153 / 281
銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
153 鍵の長老
しおりを挟む
魔法大臣はリッカの一族の長老に連絡してあると言ってくれた。ユグドラシルの条件の一つ。卵の魔法使いの魂を捕獲しないといけない。あいつを封印したときに利用した方法は使えねぇから、その方法も考えねぇと。それをルイに言うと、魔法で縛る方法があるという。ルイ曰く、禁呪になるんだと。それも魔法大臣に許可をもらった。
休日の早朝、リッカとコウガを伴って鍵の一族の長老に会いに行った。事前に魔法省からの正式文書が届いていたのか、概ね好意的に招き入れられた。概ねっていうのは、使い魔が離れねぇからだ。頭の上のベニはもう、そこから降りるのは夜の就寝のときとか、風呂とか。とりあえず、そこにいて問題があるときしか離れねぇし。キンとギンは寮の部屋を出るときには必ずついてくるし。クレナイは精霊王の一件から学校の敷地を出るときにはルイについてくるようになった。
まあ、ペットじゃねぇし、言葉で伝えればきちんと読み取るし。
「これは本当に珍しい」
通された部屋で長老の名にふさわしい容姿の魔法使いが一人。昔の髪の色がなんであったのか、分からないほどに色の抜けた白髪。で顔に刻まれているのは深い皺。でもさ、瞳の光はしっかりとしていて、見た目の年齢よりも若々しさを感じた。背筋もスッとしてるしさ。
「聖と魔を使い魔にするとは」
「大爺様。お戯れもそこまでにしてください」
「お前は相変わらず眠そうだ。あそこの鍵は中の住人を眠らせる魔法もかかってるからな。最後まで影響されたままだったな」
「仕方ないでしょう?! 本来は二人で鍵を受け持つ場所ですよ。それを一人で支えたのですから、認めてください」
「分かっている。我が一族も、数を減らしたからな」
……そうだよな。強い魔力を持つ魔法使いって、何かしらの役目を持ってんだよな。数が減れば負担も増えるんだ。
「あの屋敷の鍵の役目は解くが、新たな鍵にはなってもらうぞ」
「それは分かってます」
「新たな鍵はな、それ、そこの二人に関係がある場所だ。まだ、完成していないが、完成した後すぐに大きな結界を張る。中に入る入り口は一つ。周りは光と風、つまり自然現象以外を通さないようにと通達された。そうだ。忘れるところだったが、そこの火の鳥は結界を越えれるようにとの依頼だ。全く、魔法省は無理難題を押し付ける」
「火の鳥って。半永久的に使い魔になってるわけではないですよね?」
「そうだろうな。そこの二人が没したあとは、その時考える、ということだろう」
へ? リッカがあの場所の鍵になんの?!
「それと、また一人で鍵役になれと?」
リッカが半眼で長老を睨み付けてる。わあ、一族の偉い人なんだよな?
「ほれ、お前の妻がいるだろう。二人で管理しろ」
「僕もですか?!」
ただ、眺める側に回っていたコウガが雄叫び上げた。
「仕方ないだろう。我が一族はいつでも人材不足。それに、一族の仕事を持っていないだろう。鍵になれば魔法省から給料も支払われる。指定された場所は重要な場所だ。一気に高給取りだぞ」
……リッカの一族の長老って、実はお茶目なのか? 話してる内容は真面目で重要だと思うけどさ、伝え方が……。
「我が一族としては、有能なリッカには是非、たくさんの子供を得てもらいたい。今回の魔法省からの提案は、こちらにとって利益になる」
「詳しく聞いたのかよ?」
あ、思わず訊いちまった。黙ってようと思ったのに!
