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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
033 諦めも肝心?!
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一番奥まった場所にあった部屋は完全な個室だった。そこにある席に腰掛けて、ルイだけじゃなく副会長も深い溜め息を吐いた。なんか、疲れてないか?
「どうしたんだよ?」
「サクヤ、鈍感」
へ? どういう意味だよ。
「ずっと、付いてきてたんだ。店の中には流石に入ってはこなかったしさ。それに、二軒ともセキュリティが凄かったし」
…………。
全然分かんねぇし。
「ここまであからさまに魔力の質が違うと、手に入れたくなるんだろうね」
なんども聞く言葉だけどさ、魔力の質がそんなに重要なのかよ?
「その前に、サクヤ左手出して」
「どうしてだよ?」
「ずっと、抱きつかれてたいの? 対応するから、左手出してね」
抱きつかれたくないです。素直に左手を出すと、手の平にシンプルな指輪。
「ライカ、すまないけど、外に警戒してくれる? 流石にここの敷地に入り込む無謀者はいないと思うけど、目を飛ばしてきてる可能性があるから」
「分かった」
ルイは自分の手の平にも同じ物を乗せた。指を鳴らして杖を出す。
「少し痛いかもよ。我慢して」
「へ?」
ルイはなにかを呟き始めた。さっきの魔法より面倒くさそうだってのはなんとなく分かった。チリッとした痛みが手首の内側に走る。肌が少し裂けて赤い小さな石みたいのが四つ、手首の上に浮いてる。待て、これ、見覚えあるぞ。
ルイに視線を向けると、同じ物が手首の上に浮いていた。その赤い石が二つずつ、二つの指輪の内側にある窪みに落ち着く。オレから二つ、ルイから二つ。
ルイはオレの手の平から無造作に指輪を摘み上げると、それを左の薬指に嵌めた。
「サクヤも私に嵌めて。これで私からしか魔力を吸収できなくなる」
「そうなのか?!」
「そうだよ。早く」
ルイの手の平の指輪を同じように薬指に嵌めた。嵌めた瞬間、左の薬指がほのかに温かくなった。
「サクヤってさ、恋人未満とか言ってて、大切な部分、全部牛耳られたことに気が付いてる?」
ユエが頬杖ついてオレを凝視しながら、そんなことを訊いてきた。ん? 大切な部分?
「循環の魔法もだけど、今の魔法もサクヤ本人にしたら、大切な部分でしょう?」
「……」
「完全に策に嵌ってるって、気が付いたほうがいいと思うけど。それにさ。先生が魔法省に申請してるのが通ったら、完全に逃げ道塞がれるんだぞ。覚悟したら?」
待て。左薬指に嵌った指輪を凝視する。ここって、確か、両親が指輪してたな。興味もなかったし、気にもしたことねぇけど。もしかして……!
「婚約指輪も結婚指輪もそこに嵌めるけど。知らなかったのか?」
嘘だろう?!
「ルイもこれで安心だね。中も外も手に入れたし」
「肝心の心がまだだけどね」
「流されタイプみたいだし、そこも抜かりなくじゃない?」
「だといいけどね」
今ので確実だ。オレ、策略以前に、完全に流されてる……。
「そうそう。鍵もルイのに掛け替えたんだし、誰も手が出せなくなったんじゃない」
「それはそうだね」
……覚悟決めた方がいいのかよ。昨日の今日で、オレの周りと考えが百八十度変わったよ。
「諦めたら」
「ユエもだろう?」
「俺? リミッター簡単に外された時に、諦めたからさ」
なに?!
「リミッターって、簡単に外せないから」
……ルイの奴、外しただけじゃなく、新たに鍵を掛けたぞ。それも簡単に。
「守られてた方が楽だと思うよ。前にも言ったと思うけど」
確かに言われた……。もう、逃げられないのかよ?!
「どうしたんだよ?」
「サクヤ、鈍感」
へ? どういう意味だよ。
「ずっと、付いてきてたんだ。店の中には流石に入ってはこなかったしさ。それに、二軒ともセキュリティが凄かったし」
…………。
全然分かんねぇし。
「ここまであからさまに魔力の質が違うと、手に入れたくなるんだろうね」
なんども聞く言葉だけどさ、魔力の質がそんなに重要なのかよ?
「その前に、サクヤ左手出して」
「どうしてだよ?」
「ずっと、抱きつかれてたいの? 対応するから、左手出してね」
抱きつかれたくないです。素直に左手を出すと、手の平にシンプルな指輪。
「ライカ、すまないけど、外に警戒してくれる? 流石にここの敷地に入り込む無謀者はいないと思うけど、目を飛ばしてきてる可能性があるから」
「分かった」
ルイは自分の手の平にも同じ物を乗せた。指を鳴らして杖を出す。
「少し痛いかもよ。我慢して」
「へ?」
ルイはなにかを呟き始めた。さっきの魔法より面倒くさそうだってのはなんとなく分かった。チリッとした痛みが手首の内側に走る。肌が少し裂けて赤い小さな石みたいのが四つ、手首の上に浮いてる。待て、これ、見覚えあるぞ。
ルイに視線を向けると、同じ物が手首の上に浮いていた。その赤い石が二つずつ、二つの指輪の内側にある窪みに落ち着く。オレから二つ、ルイから二つ。
ルイはオレの手の平から無造作に指輪を摘み上げると、それを左の薬指に嵌めた。
「サクヤも私に嵌めて。これで私からしか魔力を吸収できなくなる」
「そうなのか?!」
「そうだよ。早く」
ルイの手の平の指輪を同じように薬指に嵌めた。嵌めた瞬間、左の薬指がほのかに温かくなった。
「サクヤってさ、恋人未満とか言ってて、大切な部分、全部牛耳られたことに気が付いてる?」
ユエが頬杖ついてオレを凝視しながら、そんなことを訊いてきた。ん? 大切な部分?
「循環の魔法もだけど、今の魔法もサクヤ本人にしたら、大切な部分でしょう?」
「……」
「完全に策に嵌ってるって、気が付いたほうがいいと思うけど。それにさ。先生が魔法省に申請してるのが通ったら、完全に逃げ道塞がれるんだぞ。覚悟したら?」
待て。左薬指に嵌った指輪を凝視する。ここって、確か、両親が指輪してたな。興味もなかったし、気にもしたことねぇけど。もしかして……!
「婚約指輪も結婚指輪もそこに嵌めるけど。知らなかったのか?」
嘘だろう?!
「ルイもこれで安心だね。中も外も手に入れたし」
「肝心の心がまだだけどね」
「流されタイプみたいだし、そこも抜かりなくじゃない?」
「だといいけどね」
今ので確実だ。オレ、策略以前に、完全に流されてる……。
「そうそう。鍵もルイのに掛け替えたんだし、誰も手が出せなくなったんじゃない」
「それはそうだね」
……覚悟決めた方がいいのかよ。昨日の今日で、オレの周りと考えが百八十度変わったよ。
「諦めたら」
「ユエもだろう?」
「俺? リミッター簡単に外された時に、諦めたからさ」
なに?!
「リミッターって、簡単に外せないから」
……ルイの奴、外しただけじゃなく、新たに鍵を掛けたぞ。それも簡単に。
「守られてた方が楽だと思うよ。前にも言ったと思うけど」
確かに言われた……。もう、逃げられないのかよ?!
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