149 / 281
銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
149 頭の中
しおりを挟む
今まで変な意味でイベント目白押しだったから、なにもない平和が変な感じだ。まあ、周りから上がる黄色い声は通常だけどさ。魔法の授業にはルイの知識のおかげでついていけるようになったけど、普通の授業は残念なオレの頭ではやっぱり、残念な結果だ。
「ここの部分違うよ」
ルイがやんわりと指摘。数学って頭がこんがらがる。ルイはやっぱり頭が良いんだな。それに魔法学校だけどさ、ここって金持ち学校で、初等部から高等部までエスカレーター式だ。学力だって、そこ等の学校とはわけが違う。
「どうして違うのかが分かんねぇ」
オレがウンウン唸ってると、ひょっこり顔を出したユエが不思議顔だ。まあ、教室で勉強してんだから、周りも遠巻きにオレを観察してんだけどさ。ユエと共に副会長も登場して、やりにくいんだけど。
「魔法のスペシャリストになったのに、普通の学生の領分はあの時のままかよ?」
「悪いかよ」
「会長と共有してんじゃないの?」
「ルイの頭の中覗いてみろよ。どんだけ知識が詰まってると思ってんだ。通常の知識より魔法の知識の方が膨大で、そんな普通の知識なんぞ奥に追いやられてて見つけられるか!」
これは本当のことだ。多分だけど、ルイが自分自身で身につけた知識は奥底に潜んでんだと思う。魔力が防衛のために魔法の知識を蓄積して行ったのは、あいつから守るためなんだから、表層に魔法の知識。下層にルイ自身が蓄えた知識が存在してんだと思うんだよな。
「そうなの?」
副会長が興味津々で訊いてきた。滅多に問い掛けてこねぇから吃驚だ。ルイもオレの言葉に目を見開いて無言だし。
「ルイの知識を全部理解しようとしたら、オレ、ずっと眠り姫してなきゃあなんねぇけど? あのときは身を守るためだったし、必要最低限であれだけ眠ってたんだ。全部だったら大変だって」
それだけ言って、ノートと教科書を睨めっこ。魔法だけなら進級は問題なくてもさ、一般知識が本当にギリギリなんだって。とは言っても、普通の学校に比べて、一般教養は半分以下。ルイが主席なら、俺は確実に最下位だ。とりあえず、留年だけは避けねぇと、ルイまで留年しかねない。なんせ、目の前に現実がいる。副会長はユエといたいからって落第したんだ。だもんで、オレ的には必死なんだよ!
「そんなに必死にならなくても。なんだったら、二学年をもう一回……」
「絶対、やだ!」
もうさ、オレのせいで成績優秀なルイを落第させたくねぇんだって。だから、本当に必死なんだよ。
涙目になりながら必死で勉強しているオレに、周りが折れた。遠巻きに見ていた特Aのやつ等も口を出してくる。一人よりたくさんの方がよく見えるって分かるわ。オレがウンウン唸ってた部分。多分、ここのクラスのやつなら簡単に解けんだよ。でも、オレの残念な頭を考慮し、なにが理解できないかを考察。結果、基本が分かってないに辿り着く。
「頭数がいると分かるもんだね」
ルイののほほんとした言葉に、周りが脱力。なんで必死になってんのか、理解してくんねぇかな? オレ一人が落第なら問題ねぇ。問題はルイが俺の側にい続けるだろうってことなんだよ。
「あれ?」
「どうかしたのかよ?」
「クレナイだね」
羽音をさせルイの左肩に落ち着いたクレナイが、手紙を差し出してくる。なんの疑いもなく開封したルイ。カチリ、と音がして床に転がったのは指輪だ。ん? なんで指輪が同封されてんだよ。ルイはそれを拾い上げた。よく見ると、名前が内側に彫り込まれていた。
「なんて書いてあるんだ?」
「魔法大臣が許可したって。それと、これはサクヤ用の銀行の鍵だよ」
「は?」
「これを通して給料が私とサクヤの口座に振り込まれるから」
……一気に解決すんのやめてくれよな。
「ここの部分違うよ」
ルイがやんわりと指摘。数学って頭がこんがらがる。ルイはやっぱり頭が良いんだな。それに魔法学校だけどさ、ここって金持ち学校で、初等部から高等部までエスカレーター式だ。学力だって、そこ等の学校とはわけが違う。
「どうして違うのかが分かんねぇ」
オレがウンウン唸ってると、ひょっこり顔を出したユエが不思議顔だ。まあ、教室で勉強してんだから、周りも遠巻きにオレを観察してんだけどさ。ユエと共に副会長も登場して、やりにくいんだけど。
