銀の鳥籠

善奈美

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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編

132 報告書と危険視

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「意外だろう?」
「箍って?」
「魔力が淀むと、性欲より質悪いってさ」
 
 クレハさんがルイに忠告したってことは、相当なんだろうな。
 
 寮を出て、しばらく歩くと耳に届く悲鳴。朝から元気だよな。今日はルイはいねぇぞ。
 
「相変わらずだな」
「なにがだよ?」
「サクヤ人気」
 
 オレが人気あるわけねぇだろうが。ルイ付属品くらいにしか思われてねぇんじゃね?
 
「オレが人気者になるなんて、天地がひっくり返ってもねぇよ」
「……それが会長を心配させてる要因だって、気が付いてあげたら?」
 
 は?!
 
「だいたいさ。サクヤって見た目が可愛いんだって」
「オレは男だぞ」
「そんなの可愛い定義に関係ないでしょう。魔力の強い魔法使いって綺麗か格好いいかなんだよ。あとは平凡」
「ユエは綺麗だぞ」
 
 まあ、魔法学校に来て驚いたことだよな。魔法使いって見た目がいいもんな。オレと両親がなんか浮いてたもんな。
 
「俺は平凡枠だって。会長の見目麗しさはあの色合いもあって、初等部に入ってきてすぐ大騒ぎだったしさ。ライカも髪色と瞳の色合いでインパクトあったし、綺麗だったから俺が初等部に入ったときには大人気だった」
 
 初等部時点で綺麗認識か。どんだけ姿が整ってんだ。
 
 悲鳴を華麗にスルーして、校舎に入るとすぐ、特Aの教室に滑り込む。学校内で安心して過ごせる場所が教室って。グッタリする。
 
 椅子に座るとキンが当たり前のように俺の膝に乗ると寝に入る。ギンは足元で丸くなって寝ようとしていたから、抱き上げでキンと一緒に膝に乗せた。
 
「重くないの?」
「こいつらのこと? あんまり重くはねぇよ。動物と若干違うしさ。それに、魔力が枯渇してっし。俺の魔力に慣らさないと成長できないみたいでさ」
「どういうこと?」
「オレって無意識で周りのモノを浄化してるっていうし。でさ、キンとギンは魔狼で元々、負の魔力を糧にしててさ」
「ああ……、なんとなく分かった」
「もう、珍獣、珍獣言われるけどさ。最近、そうかな? ってオレ自身も思うようになった」
 
 ユエが思いっきり呆れ顔だな。
 
「今更」
「今更だろうが、これからだろうが、否定したいんだって。当事者になってみろよ。オレなりに傷ついてるんだぞ」
「……」
 
 なんだよ。その沈黙は。
 
「繊細とか言ったら、叩いていい?」
「なんで?!」
「もうさ。サクヤって、すぐ馴染むじゃん。この教室に移ってもさ、すぐ馴染むし」
「いいだろう。緊張ばっかしてたら、疲れるだけなんだしさ」
「やっぱり、珍獣」
 
 ……その言葉に抵抗が薄れてる俺ってどうよ?
 
「教室移動しなきゃ。会長とライカは生徒会の仕事だって言ってたから、一日、缶詰だよ」
「は?! なんで缶詰?」
 
 ユエが意外そうにオレを見詰めたけど、何かに気が付いたように頷いた。
 
「そうか。去年の今頃は、会長の知識を頭の中に叩き込まれてる最中だったもんな」
「……表現は間違えてねぇけど」
「この時期になると、生徒会役員って生徒の報告書を魔法省に提出するんだ。教師もするんだけどさ、生徒目線も必要だってんで」
「どうして、報告するんだよ?」
「高等部に入ると、循環相手を見付けるだろう? 特に特Aの生徒の中で闇に落ちる可能性がある生徒を報告するんだよ」
 
 それって……。オレがジッとユエを見詰めたからだろうな。ユエが苦笑いを浮かべた。オレの考えを読んだんだよな?
 
「ライカのことだよな」
「そう」
「オレ達が入学する前年は危険視ナンバーワンだったってさ」
 
 ルイより劣るけど、破壊の魔力だけなら、危険視されただろうな。しかも、その報告書、副会長自身が提出する形だったんじゃね? どんな気持ちで記入したんだろうな?
 
 
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