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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
095 治癒と鳥籠
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あのあと、何があったのかオレは全く知らなかった。大騒ぎになったことは想像しなくても分かってる。
ただ、オレは許容量以上の魔力を吸収し、全身に傷を負った。人が使うことのできない魔法を使ったことで、体に多大な負荷がかかった。本来なら魔法省の息のかかった病院に収容されるはずだった。でも、クレハさんとカエデさんがそれを阻止したみてぇだった。そんなところに入れられれば、絶対に調べ尽くされる。オレがあり得ない言語の魔法を使ったのを、多くの魔法省管轄の魔法使いが目撃していたからだ。
そして、ルイ。ルイもオレ同様、全身に傷を負った。最後に体が軽くなったのは、ルイが無意識にオレの負担を軽くしようとしたせいらしかった。本来は破壊の魔力しか持たないルイが、魔力と反した能力を使おうとしたために、オレとは別の意味の負荷がかかったみたいだった。
オレとルイが目覚めたのは寮の自室のベッドの上。あの日から十日が経っていた。全身を包帯が覆い、痛みはあったけど、それは生きているから感じることのできるものだ。
「無茶をするからだ」
目覚めて直ぐ降ってきた声に視線を向ける。そこにいたのはクレハさん。なんでだ?! 身を起こそうとしたら激痛が襲ってきた。
「オレ?」
「一人であの魔法は自殺行為だろう。しかも、二匹の門の狼に六本の杖。火の鳥は魔力を補充するために無茶した挙句、ルイまでが無茶をする。やってることが、無茶苦茶を通り越して無謀だ」
頭ごなしに言われて、言い返せない。だってさ、腹立ったんだ。あいつの目的がルイでさ。そのルイを利用して、この世界を破壊しようとしてるし。しかも、ルイの魔力が破壊に傾倒したのはあいつのせいなんだぞ!
「ムカついたから」
「それでもだ。しかも、連絡寄越して日にちも開けず始めるのは如何なものか?」
「あっちが行動始めたからだろう!」
叫んだ拍子に頭に激痛が走った。
「クレハ、興奮させないの。治癒の魔法が効かないんだから」
「仕方ないだろう。サクヤ自身が治癒魔法みたいなもんだ。他の治癒魔法を弾き返すんだから、自然治癒に任せるしかない」
オレが治癒魔法を弾き返す?!
「その影響でルイも治癒魔法を拒絶してるんだ。参ってるのはこっちの方だろう?」
「分かってるけど」
「ルイ担当の研究員がそのまま治るに任せろって言っただろう? 魔力が回復すればサクヤ自身が勝手に癒す。その影響でルイも癒してもらえるだろう」
「そうだけど」
いまいち、状況が飲み込めねぇんだけど。辺りを見渡すと、ルイが隣で寝てるのは分かってる。オレの頭の上辺りにはベニがポテッと眠ってて、ルイの頭の上辺りにはクレナイがいる。足元にはキンとギンの姿。それも子供サイズ。水晶の横に横たわるように現れたとき、このサイズだった。
そういえば、あいつを封じ込めた水晶はどうなったんだ? 一応、クレハさんにある物を頼んでおいたんだけど。
「あいつは?」
オレの声に二人が顔を見合わせた。
「銀製の入れ物、用意できたのか?」
「サクヤから連絡を受けて直ぐに探した。あの人は銀製の鳥籠の中だ」
「鳥籠?」
「そうだ。それしか、手頃な物がなったんだ。しかも二つ。意味が分からなかったぞ」
だってさ。ルイの中で見付けたあの魔法。最終的には二つに力を割って、抵抗をできないようにするのが目的だったみたいなんだ。
「サクヤ」
今まで口を噤んでいたルイが俺の名前を呼んだ。
「どうして、私には何一つ教えてくれなかったの?」
