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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
110 やっぱり親子?
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あいつと妖魔が暴れまわったのが嘘のように、平和だっていうのは本当にいいよな。まあ、歩く度に悲鳴のような黄色い声が飛び交うのが、唯一、俺の平和をぶち壊してっけど。特Aのやつら曰く、騒がせとかないと別の意味で危険なんだとか。だから、授業以外はなるべく接触を避けてるっていうのが真相らしい。
魔法省に呼び出され、ルイの両親に手紙を送ってから一ヶ月。何一つ、音沙汰がないっていうのが、実は不安なんだよな。言い出したのはオレだしさ。一つ溜め息吐いて、寮の部屋に帰還。
「サクヤ!」
扉を開けた瞬間に聞こえてきた声。そのあとにきた予想外の衝撃。で、く、苦しいんだけど?!
「あれ、ルイの考えじゃないでしょう? なんていい子なの!」
待って。顔が圧迫されて、息できねぇから! 少し、力を緩めろぉ!
「サクヤは私のです」
背後の声が不機嫌にオレを目の前の人から引き剥がす。で、今度は後ろから抱き潰される! どうでもいいから、力を抜けぇ!
「サクヤが悶絶してるぞ」
そして、冷静な声が一つ。で、オレが脚をバタつかせてたからか、その脚にじゃれつく二匹の狼。もう、勘弁して。
ルイが少し体の力を抜いて、前にいる二人を見据える。オレに容赦なく抱きついてきたのはカエデさん。その後ろで呆れ気味なのがクレハさん。普通に寮の部屋で待ち構えてっし。
いつまでも入り口で立ち尽くしているのもおかしいしさ。室内に入って、応接セット(こんなのがあるのが信じらんないぜ)の長椅子に向かい合わせで座る。ルイが珍しく両親に飲み物を出した。オレの目の前にも。
「大穴の上の屋敷の話が本決まりになったのは知っていたが。もう、打診があったんだな」
クレハさんが溜め息混じりにそう、切り出した。本決まりっていうか、オレとルイが住むの前提で話が進んでたみたいだけど。
「そこに住むのは上が決めてしまったことだ。俺達がいくら騒いだところで、何一つ変わりはしない」
カエデさんが若干、肩を落とした。
「ただ、これだけは言わせてもらっていた。大穴の近くに住むのは、そこの門の狼達のせいだ。覆らないからな。しかし、封印の建物に住まわせるのは納得できないと強く進言した。いくら、危険が少ないとはいえ、ゼロじゃない。禁書まで移すとなれば、危険度は増すんだ。住処くらい、別に作って欲しいと言ってあった。完全に無視されたみたいだが」
危険って?
「妖魔の住処の入り口に、禁書が引き寄せる仄暗い気配。確かに住むには適してないけど」
……ルイ、冷静に何言いやがる。それ、人が住む場所じゃねぇよ。
「そうだ。カイト経由で上に打診があった。ルイから連絡があったように、俺達一族の屋敷をそのまま移動させる案だ」
「反対はしないんですか?」
「する必要があるか? 今屋敷がある土地も、もともと、屋敷が建っていた場所じゃない。何度か移動させているはずだ」
屋敷って簡単に移動可能なもんなのか? オレのは完全に思いつきだったんだけど。
「ルイが大穴の屋敷に住むとなれば、俺達の代であの屋敷は使われなくなる。カエデの実家がそうだ。魔力の強い魔法使いは子供に恵まれない場合が多いからな」
そうか。クレハさんとカエデさんの子はルイだけだもんな。もし、授かるチャンスがあったとしても、孵化するまでに凄い時間がかかる。
「じゃあ、魔法省で許可が出たの?」
「カイトが頑張ったみたいだな」
カイトさん、そんなに頑張ったのかよ。まあ、ルイを自分の子と思ってたりするんだろうな。それを二人には絶対悟られないようにしてんだろうけど。
「カイトには昔、キツイこと言っちゃったのに」
カエデさんが更にショボくれてる。そりゃ、我が子を奪われたんだから、言うのは理解できっけど。
「本決まりかよ?」
オレは二人にはそう、問い掛けた。
魔法省に呼び出され、ルイの両親に手紙を送ってから一ヶ月。何一つ、音沙汰がないっていうのが、実は不安なんだよな。言い出したのはオレだしさ。一つ溜め息吐いて、寮の部屋に帰還。
「サクヤ!」
扉を開けた瞬間に聞こえてきた声。そのあとにきた予想外の衝撃。で、く、苦しいんだけど?!
