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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
097 魔法と契約
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「繋がってる?」
「そう。本当に繋がってるかは分かんなかったけど、もし、聞かれてたらマズイって思った」
あの傷痕から、禍々しい邪気が滲み出てた。それを防いでいたのが、ルイが使えない魔法だったんだ。使えなくても壁にはなった。
「使えない魔法が壁になる? 初耳だな」
クレハさんが腕を組んで唸った。
「それ言ったら、ルイの魔力が知識を集めてくるのも初耳だったんじゃねぇの?」
「確かにそうだけど」
カエデさんも困惑気だ。
「じゃあ、サクヤがあの無茶な魔法を使おうと思ったのはどうしてなの?」
無茶、確かに無茶だよな。知った時はどうしようかと思ったんだよ。ルイから魔力を奪ったとしても絶対に足りないって分かってた。でもさ、根本的に解決しねぇと、ルイはかっ攫われるんだ。ムカついた最大の理由が、あいつはルイが生まれる前から奪おうって考えてたことだ。
「だってさ。あの魔法って、基本的に魔力を吸収するやつじゃねぇと使えねぇの。魔法使い一人分の魔力じゃ、発動まですら持ってけねぇし」
「分かってたのか」
クレハさん、視線が怖いです。
「分かってたから、杖を取りに行ったじゃねぇか」
まさか、杖が勝手に分裂して助けてくれるとは思わなかったけど。
「その杖だけど、今はどうなってるの?」
カエデさんが首を傾げて訊いてきた。
「元に戻ったと思うけど?」
痛む体を動かして右腕を出し、指を鳴らした。スッと手に入ってきたのは見慣れた杖。だけど、強さは前の比じゃねぇし。やっぱり、本体に戻ったんだな。
「これはルイと同じ製作者の杖だな」
あ……、会いに行ったとき、杖を見せてなかったな。
「この中の二本もそうだし、ルイの杖の中の二本も同じ製作者」
二人して目を見開いた。やっぱり、驚くよな。
「凄い曲者製作者だって、ルイのときも驚かれてたんだよ。変な猫もいたし」
「あの黒猫、製作者本人の杖だよ」
更に驚いた。あれ? ルイは知ってたぞ。クレハさんとカエデさんはどうして知らないんだよ。ルイに視線を向けたら苦笑いされた。
「私にだけこっそり、話しかけてきたんだよ。ほら、担当研究者も付いてきてたから」
なるほどな。研究者ってくらいだし、魔法使いなら調べたいだろうな。まあ、あの杖、無駄に強いんだけどさ。オレ等を思いっきり部屋から追い出してたし。
「同じ製作者の杖でも、普通なら核が反発するだろう?」
「六本の杖の核。同じ核を六つに割って作った兄弟杖だったんだ。融合させて黒猫に聞くまで知らなかったけどさ」
あ、二人して更に絶句してる。分かるけどさ。あまりに出来過ぎだよな。
「……お前達に関しては驚くのをやめた方がいいな。疲れるだけだ。他に俺達が知らないことはあるのか?」
「どうだろう?」
訊かれないと分かんねぇもんじゃないのか? 四人で話していてあるモノが近付いてきてることに気が付かなかった。いきなり這い上ってきた小さな二つの塊。煌びやかな二色が俺の胸の上を占拠する。待て、地味に圧迫を受けるぞ。
「ワン!」
なぜに鳴き方が犬なんだ?
