72 / 281
銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
072 違和感と窮地
しおりを挟む
「……ルイ」
「お久しぶりです」
ルイは自分の親に他人行儀な硬い表情でそう言った。待てよ。オレの親のときと随分違うだろう?!
「父さんは?」
「中にいるよ」
二人の間の空気が戸惑ってる。微妙な空気。耐えられねぇ!
「これ母からです!」
本当はオレに食べさせようと思って作ったんだろうけど、構ってられるか! 反射的にルイの母親? は突き出された箱を受け取った。母親って言っても男なんだけどさ。
「サクヤ?」
「まず、親子関係修復しろ! オレの話はそれからだ! えっと……」
辺りを見渡すと、少し離れたところに公園があった。
「オレ、あそこにいるから」
指差した公園を見たルイが眉間に皺を寄せた。言いたいことは分かるよ。
「クレナイ。こっちに来てくんね?」
クレナイはジッとオレを見詰めて、納得したのか小さく鳴いて左肩に落ち着く。
「クレナイとベニがいればなんとかなるだろう。とりあえず、話し合え」
ビシッと右手の人差し指をルイの鼻面に突き立てた。オレは義理とはいえ、ギクシャクした関係はごめんなんだよ。言いたいことだけ言って、さっさと歩き出す。当然、二人は呆然だ。知ったことか!
ここは住宅街なのか? 辺りを見るとなんとなく、魔力を持たない一般人も混じってる感じだ。それでも、頭と左肩に火の鳥を乗せているオレに奇異の視線を投げかけてこない。公園内にある一つのベンチに腰掛けて、息を吐く。
「あれ、昔からかよ」
クレナイに問い掛けると、ギャアギャア言ってんだけど、理解できねぇ。仕方ないから、ベニに通訳を頼む。
「キュウキュウ」
「やっぱりかよ」
ベニ経由でクレナイの言葉を聞くと、やっぱり、あんな感じだったみたいだな。とは言っても、ルイとクレナイって、そんなに長い付き合いではないみたいだな。初等部高学年のときに、偶然ルイとクレナイは出会ったらしい。強い破壊の魔力を持っていて、使い魔が微弱な魔力を持つ梟。すぐに、ルイに忠誠を誓った。そう、危うかった少年に、クレナイが心配になったというのが真相らしい。
「魔法使いの親子関係ってあんなもんなのか?」
「ギャアギャア」
「キュウキュウ」
親子関係が希薄であるのは間違いないみたいだけど、ルイんとこはまた、特別らしい。そうだよな。話聞くと実質、ルイ育てたのって魔法省の研究員だもんな。決められた面会日に会うだけじゃ、両親だって言われても、感情をほぼ持ってなかったルイに分かるわけねぇよな。
「クレナイはさ。ルイをどう思ってるわけ?」
「ギャアギャアギャア」
「キュウキュウキュウ」
うわ! 気分は親。ルイ、クレナイは忠誠を誓ってるっていうか、庇護欲みたいだぞ。
そんな、はたから見たらかなり面白いことになってるだろうオレと二羽。でもさ、いきなり、クレナイとベニが警戒し始めた。ベニがオレの頭から飛び降りて、成獣まで変化する。思いっきり、オレから魔力を奪って。二匹が睨みつけてるのは前方だけじゃない。オレの周り全てに警戒している。まさか……!
「やっと単独になったな。使い魔は邪魔だが」
現れた人影。一人二人じゃねぇ。ぐるっと囲まれてる。
「化け物にお前は勿体無い」
ルイを化け物呼ばわりか。確かに魔力は強いし、変に魔力が知識を収集してっけど。たった一人に、この頭数。どう考えても、あんた達も化け物だろうが?!
「自分の相手くらい、自分で決める。あんた達にどうこう言われたくねぇよ」
「自分の価値を分かってないみたいだな。あの人が手に入れたいほどの魔力。そして、器の大きさ。あの子供には過ぎた存在だ」
見渡すと確かにルイはあんた達と比べたら子供だろうよ。でもさ、少なくともルイは魔法使いの常識だけど、踏み外すような行動はとってねぇよ。でもさ、オレは魔法を使えねぇ。どうしたらいいんだよ。
「お久しぶりです」
ルイは自分の親に他人行儀な硬い表情でそう言った。待てよ。オレの親のときと随分違うだろう?!
「父さんは?」
「中にいるよ」
二人の間の空気が戸惑ってる。微妙な空気。耐えられねぇ!
