銀の鳥籠

善奈美

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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編

024 逃げ道なし?! ■

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 立ち尽くしてるのもどうかと思ってさ、ユエと二人でルイと副会長に近付いた。耳に入ってきた会話に更にグッタリだ。
 
「これを作ったのは魔法使いじゃないの?」
「はい、こちらは魔力を持たない職人が丹誠込めて制作した逸品です」
「魔力を込めたりは?」
 
 最初に問い掛けていたのは副会長。次がルイ。なにしてんだ?
 
「魔力に晒されてはいません。嫌う方もいますからね。細心の注意が払われています」
「これなら大丈夫?」
 
 なにをしようとしてんだ?
 
「大丈夫だよ。私がサクヤのために注文したのも魔力を持たない職人に頼むためだったから」
 
 ユエと二人で副会長が指差すショーケースの中を覗き込む。ズラッと並んでいる宝飾品。値札に吃驚だ。桁が確実に庶民向けじゃねぇよ。それに、このショーケース、多分、普通のものじゃねぇ。
 
 副会長が指差してるのは結構細かな装飾が施されてるブレスレット。金の本体に、白い金属で何かの花を彫刻している物だ。値札見たくねぇ……。オレが見ても高額商品だよ。しかも、ペアだ。
 
「じゃあ、これで」
「身に付けていかれますか?」
「そうします。ユエ」
 
 ユエが目を見開いたよ。そうだよな。どう考えても副会長とユエで付けんだよな。
 
「こんな高いのいいよ」
「は? これに杖を収納するんだから。我が儘言わない」
「わけ分かんないから!」
「ルイに魔法をかけてもらうから。魔法使いが作ってない物は高いの。手作業なんだから」
 
 わあ、有無言わせない感じだよな。オレはこれに関しては諦めたよ。疲れるし。
 
「あれ? ユエの杖は?」
 
 オレのは学校からのレンタル品だったから、持ってきてねぇよ。ルイに取り上げられたが正確だけどよ。
 
「ユエの杖はお下がりだったんだよ。魔力に合ってないから、サクヤと一緒に買うんだよ」
 
 ルイ、満面の笑みだな。それで一緒に出てきたのか。教師は知ってたんだな。
 
「杖だけでも気が引けてるのに!」
「なに言ってるの? これからかかるだろう品物も、全部俺が出すの。いちいち、気にしてたら疲れるよ」
「それが嫌だって!」
「ユエの両親には連絡済みだよ」
 
 ユエ絶句。逃げ道塞ぎやがった。スゲェ、って、もしかして、オレもか
?!
 
「サクヤもだよ。気兼ねしないでね」
 
 オレも塞がれてた。グッタリだ。
 
「面倒だね。ライカ、ユエを抑えてて。私が嵌めるから。で、利き手は?」
 
 ルイはなぜかオレに訊いてきた。まあ、ユエに訊いても答えねぇだろうけど。オレがそれでブレスレット嵌められたからさ。
 
「左手でペンも杖も持ってた」
「サクヤの裏切り者!」
 
 なんとでも言えよ。黙りしてあとから大変なのはオレなんだよ。副会長がユエを抑えて、ルイがブレスレットを嵌めた。なんか項垂れてるな。分かるけどさ。
 
「ライカのも私が付けるよ。魔法が掛けやすくなる」
 
 ルイはそう言うと、副会長にもブレスレットを嵌めた。利き腕訊かなくても知ってんだな。
 
「そうなの?」
「そう。まあ、私にしたら簡単な魔法だから問題はないんだけどね」
 
 ルイには簡単でもよ、他の奴には違うんじゃねぇの?
 
「店でする場合はどうしてるの?」
「それは指定した方法で作成した物を利用してもらってる。あとは決まった手順を踏めば大丈夫だから」
 
 この二人、やっぱり普通じゃねぇよ。さっきも思ったけど、どうして、高校に通ってんだよ。必要ないじゃねぇか。本当に相手探しに通ってんじゃねぇか? 疲れる……。
  
 
 
■おまけ■

 サクヤのパパとママが息子が嫁に行くことについての会話←ある方のコメント返信で書き込んだものです。


「あら。私、息子を産んだ筈なのよ」
「仕方ない。サクヤは珍獣なんだから」
「魔力がほとんどない私達から生まれた確かに珍獣ね」
「見た目はそっくりなんだけど」
「まんまパパよね」
「それは低身長といいたいのか?」
「大丈夫! 私も低いもの」

 最強両親です(`・ω・´)。
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