銀の鳥籠

善奈美

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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編

017 流れに身を任せる、のか?

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 頭を撫でる感覚で意識が浮上した。どうして体が怠いのか、ありえない場所に違和感があるのか、直ぐには思い出せなかったんだ。ゆっくり瞼を開いて辺りを見回した。明かりを抑えた柔らかい照明。横になっているベッドが異常に大きくて、肌に触れるシーツは柔らかい。
 
「気が付いた?」
 
 その声に視線を向ければ微笑んでいる無駄に整った顔。
 
「会長?!」
「名前で呼んでもらいたいね。仮にも恋人で結婚相手なんだし」
 
 その言葉に思考が停止。そして、まざまざと思い出されたあれこれ……。うん、羞恥心で死ねる。あんなの体に教え込むな。本人無視して暴走する……。
 
「あれ? 体が動かない?」
「仕方ないよ。初めての行為に加えて、私の澱んだ魔力を受けたんだから」
 
 体が異常に熱かったのはそのせいか? 流れ込んできた質量に、なにかが悲鳴を上げたんだよな。待てよ。もし、体を重ねることがあるとしたら、あの、なんとも言えない感覚を味わうことになるのかよ?!
 
「これ、する度、こうなるのかよ?」
「今回だけだと思うよ。私の生きてきた時間の分の魔力の澱みだからね。それに、君は私の魔力を喰べるだろうから。次からは楽な筈だ」
 
 オレ、そう言えば、魔力ダダ漏れの枯渇した分を無意識に補充すんるだっけ? もう、珍獣の域じゃねぇか?!
 
「勿論、他の人のは喰べたら駄目だよ。嫉妬で狂うから」
 
 嫉妬ってなんだ?
 
「他の人って言うか、無意識にしてるもんをどうやって制御するんだよ」
「大丈夫。常時抱き付いてる予定だから」
 
 はい?! 待て待て! そんな恥ずかしいこと、止めてくれ!
 
「冗談?!」
「冗談じゃなくて」
「揶揄ってるのかよ?!」
「本気」
 
 満面の笑み向けるの止めろ!
 
「それとね。休みの日に買い物行くから」
「行ってらっしゃいませ」
 
 休みの日くらい休ませてくれよ。
 
「サクヤも一緒に行くんだよ。買うのはサクヤの物なんだから」
「オレ、欲しい物なんてないけど」
「なに言ってるの。学校で借りてる物、全部買い替えるんだから。本人いないと駄目な物もあるんだよ」
「買い替える?! なんで?!」
「ユエに聞いてないの?」
 
 いや、聞いたよ。確かにユエはいってたよ。まさか、本当だっていうのかよ。
 
「どんだけお金かかると思ってるんだよ!」
「さあ。でも、両親にも言われてたしね」
 
 絶対、金銭感覚おかしいから。
 
「多分、ライカとユエもだろうし。四人で出掛けることになると思うけど」
 
 金持ちの感覚が分かんねぇ! その前に、風呂に入りてぇよ!
 
「風呂使いたいんだけど」
「唐突だね」
「まあな。考えると疲れるから止める。で、風呂入って、何か食べたい」
 
 ただでさえ疲れてるのに、脳まで使う気なんかないわ! オレ、さっきも思ったけど、最後まで流されるかもしんねぇ……。
 
 
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