「どうかな? だが、口外はしないと約束しよう。重要で危険な事柄に蓋をするのはいつものことだ」
魔法大臣はどこまで伝えたんだよ。あの笑みが怖いんだけどさ。
休日の早朝、リッカとコウガを伴って鍵の一族の長老に会いに行った。事前に魔法省からの正式文書が届いていたのか、概ね好意的に招き入れられた。概ねっていうのは、使い魔が離れねぇからだ。頭の上のベニはもう、そこから降りるのは夜の就寝のときとか、風呂とか。とりあえず、そこにいて問題があるときしか離れねぇし。キンとギンは寮の部屋を出るときには必ずついてくるし。クレナイは精霊王の一件から学校の敷地を出るときにはルイについてくるようになった。
まあ、ペットじゃねぇし、言葉で伝えればきちんと読み取るし。
「これは本当に珍しい」
通された部屋で長老の名にふさわしい容姿の魔法使いが一人。昔の髪の色がなんであったのか、分からないほどに色の抜けた白髪。で顔に刻まれているのは深い皺。でもさ、瞳の光はしっかりとしていて、見た目の年齢よりも若々しさを感じた。背筋もスッとしてるしさ。
「聖と魔を使い魔にするとは」
「大爺様。お戯れもそこまでにしてください」
「お前は相変わらず眠そうだ。あそこの鍵は中の住人を眠らせる魔法もかかってるからな。最後まで影響されたままだったな」
「仕方ないでしょう?! 本来は二人で鍵を受け持つ場所ですよ。それを一人で支えたのですから、認めてください」
「分かっている。我が一族も、数を減らしたからな」
……そうだよな。強い魔力を持つ魔法使いって、何かしらの役目を持ってんだよな。数が減れば負担も増えるんだ。
「あの屋敷の鍵の役目は解くが、新たな鍵にはなってもらうぞ」
「それは分かってます」
「新たな鍵はな、それ、そこの二人に関係がある場所だ。まだ、完成していないが、完成した後すぐに大きな結界を張る。中に入る入り口は一つ。周りは光と風、つまり自然現象以外を通さないようにと通達された。そうだ。忘れるところだったが、そこの火の鳥は結界を越えれるようにとの依頼だ。全く、魔法省は無理難題を押し付ける」
「火の鳥って。半永久的に使い魔になってるわけではないですよね?」
「そうだろうな。そこの二人が没したあとは、その時考える、ということだろう」
へ? リッカがあの場所の鍵になんの?!
「それと、また一人で鍵役になれと?」
リッカが半眼で長老を睨み付けてる。わあ、一族の偉い人なんだよな?
「ほれ、お前の妻がいるだろう。二人で管理しろ」
「僕もですか?!」
ただ、眺める側に回っていたコウガが雄叫び上げた。
「仕方ないだろう。我が一族はいつでも人材不足。それに、一族の仕事を持っていないだろう。鍵になれば魔法省から給料も支払われる。指定された場所は重要な場所だ。一気に高給取りだぞ」
……リッカの一族の長老って、実はお茶目なのか? 話してる内容は真面目で重要だと思うけどさ、伝え方が……。
「我が一族としては、有能なリッカには是非、たくさんの子供を得てもらいたい。今回の魔法省からの提案は、こちらにとって利益になる」
「詳しく聞いたのかよ?」
あ、思わず訊いちまった。黙ってようと思ったのに!
「どうかな? だが、口外はしないと約束しよう。重要で危険な事柄に蓋をするのはいつものことだ」
魔法大臣はどこまで伝えたんだよ。あの笑みが怖いんだけどさ。
10
あなたにおすすめの小説
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
ふたなり治験棟 企画12月31公開
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
兄弟カフェ 〜僕達の関係は誰にも邪魔できない〜
紅夜チャンプル
BL
ある街にイケメン兄弟が経営するお洒落なカフェ「セプタンブル」がある。真面目で優しい兄の碧人(あおと)、明るく爽やかな弟の健人(けんと)。2人は今日も多くの女性客に素敵なひとときを提供する。
ただし‥‥家に帰った2人の本当の姿はお互いを愛し、甘い時間を過ごす兄弟であった。お店では「兄貴」「健人」と呼び合うのに対し、家では「あお兄」「ケン」と呼んでぎゅっと抱き合って眠りにつく。
そんな2人の前に現れたのは、大学生の幸成(ゆきなり)。純粋そうな彼との出会いにより兄弟の関係は‥‥?
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる