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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
052 空回りと疑問
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勘違い……、してたんだよな。
「サクヤ?」
なんかさ、惨めっていうかさ。
「ベニ達のとこで休む」
ルイの上から退いて、タオルケットをきつく体に巻きつけた。ベッドから降りて、散らばっている部屋着と下着を拾い上げた。
「サクヤ!」
慌てたように腕を取られたけど、咄嗟に腕を引いた。ルイにとって必要なときに体を提供すればいいんだと、自暴自棄な考えが頭の中を掠めてった。
顔を上げられないまま、拾い上げた物を強く抱き締めて部屋から飛び出そうと駆け出す。でも、すぐに体を拘束された。
「サクヤ!」
「離せ!」
今度から別々に休まないと駄目だ。色々と認識したら暴走するって分かるし。
「勘違いしないで!」
「勘違いじゃねぇ!」
本当に……、気持ちがグチャグチャで、纏まらねえ。
「離せ!」
「……っ」
後ろから抱き締められて、右肩にルイの息がかかる。
「……誘われて、嬉しかったんだ。でもね、私もあの人と変わらない。汚い存在なんだよ。結局、サクヤを利用しないとまともな生活さえできない。最初のときは必死だった。でも、今は、ベニのおかげでサクヤがごっそり魔力を奪ってくれた。だから、冷静になれる」
「どういうことだよ……」
「魔法省が危険視する。それはあの人と同じなんだ。ただ、管理されていたから、今の私でいられる。もし、あの人と同じようになんの対応もしていなかったら、サクヤの意思なんて関係なく隷属させていた」
隷属、の言葉に体が震えた。
「……最初言っていた所有の魔法かよ?」
「違うよ。隷属の魔法は相手を言葉の通りに隷属させる。意思を奪い、人形のように扱うんだ。淀み、破壊的な魔力をただ、サクヤという器を使い循環させ、痛みを取るんだ」
あいつが隷属させるって、その意味がルイが言っていることかよ。
「……ルイはオレをどう思ってるわけ?」
「大切だよ。傷付けたくないし、奪われたくない。同じ時間を過ごして、同じだけの命を共有するんだ。互いを尊重して、一方的ではな関係を築きたい」
オレは体の力を抜いた。それでも、ルイの腕の力は緩まない、
「オレはさ、怖かったんだ。あいつが目の前に現れて、ルイと同じ顔してさ。真似までしてきて。でも、副会長が振りをしても無駄だって。でもさ、魔力までそっくりで。あのとき、ベニが無理矢理成長してなかったら、どうなってたか分からなかった」
オレ以外が杖の一振りで抵抗する間もなく倒れたんだ。魔法のことを勉強し始めたオレに、抵抗なんてできる筈ないだろう。せいぜい、虚勢を張って言い返すことしかできなかった。
「怖かったんだ……。ルイは数日いなかったし、不安だったんだ」
あいつのおかげで自覚して、確かめたかったんだ。ルイが本当にオレを必要としているのか。安心したかったんだ。
「サクヤ?」
「オレ、別に綺麗じゃねぇし、頭も悪いしさ。ただ、身に余る魔力を持ってるだけで、特出していいところなんてないし」
ルイは頭はいいし、魔力も強くて、見た目も良くてさ。学校内で歩こうものなら、周りから黄色い声が飛ぶ。まあ、男子校だから、黄色い声はもれなく男子校生だけどな。そいつ等にしてみたら、外部入学で見た目もほどほど。頭もあんまり良くなくてさ。そんな奴がルイの隣にいるんだ。納得しねぇだろう。
「オレに魅力なんてないだろう?」
自分で言っておいて、言葉が胸を抉った。両手をキツく握り締めて、持っていた衣類がキュと、軋むような音を立てた。別の意味で惨めだと、そう感じた。ルイにとって、オレは一体なんなのだろう? その疑問が不意に浮かび上がった。
「サクヤ?」
なんかさ、惨めっていうかさ。
「ベニ達のとこで休む」
ルイの上から退いて、タオルケットをきつく体に巻きつけた。ベッドから降りて、散らばっている部屋着と下着を拾い上げた。
「サクヤ!」
慌てたように腕を取られたけど、咄嗟に腕を引いた。ルイにとって必要なときに体を提供すればいいんだと、自暴自棄な考えが頭の中を掠めてった。
顔を上げられないまま、拾い上げた物を強く抱き締めて部屋から飛び出そうと駆け出す。でも、すぐに体を拘束された。
「サクヤ!」
「離せ!」
今度から別々に休まないと駄目だ。色々と認識したら暴走するって分かるし。
「勘違いしないで!」
「勘違いじゃねぇ!」
本当に……、気持ちがグチャグチャで、纏まらねえ。
「離せ!」
「……っ」
後ろから抱き締められて、右肩にルイの息がかかる。
「……誘われて、嬉しかったんだ。でもね、私もあの人と変わらない。汚い存在なんだよ。結局、サクヤを利用しないとまともな生活さえできない。最初のときは必死だった。でも、今は、ベニのおかげでサクヤがごっそり魔力を奪ってくれた。だから、冷静になれる」
「どういうことだよ……」
「魔法省が危険視する。それはあの人と同じなんだ。ただ、管理されていたから、今の私でいられる。もし、あの人と同じようになんの対応もしていなかったら、サクヤの意思なんて関係なく隷属させていた」
隷属、の言葉に体が震えた。
「……最初言っていた所有の魔法かよ?」
「違うよ。隷属の魔法は相手を言葉の通りに隷属させる。意思を奪い、人形のように扱うんだ。淀み、破壊的な魔力をただ、サクヤという器を使い循環させ、痛みを取るんだ」
あいつが隷属させるって、その意味がルイが言っていることかよ。
「……ルイはオレをどう思ってるわけ?」
「大切だよ。傷付けたくないし、奪われたくない。同じ時間を過ごして、同じだけの命を共有するんだ。互いを尊重して、一方的ではな関係を築きたい」
オレは体の力を抜いた。それでも、ルイの腕の力は緩まない、
「オレはさ、怖かったんだ。あいつが目の前に現れて、ルイと同じ顔してさ。真似までしてきて。でも、副会長が振りをしても無駄だって。でもさ、魔力までそっくりで。あのとき、ベニが無理矢理成長してなかったら、どうなってたか分からなかった」
オレ以外が杖の一振りで抵抗する間もなく倒れたんだ。魔法のことを勉強し始めたオレに、抵抗なんてできる筈ないだろう。せいぜい、虚勢を張って言い返すことしかできなかった。
「怖かったんだ……。ルイは数日いなかったし、不安だったんだ」
あいつのおかげで自覚して、確かめたかったんだ。ルイが本当にオレを必要としているのか。安心したかったんだ。
「サクヤ?」
「オレ、別に綺麗じゃねぇし、頭も悪いしさ。ただ、身に余る魔力を持ってるだけで、特出していいところなんてないし」
ルイは頭はいいし、魔力も強くて、見た目も良くてさ。学校内で歩こうものなら、周りから黄色い声が飛ぶ。まあ、男子校だから、黄色い声はもれなく男子校生だけどな。そいつ等にしてみたら、外部入学で見た目もほどほど。頭もあんまり良くなくてさ。そんな奴がルイの隣にいるんだ。納得しねぇだろう。
「オレに魅力なんてないだろう?」
自分で言っておいて、言葉が胸を抉った。両手をキツく握り締めて、持っていた衣類がキュと、軋むような音を立てた。別の意味で惨めだと、そう感じた。ルイにとって、オレは一体なんなのだろう? その疑問が不意に浮かび上がった。
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