「あれ、ルイの考えじゃないでしょう? なんていい子なの!」
待って。顔が圧迫されて、息できねぇから! 少し、力を緩めろぉ!
「サクヤは私のです」
背後の声が不機嫌にオレを目の前の人から引き剥がす。で、今度は後ろから抱き潰される! どうでもいいから、力を抜けぇ!
「サクヤが悶絶してるぞ」
そして、冷静な声が一つ。で、オレが脚をバタつかせてたからか、その脚にじゃれつく二匹の狼。もう、勘弁して。
ルイが少し体の力を抜いて、前にいる二人を見据える。オレに容赦なく抱きついてきたのはカエデさん。その後ろで呆れ気味なのがクレハさん。普通に寮の部屋で待ち構えてっし。
いつまでも入り口で立ち尽くしているのもおかしいしさ。室内に入って、応接セット(こんなのがあるのが信じらんないぜ)の長椅子に向かい合わせで座る。ルイが珍しく両親に飲み物を出した。オレの目の前にも。
「大穴の上の屋敷の話が本決まりになったのは知っていたが。もう、打診があったんだな」
クレハさんが溜め息混じりにそう、切り出した。本決まりっていうか、オレとルイが住むの前提で話が進んでたみたいだけど。
「そこに住むのは上が決めてしまったことだ。俺達がいくら騒いだところで、何一つ変わりはしない」
カエデさんが若干、肩を落とした。
「ただ、これだけは言わせてもらっていた。大穴の近くに住むのは、そこの門の狼達のせいだ。覆らないからな。しかし、封印の建物に住まわせるのは納得できないと強く進言した。いくら、危険が少ないとはいえ、ゼロじゃない。禁書まで移すとなれば、危険度は増すんだ。住処くらい、別に作って欲しいと言ってあった。完全に無視されたみたいだが」
危険って?
「妖魔の住処の入り口に、禁書が引き寄せる仄暗い気配。確かに住むには適してないけど」
……ルイ、冷静に何言いやがる。それ、人が住む場所じゃねぇよ。
「そうだ。カイト経由で上に打診があった。ルイから連絡があったように、俺達一族の屋敷をそのまま移動させる案だ」
「反対はしないんですか?」
「する必要があるか? 今屋敷がある土地も、もともと、屋敷が建っていた場所じゃない。何度か移動させているはずだ」
屋敷って簡単に移動可能なもんなのか? オレのは完全に思いつきだったんだけど。
「ルイが大穴の屋敷に住むとなれば、俺達の代であの屋敷は使われなくなる。カエデの実家がそうだ。魔力の強い魔法使いは子供に恵まれない場合が多いからな」
そうか。クレハさんとカエデさんの子はルイだけだもんな。もし、授かるチャンスがあったとしても、孵化するまでに凄い時間がかかる。
「じゃあ、魔法省で許可が出たの?」
「カイトが頑張ったみたいだな」
カイトさん、そんなに頑張ったのかよ。まあ、ルイを自分の子と思ってたりするんだろうな。それを二人には絶対悟られないようにしてんだろうけど。
「カイトには昔、キツイこと言っちゃったのに」
カエデさんが更にショボくれてる。そりゃ、我が子を奪われたんだから、言うのは理解できっけど。
「本決まりかよ?」
オレは二人にはそう、問い掛けた。
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