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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
088 存在理由
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着替えて、食事して、風呂に入って、すぐにクレナイのところに赴く。当然、ルイには来るなって釘を刺した。ルイの中にはあいつと繋がってる部分がある。秘密にはしたくねぇけど、仕方ないし。
「ギャア?」
「キュウキュウ」
で、俺が言うとルイに聞かれるかもしれねぇから、ベニ経由だ。
「キュウキュウキュ」
「ギャアギャア」
「キュウキュウ」
クレナイは疑問を瞳に写してる。分かるけどさ。必要なんだって。
「キュウ」
ベニがオレに視線を向けて一言。なんとか納得してくれたみてぇだ。
「大変かもしんねぇけど。お願いな?」
「ギャア」
クレナイは小さく頷くと外へ飛び出した。火の鳥のクレナイなら、妖魔の中に飛び出しても大丈夫だ。それに、聖獣の火の鳥に近付く妖魔はいないだろう。近付けば再生の焔に灼かれる。あいつをどうにかするには、どうしても必要なんだ。
「サクヤ?」
ルイの元に戻ると疑問顏で立ち尽くしてた。
「クレナイは出掛けたから」
「……私の知識の中で何を見たの?」
「必要なことだよ」
ルイの魔力はただ、ヤられていたわけじゃねぇ。本人に使えなくても、壁となることを分かっていた。あの傷痕は毒だ。元から絶たないと意味なんかねぇ。だから、完全に遮断してやる。
「ベニ、クレハさんに伝言頼まれてくんね?」
「キュウ」
「準備だよ」
「キュウキュ!」
指を鳴らして杖を出して、前にクレハさんがオレ達に送ってきたものと同じ手紙を作成する。ベニは本来のサイズに戻って手紙を受け取ると、一鳴きして外へ飛び出して行った。
「サクヤ?!」
ルイは完全に困惑してる。でもさ、オレがここにいるのは、このためなんだよ。本来なら、こんなこと、起こらなかったんだ。起こり得るはずがなかったんだ。
「本当ならルイはこんなこと経験する必要なんかなかったんだよ」
「なにを言ってるの?」
「そして、オレも。本当なら魔法使いとして生まれてなかったんだ」
全てが狂ったから、世界は元の流れに戻すために、真逆の存在を作り出すしかなかったんだ。バランスをとるために。
「なあ、杖を手に入れたとき、オレには三本の杖が降りてきただろう?」
「それがどうしたの?」
「あの二本、引き取りに行きてぇんだけど」
「さっきからなにを言ってるの?」
ルイはオレがなにを言ってるのか分からなくて苛ついてる。でもさ、教えるわけにはいかねぇんだ。ルイにだけは、全てが終わるまで話せない。
「必要だから。多分、手元にある杖だけじゃ、魔法に耐えられない」
「魔法?」
「そうだよ」
三本の杖。あれは間違えてオレの前に現れたんじゃない。必要だったからだ。あのときは必要じゃなくても、じき必要になるって杖達は分かってたんだ。あの、見守る杖は見抜けなかったみてぇだけど。
「お金、掛かるんだけどさ」
「そんなのは気にしなくていいよ。どうしても必要なの?」
「どうしても」
「分かったよ。でも、外に出るのは危険だよ」
分かってる。でも、絶対に必要なんだ。間違いなく魔法を使うために。古代語より古い言葉を使うんだ。あえて言うなら神の言葉を。だから、手元の杖だけでは荷が重すぎる。あいつはすでに人じゃない。魔に近い存在になってる。オレとルイを手に入れたあと、訪れるのは混沌とした暗黒の世界だ。生き物全てが生きていけない。その前に、あいつを止めないと駄目だ。そのために世界が用意した杭。絶対、無駄にするわけにはいかねぇんだよ。
困惑気なルイだけど、副会長に事情を話して戻ってきた。そして、ルイは指を鳴らして杖を出し、オレを伴って魔法で飛んだ。
「ギャア?」
「キュウキュウ」
で、俺が言うとルイに聞かれるかもしれねぇから、ベニ経由だ。
「キュウキュウキュ」
「ギャアギャア」
「キュウキュウ」
クレナイは疑問を瞳に写してる。分かるけどさ。必要なんだって。
「キュウ」
ベニがオレに視線を向けて一言。なんとか納得してくれたみてぇだ。
「大変かもしんねぇけど。お願いな?」
「ギャア」
クレナイは小さく頷くと外へ飛び出した。火の鳥のクレナイなら、妖魔の中に飛び出しても大丈夫だ。それに、聖獣の火の鳥に近付く妖魔はいないだろう。近付けば再生の焔に灼かれる。あいつをどうにかするには、どうしても必要なんだ。
「サクヤ?」
ルイの元に戻ると疑問顏で立ち尽くしてた。
「クレナイは出掛けたから」
「……私の知識の中で何を見たの?」
「必要なことだよ」
ルイの魔力はただ、ヤられていたわけじゃねぇ。本人に使えなくても、壁となることを分かっていた。あの傷痕は毒だ。元から絶たないと意味なんかねぇ。だから、完全に遮断してやる。
「ベニ、クレハさんに伝言頼まれてくんね?」
「キュウ」
「準備だよ」
「キュウキュ!」
指を鳴らして杖を出して、前にクレハさんがオレ達に送ってきたものと同じ手紙を作成する。ベニは本来のサイズに戻って手紙を受け取ると、一鳴きして外へ飛び出して行った。
「サクヤ?!」
ルイは完全に困惑してる。でもさ、オレがここにいるのは、このためなんだよ。本来なら、こんなこと、起こらなかったんだ。起こり得るはずがなかったんだ。
「本当ならルイはこんなこと経験する必要なんかなかったんだよ」
「なにを言ってるの?」
「そして、オレも。本当なら魔法使いとして生まれてなかったんだ」
全てが狂ったから、世界は元の流れに戻すために、真逆の存在を作り出すしかなかったんだ。バランスをとるために。
「なあ、杖を手に入れたとき、オレには三本の杖が降りてきただろう?」
「それがどうしたの?」
「あの二本、引き取りに行きてぇんだけど」
「さっきからなにを言ってるの?」
ルイはオレがなにを言ってるのか分からなくて苛ついてる。でもさ、教えるわけにはいかねぇんだ。ルイにだけは、全てが終わるまで話せない。
「必要だから。多分、手元にある杖だけじゃ、魔法に耐えられない」
「魔法?」
「そうだよ」
三本の杖。あれは間違えてオレの前に現れたんじゃない。必要だったからだ。あのときは必要じゃなくても、じき必要になるって杖達は分かってたんだ。あの、見守る杖は見抜けなかったみてぇだけど。
「お金、掛かるんだけどさ」
「そんなのは気にしなくていいよ。どうしても必要なの?」
「どうしても」
「分かったよ。でも、外に出るのは危険だよ」
分かってる。でも、絶対に必要なんだ。間違いなく魔法を使うために。古代語より古い言葉を使うんだ。あえて言うなら神の言葉を。だから、手元の杖だけでは荷が重すぎる。あいつはすでに人じゃない。魔に近い存在になってる。オレとルイを手に入れたあと、訪れるのは混沌とした暗黒の世界だ。生き物全てが生きていけない。その前に、あいつを止めないと駄目だ。そのために世界が用意した杭。絶対、無駄にするわけにはいかねぇんだよ。
困惑気なルイだけど、副会長に事情を話して戻ってきた。そして、ルイは指を鳴らして杖を出し、オレを伴って魔法で飛んだ。
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