「ワンワン!」
「ガウ!」
ん? それって、どういうことだよ? で、キンは、ガウ、なのかよ。
「ギンの契約を解除してくれって?」
ギンがそう訴えてきた。理解できねぇぞ。お前達は地下には戻れねぇだろう? オレの魔力の影響をガッツリ受けたんだしさ。
「ガウガウガウ!」
「そういうことかよ」
「ワン!」
しかし、ギンのワン、は違和感半端ねぇ。狼だろうに。
「サクヤ?」
ルイが困惑顔だ。
「ギンがルイと契約したいんだって」
オレの言葉にルイは思いっきり目を見開いた。
「そう。本当に繋がってるかは分かんなかったけど、もし、聞かれてたらマズイって思った」
あの傷痕から、禍々しい邪気が滲み出てた。それを防いでいたのが、ルイが使えない魔法だったんだ。使えなくても壁にはなった。
「使えない魔法が壁になる? 初耳だな」
クレハさんが腕を組んで唸った。
「それ言ったら、ルイの魔力が知識を集めてくるのも初耳だったんじゃねぇの?」
「確かにそうだけど」
カエデさんも困惑気だ。
「じゃあ、サクヤがあの無茶な魔法を使おうと思ったのはどうしてなの?」
無茶、確かに無茶だよな。知った時はどうしようかと思ったんだよ。ルイから魔力を奪ったとしても絶対に足りないって分かってた。でもさ、根本的に解決しねぇと、ルイはかっ攫われるんだ。ムカついた最大の理由が、あいつはルイが生まれる前から奪おうって考えてたことだ。
「だってさ。あの魔法って、基本的に魔力を吸収するやつじゃねぇと使えねぇの。魔法使い一人分の魔力じゃ、発動まですら持ってけねぇし」
「分かってたのか」
クレハさん、視線が怖いです。
「分かってたから、杖を取りに行ったじゃねぇか」
まさか、杖が勝手に分裂して助けてくれるとは思わなかったけど。
「その杖だけど、今はどうなってるの?」
カエデさんが首を傾げて訊いてきた。
「元に戻ったと思うけど?」
痛む体を動かして右腕を出し、指を鳴らした。スッと手に入ってきたのは見慣れた杖。だけど、強さは前の比じゃねぇし。やっぱり、本体に戻ったんだな。
「これはルイと同じ製作者の杖だな」
あ……、会いに行ったとき、杖を見せてなかったな。
「この中の二本もそうだし、ルイの杖の中の二本も同じ製作者」
二人して目を見開いた。やっぱり、驚くよな。
「凄い曲者製作者だって、ルイのときも驚かれてたんだよ。変な猫もいたし」
「あの黒猫、製作者本人の杖だよ」
更に驚いた。あれ? ルイは知ってたぞ。クレハさんとカエデさんはどうして知らないんだよ。ルイに視線を向けたら苦笑いされた。
「私にだけこっそり、話しかけてきたんだよ。ほら、担当研究者も付いてきてたから」
なるほどな。研究者ってくらいだし、魔法使いなら調べたいだろうな。まあ、あの杖、無駄に強いんだけどさ。オレ等を思いっきり部屋から追い出してたし。
「同じ製作者の杖でも、普通なら核が反発するだろう?」
「六本の杖の核。同じ核を六つに割って作った兄弟杖だったんだ。融合させて黒猫に聞くまで知らなかったけどさ」
あ、二人して更に絶句してる。分かるけどさ。あまりに出来過ぎだよな。
「……お前達に関しては驚くのをやめた方がいいな。疲れるだけだ。他に俺達が知らないことはあるのか?」
「どうだろう?」
訊かれないと分かんねぇもんじゃないのか? 四人で話していてあるモノが近付いてきてることに気が付かなかった。いきなり這い上ってきた小さな二つの塊。煌びやかな二色が俺の胸の上を占拠する。待て、地味に圧迫を受けるぞ。
「ワン!」
なぜに鳴き方が犬なんだ?
「ワンワン!」
「ガウ!」
ん? それって、どういうことだよ? で、キンは、ガウ、なのかよ。
「ギンの契約を解除してくれって?」
ギンがそう訴えてきた。理解できねぇぞ。お前達は地下には戻れねぇだろう? オレの魔力の影響をガッツリ受けたんだしさ。
「ガウガウガウ!」
「そういうことかよ」
「ワン!」
しかし、ギンのワン、は違和感半端ねぇ。狼だろうに。
「サクヤ?」
ルイが困惑顔だ。
「ギンがルイと契約したいんだって」
オレの言葉にルイは思いっきり目を見開いた。
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