銀の鳥籠

善奈美

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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編

022 情報と身の危険

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 部屋を出て副会長とユエと合流した。二人も私服になってて、副会長の姿にびっくりだ。全身真っ黒。しかも、肌の露出が限りなく少ない。一方ユエ。Tシャツにジーンズ。パーカーという出で立ち。こっちは安心する。
 
 門のところまで歩いて行くと、教師が待っていた。隣に書記と会計。
 
「これが許可証だ。何か言われたら見せろよ。まあ、誰も言いやしないだろうけどな」
 
 どうして、昼日中、どう見ても高校生のオレ達に疑問を投げかける者がいないって言えるんだ……。
 
「それと、互いの相手から目を離すなよ。下手したら攫われるからな。循環の魔法のせいでこいつ等の価値が丸分かりだ」
 
 教師から渡された書類を二人は丁寧に折り畳んで服のポケットに入れた。魔法で消したりはしねぇんだな。
 
「分かってます。相手のいない人には魅力的でしょうし」
「四人で行動しますから」
 
 ルイと副会長が口々にそう言った。やっぱり、珍獣扱いかよ。
 
「そうしろ」
 
 三人に送り出されて門を後にする。ここの門、魔物の彫刻があって、結構リアルに作られてる。鋭く睨みつけられてるようで、実はあまり好きじゃねぇんだよな。
 
 オレの右側を歩いているルイがいきなり手を繋いできた。驚いて見上げる。おい、このまま歩いて行く気か!
 
「不満なのは分かるけどね。身の安全を考えるなら我慢して。ユエもライカと繋いでるでしょう」
 
 視線を向けると、顔を真っ赤に染めたユエが少しムクれてた。
 
「じゃあ、ひとっ飛びする?」
「そうだね」
 
 ルイは指を鳴らし、副会長は懐から杖を出した。
 
「やっぱり、それ、便利だね」
「でしょう。我ながらいい発明だと思ってるよ」
「商品化は?」
「されてるよ。まあ、今から行く杖の店でしか扱えないようになってるけどね」
 
 杖って、そんなに店があるのかよ。
 
「杖を替える必要は?」
「ないよ。なんだったら私がしようか? 杖を見る前に宝飾店に頼んでいた物を取りに行くから」
「ブレスレットじゃないと駄目なの?」
「いろいろ試したんだけどね。これが一番だよ」
 
 二人の会話が恐ろしいことになってんだけどよ。宝飾店って。ルイが行くとこなんて、確実に高級店じゃねぇか?! でもよ、拒絶は認めねぇんだよな。ユエも吃驚した顔してっしさ。
 
「ちゃんと捕まってて」
 
 ルイと副会長が互いに何かを口にし杖を振った。目の前の何もかもが湾曲したように見える。思わず両目を瞑り、ルイの腕に抱き付いた。初めての感覚が体を包む。それに気が付いたルイが少し笑ったような気がした。
 
 今まで感じていた山の清涼な空気じゃない。空気を伝ってくるざわめきに、ゆっくり目を開く。ルイの腕に抱き付いていたことを思い出し離そうとしたんだけどよ。
 
「そのままの方が安全だよ」
 
 冗談! って、思ったんだけど、ルイの言葉の意味が周りを見ることで理解できた。なんだよ。この、刺さり込んでくる視線は。同性に抱き付いてるからって言う視線じゃねぇよ。隣に居るユエも副会長の腕に抱き付いていて、心なしか顔が青冷めてる。
 
「ここまであからさまだと、警戒する必要ないね」
 
 副会長が嘆息してる。
 
「情報が早いね。早く対応しないと確かに危険だよ」
 
 ルイもそう言いながら、眉間に皺を寄せてる。オレ、初めて危険なんだって身をもって知った。恥ずかしいとか、同性だとか、そんな理屈言ってられるか! 身の安全が第一だ! ルイに抱き付いていた腕に力を込める。それに気が付いたルイが優しく頭に手を乗せた。
 
 
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