「これ母からです!」
本当はオレに食べさせようと思って作ったんだろうけど、構ってられるか! 反射的にルイの母親? は突き出された箱を受け取った。母親って言っても男なんだけどさ。
「サクヤ?」
「まず、親子関係修復しろ! オレの話はそれからだ! えっと……」
辺りを見渡すと、少し離れたところに公園があった。
「オレ、あそこにいるから」
指差した公園を見たルイが眉間に皺を寄せた。言いたいことは分かるよ。
「クレナイ。こっちに来てくんね?」
クレナイはジッとオレを見詰めて、納得したのか小さく鳴いて左肩に落ち着く。
「クレナイとベニがいればなんとかなるだろう。とりあえず、話し合え」
ビシッと右手の人差し指をルイの鼻面に突き立てた。オレは義理とはいえ、ギクシャクした関係はごめんなんだよ。言いたいことだけ言って、さっさと歩き出す。当然、二人は呆然だ。知ったことか!
ここは住宅街なのか? 辺りを見るとなんとなく、魔力を持たない一般人も混じってる感じだ。それでも、頭と左肩に火の鳥を乗せているオレに奇異の視線を投げかけてこない。公園内にある一つのベンチに腰掛けて、息を吐く。
「あれ、昔からかよ」
クレナイに問い掛けると、ギャアギャア言ってんだけど、理解できねぇ。仕方ないから、ベニに通訳を頼む。
「キュウキュウ」
「やっぱりかよ」
ベニ経由でクレナイの言葉を聞くと、やっぱり、あんな感じだったみたいだな。とは言っても、ルイとクレナイって、そんなに長い付き合いではないみたいだな。初等部高学年のときに、偶然ルイとクレナイは出会ったらしい。強い破壊の魔力を持っていて、使い魔が微弱な魔力を持つ梟。すぐに、ルイに忠誠を誓った。そう、危うかった少年に、クレナイが心配になったというのが真相らしい。
「魔法使いの親子関係ってあんなもんなのか?」
「ギャアギャア」
「キュウキュウ」
親子関係が希薄であるのは間違いないみたいだけど、ルイんとこはまた、特別らしい。そうだよな。話聞くと実質、ルイ育てたのって魔法省の研究員だもんな。決められた面会日に会うだけじゃ、両親だって言われても、感情をほぼ持ってなかったルイに分かるわけねぇよな。
「クレナイはさ。ルイをどう思ってるわけ?」
「ギャアギャアギャア」
「キュウキュウキュウ」
うわ! 気分は親。ルイ、クレナイは忠誠を誓ってるっていうか、庇護欲みたいだぞ。
そんな、はたから見たらかなり面白いことになってるだろうオレと二羽。でもさ、いきなり、クレナイとベニが警戒し始めた。ベニがオレの頭から飛び降りて、成獣まで変化する。思いっきり、オレから魔力を奪って。二匹が睨みつけてるのは前方だけじゃない。オレの周り全てに警戒している。まさか……!
「やっと単独になったな。使い魔は邪魔だが」
現れた人影。一人二人じゃねぇ。ぐるっと囲まれてる。
「化け物にお前は勿体無い」
ルイを化け物呼ばわりか。確かに魔力は強いし、変に魔力が知識を収集してっけど。たった一人に、この頭数。どう考えても、あんた達も化け物だろうが?!
「自分の相手くらい、自分で決める。あんた達にどうこう言われたくねぇよ」
「自分の価値を分かってないみたいだな。あの人が手に入れたいほどの魔力。そして、器の大きさ。あの子供には過ぎた存在だ」
見渡すと確かにルイはあんた達と比べたら子供だろうよ。でもさ、少なくともルイは魔法使いの常識だけど、踏み外すような行動はとってねぇよ。でもさ、オレは魔法を使えねぇ。どうしたらいいんだよ。
10
あなたにおすすめの小説
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
神官姫と最強最弱の王
深也糸
BL
アズカヴァル国の王、リヴェラ・ライト・アズカヴァルは十八歳になり、成人したことで妃を娶らなければならなかった。
隣国のリゼルハイドの姫、シファ・ヴィオラ・リゼルハイドはリヴェラと娶せられるためにアズカヴァルに逗留することになる。リヴェラに城の中を案内してもらい親睦を深めようとするが、早々に男だとバレてしまい……。
※週一回 マイペース更新
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる