70 / 281
銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
070 ベルとリング
しおりを挟む
オレの実家には二日滞在した。父さんが仕事だっていうのもあるし、勉強のこともある。その二日でルイがしたこと。それはベニにこの家までのルートを覚えてもらうことと、ベルの設定だった。ベルってなんだ?
「ベニ、本来のサイズになってくれる?」
「キュウ?」
ベニはオレの頭の上で首を傾げてる。
「サクヤの使い魔になるんでしょう? だったら、郵便配達は重要な仕事だよ。クレナイの右足を見て」
ルイの左肩にいるクレナイの右足にベニと共に視線を向ける。銀色のリングみたいなのが嵌められてる。
「それなんだよ」
「このリングは私の親の家に対になるベルがあってね。向こうでベルが鳴るとクレナイに分かるようになってる。本当なら、互いの梟を使うんだけどね。それよりも火の鳥の方が安全なんだよ。大抵の攻撃なら火の鳥自体が対応できるから」
「キュウ?」
ベニは更に困惑。そうだよな。生まれてそんなに経ってねぇし。
「この子が郵便屋さんなの?」
母さんがオレの頭の上にいるベニを覗き込む。
「正確には違いますけど。この……」
ルイはそう言うと、トランクの中から綺麗な装飾が施された小さなベルを取り出した。よく、ホテルとかで受付を呼び出すときに鳴らすようなやつだ。まあ、それよりも、断然綺麗で高そうだけど。
「まあ、綺麗ね」
母さんがベルを見てウットリしてる。うん、綺麗なだけじゃなくて、可愛い感じだもんな。ルイはといえばそのベルをテーブルの上に置いて、更に何かを出した。
「これ、クレナイの足に嵌ってるのに似てる」
「同じものだよ。でもこれはそのベルと連動してる」
「キュウキュウ!」
ベニは納得したのか返事をしてオレの頭から飛び降りると、本来の大きさになった。まだ、クレナイより小さいけど、大人に近い姿だ。
「いい子だね」
ルイはそう言うと指を鳴らした。その手には見慣れた杖。でも、母さんが目を見開いてる。そうだよな。何もないところから杖が出てきたように見えっし。
「ベニ、少し違和感があるよ」
「キュウ」
ルイはベルを持ち上げると、振って音を鳴らした。少し高い音だけど、耳障りじゃない。
「音はこんな感じ。空気に振動があることに気が付くでしょう?」
「キュウ!」
「この振動と同じものがこれから嵌めるリングから感じられるから。それを感じたら、サクヤのご両親が用があるってことだよ」
「キュウキュウ!」
ルイは聞きなれない言葉を紡ぎ始める。かなり長い。左手の上にあったリングに光が灯り、杖を振るとそれがベニの右足に嵌っていた。
「元に戻って大丈夫だよ」
「キュウ!」
ポンっと、音が出ているようにベニは元のサイズに戻る。ベニを当然のようにオレの頭に戻すルイ。なんでだ?
「あら、元の大きさになっちゃったわ」
「ベニは特殊なので」
「その子は小さくならないの?」
母さんが指差したのはクレナイ。
「ベニだけなので。クレナイはこの大きさのままです」
「まあ、ベニちゃんも特殊なのね。サクヤの周りは特殊だらけね」
「珍獣とか言う気だろう?」
「よく分かったわね」
あれだけ言われたら分かるわ!
「ベニはまだ、遠出するには幼いので、感知はしますけど当分の間はクレナイが代わりを務めますから」
「やっぱり、そうなのね」
「おそらく、私の両親から連絡があると思います。そのときは梟だと思うので、窓を突いたら入れてあげてください。悪さはしませんから」
母さんが素直に頷いてる。なんか、周りから囲われてる感じがする。仕方ねぇんだろうけどさ。
「どうかした?」
ルイと母さんがオレの顔を覗き込んできた。
「置いてけぼりされてる感じかさ」
「まあ、サクヤはお子様ね」
母さん、その言い方、失礼だぞ!
「ベニ、本来のサイズになってくれる?」
「キュウ?」
ベニはオレの頭の上で首を傾げてる。
「サクヤの使い魔になるんでしょう? だったら、郵便配達は重要な仕事だよ。クレナイの右足を見て」
ルイの左肩にいるクレナイの右足にベニと共に視線を向ける。銀色のリングみたいなのが嵌められてる。
「それなんだよ」
「このリングは私の親の家に対になるベルがあってね。向こうでベルが鳴るとクレナイに分かるようになってる。本当なら、互いの梟を使うんだけどね。それよりも火の鳥の方が安全なんだよ。大抵の攻撃なら火の鳥自体が対応できるから」
「キュウ?」
ベニは更に困惑。そうだよな。生まれてそんなに経ってねぇし。
「この子が郵便屋さんなの?」
母さんがオレの頭の上にいるベニを覗き込む。
「正確には違いますけど。この……」
ルイはそう言うと、トランクの中から綺麗な装飾が施された小さなベルを取り出した。よく、ホテルとかで受付を呼び出すときに鳴らすようなやつだ。まあ、それよりも、断然綺麗で高そうだけど。
「まあ、綺麗ね」
母さんがベルを見てウットリしてる。うん、綺麗なだけじゃなくて、可愛い感じだもんな。ルイはといえばそのベルをテーブルの上に置いて、更に何かを出した。
「これ、クレナイの足に嵌ってるのに似てる」
「同じものだよ。でもこれはそのベルと連動してる」
「キュウキュウ!」
ベニは納得したのか返事をしてオレの頭から飛び降りると、本来の大きさになった。まだ、クレナイより小さいけど、大人に近い姿だ。
「いい子だね」
ルイはそう言うと指を鳴らした。その手には見慣れた杖。でも、母さんが目を見開いてる。そうだよな。何もないところから杖が出てきたように見えっし。
「ベニ、少し違和感があるよ」
「キュウ」
ルイはベルを持ち上げると、振って音を鳴らした。少し高い音だけど、耳障りじゃない。
「音はこんな感じ。空気に振動があることに気が付くでしょう?」
「キュウ!」
「この振動と同じものがこれから嵌めるリングから感じられるから。それを感じたら、サクヤのご両親が用があるってことだよ」
「キュウキュウ!」
ルイは聞きなれない言葉を紡ぎ始める。かなり長い。左手の上にあったリングに光が灯り、杖を振るとそれがベニの右足に嵌っていた。
「元に戻って大丈夫だよ」
「キュウ!」
ポンっと、音が出ているようにベニは元のサイズに戻る。ベニを当然のようにオレの頭に戻すルイ。なんでだ?
「あら、元の大きさになっちゃったわ」
「ベニは特殊なので」
「その子は小さくならないの?」
母さんが指差したのはクレナイ。
「ベニだけなので。クレナイはこの大きさのままです」
「まあ、ベニちゃんも特殊なのね。サクヤの周りは特殊だらけね」
「珍獣とか言う気だろう?」
「よく分かったわね」
あれだけ言われたら分かるわ!
「ベニはまだ、遠出するには幼いので、感知はしますけど当分の間はクレナイが代わりを務めますから」
「やっぱり、そうなのね」
「おそらく、私の両親から連絡があると思います。そのときは梟だと思うので、窓を突いたら入れてあげてください。悪さはしませんから」
母さんが素直に頷いてる。なんか、周りから囲われてる感じがする。仕方ねぇんだろうけどさ。
「どうかした?」
ルイと母さんがオレの顔を覗き込んできた。
「置いてけぼりされてる感じかさ」
「まあ、サクヤはお子様ね」
母さん、その言い方、失礼だぞ!
10
あなたにおすすめの小説
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
ふたなり治験棟 企画12月31公開
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
神官姫と最強最弱の王
深也糸
BL
アズカヴァル国の王、リヴェラ・ライト・アズカヴァルは十八歳になり、成人したことで妃を娶らなければならなかった。
隣国のリゼルハイドの姫、シファ・ヴィオラ・リゼルハイドはリヴェラと娶せられるためにアズカヴァルに逗留することになる。リヴェラに城の中を案内してもらい親睦を深めようとするが、早々に男だとバレてしまい……。
※週一回 マイペース更新
兄弟カフェ 〜僕達の関係は誰にも邪魔できない〜
紅夜チャンプル
BL
ある街にイケメン兄弟が経営するお洒落なカフェ「セプタンブル」がある。真面目で優しい兄の碧人(あおと)、明るく爽やかな弟の健人(けんと)。2人は今日も多くの女性客に素敵なひとときを提供する。
ただし‥‥家に帰った2人の本当の姿はお互いを愛し、甘い時間を過ごす兄弟であった。お店では「兄貴」「健人」と呼び合うのに対し、家では「あお兄」「ケン」と呼んでぎゅっと抱き合って眠りにつく。
そんな2人の前に現れたのは、大学生の幸成(ゆきなり)。純粋そうな彼との出会いにより兄弟の関係は‥‥?
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる