銀の鳥籠

善奈美

文字の大きさ
15 / 281
銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編

015 強烈な感覚

しおりを挟む
 さっきから、なされるがままのオレってどうよ?!
 
「ねぇ? キスしていい?」
 
 このタイミングでそれを言うのかよ。散々、オレの体を翻弄しといてさ。駄目だって言ったって、する気なんだろう! うう、絶対流されてるよ。小さく頷いて睨み付けてやった。ささやかな抵抗でも、試みてみたいんだよ!
 
「まだ、そんな顔できるんだね」
「……気分の問題」
「本当に気が強いよね」
 
 楽しそうだな! オレはいっぱいいっぱいだ!
 
「舌出して」
 
 は?! どうして、舌なんか出さなきゃならないんだ? 会長は見せ付けるように舌を出してきた。少し考えて、根負けしたように舌を少し出してみた。笑いたきゃ、笑えよ!
 
「んっ……」
 
 キスって唇同士が触れ合うんじゃないのか?! 会長がオレの舌に自分の舌を押し当てて刺激してきた。滑りを帯びた感触が変な感覚を体に与えてきて、問題ありまくりだ。なんだこれ……。そのまま唇が合わさって、会長の舌がオレの口内に押し入ってきた。舌を絡めてきて、歯列や上顎を舐めまわされる。自分とは違う意志を持った生き物が、口の中を蹂躙してくる。互いの唾液が溢れてきて、水音が耳を犯してる。
 
「……ふぁ」
 
 これなんだ?! キスってこんなにエロいもんなのかよ?! それに息ができない! 脳が酸素欠乏を訴えてるのに、体が痺れたようにうまく動かねぇ! それに口の中を自分じゃないものが我が物顔で動き回ってて、それがありとあらゆるところを舐め回して刺激されると体の力が抜ける。ぞくりと、背筋を快感が走り抜けた。
 
「……ひゃあ!」
 
 意識がキスに向けられてて、会長がなにをしようとしていたのか、完全に見失ってた。不意にきた下半身への刺激。正確には誰にも触れられたことがない場所。後ろに回された手が、指が、オレの隠された場所を暴こうとしていた。滑りを帯びた指先がお尻の狭間を撫で回してる……。こんな恥ずかしいこと、平気でできるのが信じらんねぇよ。
 
「……まっ」
「待ったなし。サクヤはこっちに意識向けてて」
 
 そう言われて、また、唇に落ちてきたのは会長の唇と侵入してきた滑りを帯びた熱い舌。キスは気持ちがいいかもしれない。ただ、酸素が不足する。会長はどうして平気な顔してるんだよ! 夢中になって、思わず会長の首に両腕を回して引き寄せていた。
 
「可愛いことする」
「……なに?」
「なんでもないよ」
 
 このときのオレは完全に意識が朦朧としていて、会長にされてる行為を理解してなかった。ただ、体がフワフワして、周りに漂っていた甘い香りに気が付いてなかった。ゆっくりと侵入してきた指にも気が付いてなかった。ただ、口内を刺激してくる舌に意識を向けていた。会長に促されるまま、何度も角度を変えて、舌を絡め合う。
 
「サクヤはここに触れたらどうなるかな?」
 
 唇が離れていって、囁かれた言葉になんのことか分からなかった。何かを企む顔をしているのに、オレはそれに気付く余裕もない。
 
「乱れてくれる?」
「……?」
 
 急にきた圧迫感と背中を駆け上がる強烈な感覚に体が跳ねた。
 
「あっ?! あああっ!」
 
 体の中にあるなにかを思いっきり押し潰された感じがする! 背中を駆け抜けたざわりとした感覚。どうしていいのか分からず、思わず会長に縋り付いて背中に爪を立てた。オレの反応にほくそ笑んだ会長は、その場所を幾度となく刺激してくる。強弱をつけて与えてくる刺激は、初心者のオレには強すぎる!
 
「……や、やああああっ!」
 
 それは初めて感じる、まさしく、強烈な感覚だった。
 
 
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

従僕に溺愛されて逃げられない

大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL! 俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。 その傍らには、当然のようにリンがいる。 荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。 高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。 けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。 当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。 居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。 さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。 主従なのか、恋人なのか。 境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。 従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。

完成した犬は新たな地獄が待つ飼育部屋へと連れ戻される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

ふたなり治験棟 企画12月31公開

ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。 男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!

神官姫と最強最弱の王

深也糸
BL
アズカヴァル国の王、リヴェラ・ライト・アズカヴァルは十八歳になり、成人したことで妃を娶らなければならなかった。 隣国のリゼルハイドの姫、シファ・ヴィオラ・リゼルハイドはリヴェラと娶せられるためにアズカヴァルに逗留することになる。リヴェラに城の中を案内してもらい親睦を深めようとするが、早々に男だとバレてしまい……。 ※週一回 マイペース更新

兄弟カフェ 〜僕達の関係は誰にも邪魔できない〜

紅夜チャンプル
BL
ある街にイケメン兄弟が経営するお洒落なカフェ「セプタンブル」がある。真面目で優しい兄の碧人(あおと)、明るく爽やかな弟の健人(けんと)。2人は今日も多くの女性客に素敵なひとときを提供する。 ただし‥‥家に帰った2人の本当の姿はお互いを愛し、甘い時間を過ごす兄弟であった。お店では「兄貴」「健人」と呼び合うのに対し、家では「あお兄」「ケン」と呼んでぎゅっと抱き合って眠りにつく。 そんな2人の前に現れたのは、大学生の幸成(ゆきなり)。純粋そうな彼との出会いにより兄弟の関係は‥‥?

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

処理中です...