「魔法のスペシャリストになったのに、普通の学生の領分はあの時のままかよ?」
「悪いかよ」
「会長と共有してんじゃないの?」
「ルイの頭の中覗いてみろよ。どんだけ知識が詰まってると思ってんだ。通常の知識より魔法の知識の方が膨大で、そんな普通の知識なんぞ奥に追いやられてて見つけられるか!」
これは本当のことだ。多分だけど、ルイが自分自身で身につけた知識は奥底に潜んでんだと思う。魔力が防衛のために魔法の知識を蓄積して行ったのは、あいつから守るためなんだから、表層に魔法の知識。下層にルイ自身が蓄えた知識が存在してんだと思うんだよな。
「そうなの?」
副会長が興味津々で訊いてきた。滅多に問い掛けてこねぇから吃驚だ。ルイもオレの言葉に目を見開いて無言だし。
「ルイの知識を全部理解しようとしたら、オレ、ずっと眠り姫してなきゃあなんねぇけど? あのときは身を守るためだったし、必要最低限であれだけ眠ってたんだ。全部だったら大変だって」
それだけ言って、ノートと教科書を睨めっこ。魔法だけなら進級は問題なくてもさ、一般知識が本当にギリギリなんだって。とは言っても、普通の学校に比べて、一般教養は半分以下。ルイが主席なら、俺は確実に最下位だ。とりあえず、留年だけは避けねぇと、ルイまで留年しかねない。なんせ、目の前に現実がいる。副会長はユエといたいからって落第したんだ。だもんで、オレ的には必死なんだよ!
「そんなに必死にならなくても。なんだったら、二学年をもう一回……」
「絶対、やだ!」
もうさ、オレのせいで成績優秀なルイを落第させたくねぇんだって。だから、本当に必死なんだよ。
涙目になりながら必死で勉強しているオレに、周りが折れた。遠巻きに見ていた特Aのやつ等も口を出してくる。一人よりたくさんの方がよく見えるって分かるわ。オレがウンウン唸ってた部分。多分、ここのクラスのやつなら簡単に解けんだよ。でも、オレの残念な頭を考慮し、なにが理解できないかを考察。結果、基本が分かってないに辿り着く。
「頭数がいると分かるもんだね」
ルイののほほんとした言葉に、周りが脱力。なんで必死になってんのか、理解してくんねぇかな? オレ一人が落第なら問題ねぇ。問題はルイが俺の側にい続けるだろうってことなんだよ。
「あれ?」
「どうかしたのかよ?」
「クレナイだね」
羽音をさせルイの左肩に落ち着いたクレナイが、手紙を差し出してくる。なんの疑いもなく開封したルイ。カチリ、と音がして床に転がったのは指輪だ。ん? なんで指輪が同封されてんだよ。ルイはそれを拾い上げた。よく見ると、名前が内側に彫り込まれていた。
「なんて書いてあるんだ?」
「魔法大臣が許可したって。それと、これはサクヤ用の銀行の鍵だよ」
「は?」
「これを通して給料が私とサクヤの口座に振り込まれるから」
……一気に解決すんのやめてくれよな。
10
あなたにおすすめの小説
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
ふたなり治験棟 企画12月31公開
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
神官姫と最強最弱の王
深也糸
BL
アズカヴァル国の王、リヴェラ・ライト・アズカヴァルは十八歳になり、成人したことで妃を娶らなければならなかった。
隣国のリゼルハイドの姫、シファ・ヴィオラ・リゼルハイドはリヴェラと娶せられるためにアズカヴァルに逗留することになる。リヴェラに城の中を案内してもらい親睦を深めようとするが、早々に男だとバレてしまい……。
※週一回 マイペース更新
兄弟カフェ 〜僕達の関係は誰にも邪魔できない〜
紅夜チャンプル
BL
ある街にイケメン兄弟が経営するお洒落なカフェ「セプタンブル」がある。真面目で優しい兄の碧人(あおと)、明るく爽やかな弟の健人(けんと)。2人は今日も多くの女性客に素敵なひとときを提供する。
ただし‥‥家に帰った2人の本当の姿はお互いを愛し、甘い時間を過ごす兄弟であった。お店では「兄貴」「健人」と呼び合うのに対し、家では「あお兄」「ケン」と呼んでぎゅっと抱き合って眠りにつく。
そんな2人の前に現れたのは、大学生の幸成(ゆきなり)。純粋そうな彼との出会いにより兄弟の関係は‥‥?
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる