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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
147 気が付けば……。
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あの後、長期の休暇に入り、オレの実家、ルイの実家にそれぞれ滞在した。ルイはオレの両親には壁を感じないから問題ねぇんだけど、自分の両親には無意識に一線を引く。仕方ねぇんだろうけど。でも、今回ばかりはそうも言っていられない。なんせ、精霊王が指定してきたのはオレとルイなんだからさ。
「あー、やっぱりこの味」
カエデさんがルイから教わって作ったエッグタルト。うん、母さんの味だ。
「それで、何があった?」
クレハさんがルイに問い掛ける。今は夕食あとのお茶をいただきつつ、エッグタルト試食会だったんだ。それがひと段落して、訊かれたんだ。
「なにがって?」
「姿を消していた一週間。どれだけ心配したと思ってるんだ。サクヤもだ」
「好きで消えたんじゃねぇって。エアリエルにいつ呼び出されるか分かんねぇって言われてたけどさ。いきなりだったし」
精霊やら妖精やらは、こっちの都合などお構いなしなんだろうな。少しは考えて欲しかったんだ。
「クチバとシロガネに聞いたよ。二人に魔力を帯びた精霊も見せてもらったし」
カエデさんはやっぱり、可愛い感じだよな。
二人に隠し通すのは無理だとルイは判断したみてぇ。多分、副会長にも押し切られて渋々話したんだろうな。
「そう言うことか」
「ただね。卵の魔法使いの一族全ての魂が最低条件なんだ」
「その時代って意味だろう?」
「だと思うけど」
「その話はカイトを通して、俺が話をつけてやる。だがな、種を身に宿す話はここだけの話にしろ」
クレハさんが渋い顔をした。どうしてだ?
「そうだね。下手したら実験材料にされる。あんな思いはもうしたくないしね」
カエデさんが溜め息混じりに言葉を吐き出す。って、実験材料ってなんだ?!
「ユグドラシルは元々、こちらの世界にあった大樹だ。それが、いつの時代からなのか、姿を消した。マナ自体は枯渇してはいないからな。どこかに存在していることは分かっていた」
「その、ユグドラシルから種の保管を頼まれたってことは、重要なことなんだよ。考えようで、一度枯れたことがあるんだ。でも、その時はなんとかなったって考えるのが自然だよ」
……やっぱり、クレハさんとカエデさんも頭が良いんだな。今の話だけで、これだけ考察できんのかよ。脱帽だ。
「でも、誰にも言わないのは問題ない?」
「魔法大臣にのみ知らせるに留めるべきだ。おそらく、魔法大臣がお前達に直接接触してくるだろう。精霊王との契約は他の魔法使いでは無理だ。今の話で、選ばれた理由が普通の感覚の魔法使いではないからってことだろう?」
「そうだけど」
「種の安全を考えるなら、知るのは最小限にとどめておくのが妥当だ。まあ、ライカとその相手には口止めしてあるんだろう?」
オレとルイは素直に頷いた。副会長はルイのためにならないことは基本的にしねぇし、ユエにしても友達になって日は浅いけどさ、良いやつだし。
「我が子ながら、こうも特殊続きだと疲れるね」
カエデさん、その言い方もどうかと思うけど。
「禁書庫の司書官に、門の監視人。卵の魔法使いにユグドラシルの種の護り手。どれだけの肩書きが付くんだか」
「私だって好きで引き受けてるわけじゃないよ」
ルイが若干、不機嫌になる。お、両親の前なのに進歩してるじゃん。
「はっきり言うけど、これ以上はなにを押し付けられても拒絶するからね」
「あ……、オレも拒絶する」
魔法使いに関わる前は、ごくごく当たり前の一般人してたんだ。いきなり、あれもこれもって、ついてけねぇって。目の前で二人が盛大に息を吐き出した。あれは、呆れてる感じだよな。でもよ、オレ達は被害者じゃねえの? その態度はおかしいよな?
「あー、やっぱりこの味」
カエデさんがルイから教わって作ったエッグタルト。うん、母さんの味だ。
「それで、何があった?」
クレハさんがルイに問い掛ける。今は夕食あとのお茶をいただきつつ、エッグタルト試食会だったんだ。それがひと段落して、訊かれたんだ。
「なにがって?」
「姿を消していた一週間。どれだけ心配したと思ってるんだ。サクヤもだ」
「好きで消えたんじゃねぇって。エアリエルにいつ呼び出されるか分かんねぇって言われてたけどさ。いきなりだったし」
精霊やら妖精やらは、こっちの都合などお構いなしなんだろうな。少しは考えて欲しかったんだ。
「クチバとシロガネに聞いたよ。二人に魔力を帯びた精霊も見せてもらったし」
カエデさんはやっぱり、可愛い感じだよな。
二人に隠し通すのは無理だとルイは判断したみてぇ。多分、副会長にも押し切られて渋々話したんだろうな。
「そう言うことか」
「ただね。卵の魔法使いの一族全ての魂が最低条件なんだ」
「その時代って意味だろう?」
「だと思うけど」
「その話はカイトを通して、俺が話をつけてやる。だがな、種を身に宿す話はここだけの話にしろ」
クレハさんが渋い顔をした。どうしてだ?
「そうだね。下手したら実験材料にされる。あんな思いはもうしたくないしね」
カエデさんが溜め息混じりに言葉を吐き出す。って、実験材料ってなんだ?!
「ユグドラシルは元々、こちらの世界にあった大樹だ。それが、いつの時代からなのか、姿を消した。マナ自体は枯渇してはいないからな。どこかに存在していることは分かっていた」
「その、ユグドラシルから種の保管を頼まれたってことは、重要なことなんだよ。考えようで、一度枯れたことがあるんだ。でも、その時はなんとかなったって考えるのが自然だよ」
……やっぱり、クレハさんとカエデさんも頭が良いんだな。今の話だけで、これだけ考察できんのかよ。脱帽だ。
「でも、誰にも言わないのは問題ない?」
「魔法大臣にのみ知らせるに留めるべきだ。おそらく、魔法大臣がお前達に直接接触してくるだろう。精霊王との契約は他の魔法使いでは無理だ。今の話で、選ばれた理由が普通の感覚の魔法使いではないからってことだろう?」
「そうだけど」
「種の安全を考えるなら、知るのは最小限にとどめておくのが妥当だ。まあ、ライカとその相手には口止めしてあるんだろう?」
オレとルイは素直に頷いた。副会長はルイのためにならないことは基本的にしねぇし、ユエにしても友達になって日は浅いけどさ、良いやつだし。
「我が子ながら、こうも特殊続きだと疲れるね」
カエデさん、その言い方もどうかと思うけど。
「禁書庫の司書官に、門の監視人。卵の魔法使いにユグドラシルの種の護り手。どれだけの肩書きが付くんだか」
「私だって好きで引き受けてるわけじゃないよ」
ルイが若干、不機嫌になる。お、両親の前なのに進歩してるじゃん。
「はっきり言うけど、これ以上はなにを押し付けられても拒絶するからね」
「あ……、オレも拒絶する」
魔法使いに関わる前は、ごくごく当たり前の一般人してたんだ。いきなり、あれもこれもって、ついてけねぇって。目の前で二人が盛大に息を吐き出した。あれは、呆れてる感じだよな。でもよ、オレ達は被害者じゃねえの? その態度はおかしいよな?
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