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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
050 破壊と癒し
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「もしかして、怖い?」
そう問われて、初めて気が付いた。前のときは流されて考える余裕とかはなかった。でもさ、今回はオレがこうなるように誘ったんだ。
「無理は駄目だよ」
左手を取られて、手の甲に唇が落ちてきた。
「無理はっ」
「頑張ってくれたのは嬉しいんだけどね」
そう言いながら、左薬指に指輪を嵌めてきた。どうして、もう一つ嵌めるんだ?
「魔法省の研究機関の私担当の人から渡されたんだ。サクヤの身を守るためのものだよ。私的には本意ではないけどね」
「オレだけかよ?」
「違うよ 。もともと嵌めてある指輪と連動させるためのものだって」
ルイはそう言うと同じように指輪を嵌めた。嵌めてすぐ起こった変化。ルイも驚いたように目を見開いた。今嵌めた指輪が、もともと嵌っていた指輪に融けたんだ!
「時間がかかった意味が分かったよ。こんなに複雑な魔法なら、手間が掛かっただろうに」
どういう意味だ?
「これなら、魔法省の存在が全く分からない。もともと、私が掛けた魔法の方が表に出るから」
「どうして魔法省はオレを守ろうとしてんだよ?」
「私が普通に生活するためにはサクヤが必要だからだよ。サクヤがいなくなれば、私は幽閉される」
「それって!」
「サクヤが側にいることが絶対条件なんだよ。それこそ、互いの命が尽きるそのときまで」
「そんなにルイの魔力は強力なのかよ?」
「そうだよ。サクヤの魔力が相手に与える影響はそれこそ、誰もが歓迎する類のものだ。傷を癒したり、病を軽くしたり。私の魔力は全く逆の性質を持つんだ。だから、循環相手は私の魔力を浄化できて、尚且つ、耐えられるだけの器の持ち主じゃないといけない」
みんながあの人って呼んでる人は、壊れてるって言ってた。
「……魔力が人格を破壊することがあるのかよ?」
「ライカに聞いたの?」
オレは頷いた。
「私の持つ魔力なら破壊されるよ。もちろん、対応次第でそれを遅らせることは可能だけどね」
「あいつ、破壊されてるのに、オレを求めてきたじゃねぇか!」
ルイが悲しそうに目を細めた。
「破壊されていても、魔力が与える苦痛は感じられるんだよ。魔力が強く、魔力の質が違う者同士が魔力を循環させるのは苦痛を和らげるためだよ」
「でも、オレは苦痛なんて感じたことねぇよ」
ルイは小さく笑うとオレの手を引いて、体を起こしてくれた。そして、足元にあるタオルケットを体に巻きつけてくれる。
「サクヤがね、闇の魔法使いに狙われる最大の理由だよ。誰よりも強い魔力を持っていて、淀ませることなく消化できる。しかも、破壊ではなく癒しの魔力だ。常時魔力を放出し、魔力欠乏を起こしても、周りから補充できる。そんな能力を持つ魔法使いは稀なんだよ」
オレってそんなに珍しい奴だったのかよ。珍獣って言われてっけど、間違った表現じゃなかったんだな。
「あのよ。循環の魔法って、一回だけで効果があるもんなのかよ」
「本当はね。回数を重ねることで繋がりが強くなるんだ。一回だけでは効果が薄くなる」
やっぱりそうなのかよ。
「呪文? も毎回必要なのか?」
「それは必要ないよ。互いの体の一番深いところに刻まれてるからね」
「でもさ、副会長があいつなら解除できるって言ってた!」
ルイは小さく息を吐き出した。
「多分、できるだろうね。サクヤの魔力に鍵を掛けたけど、それも破壊できると思うよ」
「どうして言い切れるんだよ!」
「私が他の人の循環の魔法を解除できるかと問われて、はっきり解除できるって言えるからだよ。だから、間違えないよ」
オレ、ルイの言葉に絶句した。
そう問われて、初めて気が付いた。前のときは流されて考える余裕とかはなかった。でもさ、今回はオレがこうなるように誘ったんだ。
「無理は駄目だよ」
左手を取られて、手の甲に唇が落ちてきた。
「無理はっ」
「頑張ってくれたのは嬉しいんだけどね」
そう言いながら、左薬指に指輪を嵌めてきた。どうして、もう一つ嵌めるんだ?