ルイの問いに、クレハさんとカエデさんが息を呑んだ。ルイが何一つ知らなかったことを、二人は驚いたんだと思う。でも、どうしても伝えることができなかったんだよ。
ただ、オレは許容量以上の魔力を吸収し、全身に傷を負った。人が使うことのできない魔法を使ったことで、体に多大な負荷がかかった。本来なら魔法省の息のかかった病院に収容されるはずだった。でも、クレハさんとカエデさんがそれを阻止したみてぇだった。そんなところに入れられれば、絶対に調べ尽くされる。オレがあり得ない言語の魔法を使ったのを、多くの魔法省管轄の魔法使いが目撃していたからだ。
そして、ルイ。ルイもオレ同様、全身に傷を負った。最後に体が軽くなったのは、ルイが無意識にオレの負担を軽くしようとしたせいらしかった。本来は破壊の魔力しか持たないルイが、魔力と反した能力を使おうとしたために、オレとは別の意味の負荷がかかったみたいだった。
オレとルイが目覚めたのは寮の自室のベッドの上。あの日から十日が経っていた。全身を包帯が覆い、痛みはあったけど、それは生きているから感じることのできるものだ。
「無茶をするからだ」
目覚めて直ぐ降ってきた声に視線を向ける。そこにいたのはクレハさん。なんでだ?! 身を起こそうとしたら激痛が襲ってきた。
「オレ?」
「一人であの魔法は自殺行為だろう。しかも、二匹の門の狼に六本の杖。火の鳥は魔力を補充するために無茶した挙句、ルイまでが無茶をする。やってることが、無茶苦茶を通り越して無謀だ」
頭ごなしに言われて、言い返せない。だってさ、腹立ったんだ。あいつの目的がルイでさ。そのルイを利用して、この世界を破壊しようとしてるし。しかも、ルイの魔力が破壊に傾倒したのはあいつのせいなんだぞ!
「ムカついたから」
「それでもだ。しかも、連絡寄越して日にちも開けず始めるのは如何なものか?」
「あっちが行動始めたからだろう!」
叫んだ拍子に頭に激痛が走った。
「クレハ、興奮させないの。治癒の魔法が効かないんだから」
「仕方ないだろう。サクヤ自身が治癒魔法みたいなもんだ。他の治癒魔法を弾き返すんだから、自然治癒に任せるしかない」
オレが治癒魔法を弾き返す?!
「その影響でルイも治癒魔法を拒絶してるんだ。参ってるのはこっちの方だろう?」
「分かってるけど」
「ルイ担当の研究員がそのまま治るに任せろって言っただろう? 魔力が回復すればサクヤ自身が勝手に癒す。その影響でルイも癒してもらえるだろう」
「そうだけど」
いまいち、状況が飲み込めねぇんだけど。辺りを見渡すと、ルイが隣で寝てるのは分かってる。オレの頭の上辺りにはベニがポテッと眠ってて、ルイの頭の上辺りにはクレナイがいる。足元にはキンとギンの姿。それも子供サイズ。水晶の横に横たわるように現れたとき、このサイズだった。
そういえば、あいつを封じ込めた水晶はどうなったんだ? 一応、クレハさんにある物を頼んでおいたんだけど。
「あいつは?」
オレの声に二人が顔を見合わせた。
「銀製の入れ物、用意できたのか?」
「サクヤから連絡を受けて直ぐに探した。あの人は銀製の鳥籠の中だ」
「鳥籠?」
「そうだ。それしか、手頃な物がなったんだ。しかも二つ。意味が分からなかったぞ」
だってさ。ルイの中で見付けたあの魔法。最終的には二つに力を割って、抵抗をできないようにするのが目的だったみたいなんだ。
「サクヤ」
今まで口を噤んでいたルイが俺の名前を呼んだ。
「どうして、私には何一つ教えてくれなかったの?」
ルイの問いに、クレハさんとカエデさんが息を呑んだ。ルイが何一つ知らなかったことを、二人は驚いたんだと思う。でも、どうしても伝えることができなかったんだよ。
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