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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
143 これ以上は必要ない!
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「あっさりしてるね」
「好きであっさりしてんじゃねぇの」
いろいろあり過ぎて、切り捨てる部分は切り捨てていかないと、気持ち的に追っ付いていかねぇんだって。
「とりあえず、店に戻ろう。父さんと母さんだけじゃ、まだ、不安があるんじゃない?」
「そんなことはないわよ。でも、この子はどうしたら……」
この子って、精霊のことだよな。エアリエルが戻って来るまで、手元に持ってないと危険だ。
「精霊が戻って来るまで、肌身離さず持ってたほうがいいと思うけど」
クチバさんとシロガネさんは本当に魔力が強いんだな。おそらく、エアリエルはその魔力の強さに惹かれたんだよな。そして、卵が不自然なほど風の性質を強く持ってた。
そうか。バランスが悪いと孵化できねぇんだ。遺伝子的な問題じゃなくて、作られた卵の質が偏ってると駄目なんだ。
「サクヤ?」
「あとで話す」
四人で店に戻って、クレハさんとカエデさんに精霊のことを話した。魔力を持って精霊は存在していたから、卵さえ条件の揃ったものができれば孵化できる。冬季休暇に入る前に、もう一回休みがある。その日に店に訪れて、オレの実家に数日滞在したあと、ルイの実家に行くことを伝えた。
実はさ。嫌な予感がすんだよな。去年はオレがルイと知識と感情を共有するために寝こけてただろう。さすがに寝こけることはねぇと思うけど、ざわざわするんだよな。
寮に戻ってきて一息。この部屋が落ち着く場所になるなんて、最初は思わなかったよな。キンとギンは帰るなり走り回ってる。外だと自重してんだろうな。
「さっきの……」
あとで話すって言ってたやつだよな?
「どうして孵化しないのか、なんとなく分かった」
「もしかして、四元素のバランスが悪いって言いたいの?」
「気が付いたのか?」
「エアリエルがクチバさんとシロガネさんの遺伝子を含んだ精霊を護ってるのを見たときに」
精霊の守護はなかなか得られないってシロガネさんは言ってた。空気中に漂ってる精霊って、基本的にありとあらゆるものに干渉はしても、大きな影響力はねぇ。でも、個としての意思を持つ精霊は別だよな。勝手に人間がつけた名前なんだろうけど、種別の名前が存在してる。性質としての名前がほとんどだけどさ。エアリエルにしても、空気と風を司ってる。つまりは空気と風を操れるってことだ。
「ベニとクレナイが本来は天地人と四属性の力が必要だって言ってただろう?」
「言ってたね」
ルイは相変わらずのんびりだよな。
「つまりさ。ベニ達がオレ達に伝えてきた方法だと、どう考えても二人の魔法使いが必要ってことだろう?」
「そうなるね」
「じゃあさ。代わりを務めてた魔法使いは一人だったのかよ?」
「その辺は私にも分からないよ。ただ、孵化する卵とそうでない卵の比率が、確実に孵化しない方に傾いてるってことだけ、卵を渡された魔法使い達が知ってるってことだけだよ」
卵のことは魔法使い内でもトップシークレットってことだ。ある一定の魔力を持っていて、かつ同性の夫婦にのみ知らされて渡される。高等部でパートナーを決めて、成人と同時に魔法省から認可される。二十五歳になると卵を渡されるってシステムだ。次の卵は最初の卵が孵化することが最低条件。そうなると、魔力の強い魔法使いの人口が減り続けていくことになる。
「……ただね。エアリエルの話に引っかかるものがあるんだよね」
ルイがポツリと呟く。何が言いたいんだよ。
「精霊王は私とサクヤになら会うかもしれないって言ってたでしょう?」
「おう……」
「つまりね。精霊王との契約を私とサクヤがしないといけないってことだと思うんだ」
「はあ?!」
待て! 待て! これ以上の役職は必要ねぇて!
「好きであっさりしてんじゃねぇの」
いろいろあり過ぎて、切り捨てる部分は切り捨てていかないと、気持ち的に追っ付いていかねぇんだって。
「とりあえず、店に戻ろう。父さんと母さんだけじゃ、まだ、不安があるんじゃない?」
「そんなことはないわよ。でも、この子はどうしたら……」
この子って、精霊のことだよな。エアリエルが戻って来るまで、手元に持ってないと危険だ。
「精霊が戻って来るまで、肌身離さず持ってたほうがいいと思うけど」
クチバさんとシロガネさんは本当に魔力が強いんだな。おそらく、エアリエルはその魔力の強さに惹かれたんだよな。そして、卵が不自然なほど風の性質を強く持ってた。
そうか。バランスが悪いと孵化できねぇんだ。遺伝子的な問題じゃなくて、作られた卵の質が偏ってると駄目なんだ。
「サクヤ?」
「あとで話す」
四人で店に戻って、クレハさんとカエデさんに精霊のことを話した。魔力を持って精霊は存在していたから、卵さえ条件の揃ったものができれば孵化できる。冬季休暇に入る前に、もう一回休みがある。その日に店に訪れて、オレの実家に数日滞在したあと、ルイの実家に行くことを伝えた。
実はさ。嫌な予感がすんだよな。去年はオレがルイと知識と感情を共有するために寝こけてただろう。さすがに寝こけることはねぇと思うけど、ざわざわするんだよな。
寮に戻ってきて一息。この部屋が落ち着く場所になるなんて、最初は思わなかったよな。キンとギンは帰るなり走り回ってる。外だと自重してんだろうな。
「さっきの……」
あとで話すって言ってたやつだよな?
「どうして孵化しないのか、なんとなく分かった」
「もしかして、四元素のバランスが悪いって言いたいの?」
「気が付いたのか?」
「エアリエルがクチバさんとシロガネさんの遺伝子を含んだ精霊を護ってるのを見たときに」
精霊の守護はなかなか得られないってシロガネさんは言ってた。空気中に漂ってる精霊って、基本的にありとあらゆるものに干渉はしても、大きな影響力はねぇ。でも、個としての意思を持つ精霊は別だよな。勝手に人間がつけた名前なんだろうけど、種別の名前が存在してる。性質としての名前がほとんどだけどさ。エアリエルにしても、空気と風を司ってる。つまりは空気と風を操れるってことだ。
「ベニとクレナイが本来は天地人と四属性の力が必要だって言ってただろう?」
「言ってたね」
ルイは相変わらずのんびりだよな。
「つまりさ。ベニ達がオレ達に伝えてきた方法だと、どう考えても二人の魔法使いが必要ってことだろう?」
「そうなるね」
「じゃあさ。代わりを務めてた魔法使いは一人だったのかよ?」
「その辺は私にも分からないよ。ただ、孵化する卵とそうでない卵の比率が、確実に孵化しない方に傾いてるってことだけ、卵を渡された魔法使い達が知ってるってことだけだよ」
卵のことは魔法使い内でもトップシークレットってことだ。ある一定の魔力を持っていて、かつ同性の夫婦にのみ知らされて渡される。高等部でパートナーを決めて、成人と同時に魔法省から認可される。二十五歳になると卵を渡されるってシステムだ。次の卵は最初の卵が孵化することが最低条件。そうなると、魔力の強い魔法使いの人口が減り続けていくことになる。
「……ただね。エアリエルの話に引っかかるものがあるんだよね」
ルイがポツリと呟く。何が言いたいんだよ。
「精霊王は私とサクヤになら会うかもしれないって言ってたでしょう?」
「おう……」
「つまりね。精霊王との契約を私とサクヤがしないといけないってことだと思うんだ」
「はあ?!」
待て! 待て! これ以上の役職は必要ねぇて!
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