き合って眠りにつく。 そんな2人の前に現れたのは、大学生の幸成(ゆきなり)。純粋そうな彼との出会いにより兄弟の関係は‥‥?

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

処理中です...