「魔法省の研究機関の私担当の人から渡されたんだ。サクヤの身を守るためのものだよ。私的には本意ではないけどね」
「オレだけかよ?」
「違うよ 。もともと嵌めてある指輪と連動させるためのものだって」
ルイはそう言うと同じように指輪を嵌めた。嵌めてすぐ起こった変化。ルイも驚いたように目を見開いた。今嵌めた指輪が、もともと嵌っていた指輪に融けたんだ!
「時間がかかった意味が分かったよ。こんなに複雑な魔法なら、手間が掛かっただろうに」
どういう意味だ?
「これなら、魔法省の存在が全く分からない。もともと、私が掛けた魔法の方が表に出るから」
「どうして魔法省はオレを守ろうとしてんだよ?」
「私が普通に生活するためにはサクヤが必要だからだよ。サクヤがいなくなれば、私は幽閉される」
「それって!」
「サクヤが側にいることが絶対条件なんだよ。それこそ、互いの命が尽きるそのときまで」
「そんなにルイの魔力は強力なのかよ?」
「そうだよ。サクヤの魔力が相手に与える影響はそれこそ、誰もが歓迎する類のものだ。傷を癒したり、病を軽くしたり。私の魔力は全く逆の性質を持つんだ。だから、循環相手は私の魔力を浄化できて、尚且つ、耐えられるだけの器の持ち主じゃないといけない」
みんながあの人って呼んでる人は、壊れてるって言ってた。
「……魔力が人格を破壊することがあるのかよ?」
「ライカに聞いたの?」
オレは頷いた。
「私の持つ魔力なら破壊されるよ。もちろん、対応次第でそれを遅らせることは可能だけどね」
「あいつ、破壊されてるのに、オレを求めてきたじゃねぇか!」
ルイが悲しそうに目を細めた。
「破壊されていても、魔力が与える苦痛は感じられるんだよ。魔力が強く、魔力の質が違う者同士が魔力を循環させるのは苦痛を和らげるためだよ」
「でも、オレは苦痛なんて感じたことねぇよ」
ルイは小さく笑うとオレの手を引いて、体を起こしてくれた。そして、足元にあるタオルケットを体に巻きつけてくれる。
「サクヤがね、闇の魔法使いに狙われる最大の理由だよ。誰よりも強い魔力を持っていて、淀ませることなく消化できる。しかも、破壊ではなく癒しの魔力だ。常時魔力を放出し、魔力欠乏を起こしても、周りから補充できる。そんな能力を持つ魔法使いは稀なんだよ」
オレってそんなに珍しい奴だったのかよ。珍獣って言われてっけど、間違った表現じゃなかったんだな。
「あのよ。循環の魔法って、一回だけで効果があるもんなのかよ」
「本当はね。回数を重ねることで繋がりが強くなるんだ。一回だけでは効果が薄くなる」
やっぱりそうなのかよ。
「呪文? も毎回必要なのか?」
「それは必要ないよ。互いの体の一番深いところに刻まれてるからね」
「でもさ、副会長があいつなら解除できるって言ってた!」
ルイは小さく息を吐き出した。
「多分、できるだろうね。サクヤの魔力に鍵を掛けたけど、それも破壊できると思うよ」
「どうして言い切れるんだよ!」
「私が他の人の循環の魔法を解除できるかと問われて、はっきり解除できるって言えるからだよ。だから、間違えないよ」
オレ、ルイの言葉に絶句した。
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