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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
159 切れる?!
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扉を開けた瞬間、肌を打ったのは重たい空気の塊だった。思わずよろけて、部屋の中に視線を向ける。凄い形相が目に写って、避けようとしたんだ。ベニは俺の魔力を喰べるように命令してるから動けねぇし!
「ギャア!」
鋭い鳴き声が空気を震わせた。バチンッと耳障りな音が響いて、そこにいたはずの顔が床に沈んでた。
「クレナイ、助かったよ」
ルイの穏やかな声に、あの鋭い鳴き声がクレナイだって初めて認識した。
『ふむ。二羽の火の鳥か。また、珍しいな』
「この二人は珍獣なんだ」
渋々、ウィルの爺ちゃんに答えるリッカ。諦めたんだな。
「この無駄に力を溜め込んだ魂が卵の魔法使いの成れの果て?」
警戒もせず、左肩にクレナイを乗せたルイが部屋に入って行く。霊体を見下ろす視線が冷たい。まあ、オレでも冷たくなるしな。
『そうだろうなぁ』
ウィルの爺ちゃんがルイの横まで移動し、同じように霊体を見下ろす。体がないのは、半透明になった体で分かる。でもさ、存在がはっきりしすぎてんだよな。恐る恐る部屋に入って、室内を見渡す。よく見ると壁に沿って無数の人骨。この骨って親族の人のだよな? 骨の近くにはクレナイに縛られた霊体とよく似た面差しの霊体もいる。
『どうやって捕まえる気だ?』
「禁呪を使うよ。許可ももらってる」
『入れ物はどうする気だ? 周りの奴等と同じ入れ物は論外だぞ。吸収しようとするだろう』
気のせいか、ルイが異常に怒ってないか?
「ああ、久々に切れたね。サクヤを標的にするからだよ」
コウガが楽しそうにそう言った。え? オレが狙われたの?! あの攻撃、オレだけに向けられてたのかよ?! 思いっきり目見開いてコウガを見てたら、呆れたような表情を向けられた。
「多分ね。ベニが魔力を喰べてるでしょう? パッと見て感じる魔力がベニの方にむくんだ。だから、一番、魔力が弱いって思ったんだと思うよ」
火の鳥を従えてる時点で只者じゃないって見抜かないとね、って、そんなに火の鳥は珍しいのか? 確かにベニとクレナイしか知らないけどさ。
「それに、この中で一番怖いのはサクヤなのにね。莫迦だとしか思えないしさ」
いや、一番怖いのはルイだろうよ。あの頭の中は下手な図書館より知識が詰まってんだぞ。
ルイは珍しく舌打ちすると、何やら呟いた。ルイさん、何しようとしてんだよ。それ、禁呪だよな。それも、許可もらってねぇ禁呪だよな。何も無いところから現れたのは二つの物体。一つは見たことのある小さめの銀の鳥籠。もう一つは銀の蓋のついた少し大きめの瓶。
『何も無いところから、物質を作り出すか』
「たくさん精霊がいるでしょう。結界が解かれたし、サクヤが一部屋浄化したから負の瘴気も薄れたしね」
『核が無いだろうに』
「その辺に転がってるでしょう」
それって……。
「本当に切れたな。普段のルイなら骨なんか利用しないからな」
何気にリッカさんも楽しそうじゃないですか?
「骨だけじゃないよね? 劣化はしてるだろうけど、床に広がってる赤黒い血液も利用してるよ」
「ま、俺達じゃ使えない魔法なのは確かだ」
二人の会話も怖いんだけどよ。つまり、ルイを怒らせたら怖いとか思ってたけどさ、真実だったんだな。
『物質変化まで行えるのか。普通の魔法使いではないな』
「今に始まったことじゃないよ」
今はルイに近づかない方が無難な気がする。だってさ、ルイの前で沈んでる霊体が霊体なのに青みを増してるよ。それって、恐怖からだろう?!
「話は捕らえてからするよ。勿論、吐き出すまであらゆる手段をとらせてもらうけどね」
……オレは誓った。絶対、ルイを怒らせないようにしよう。自分自身のために。
「ギャア!」
鋭い鳴き声が空気を震わせた。バチンッと耳障りな音が響いて、そこにいたはずの顔が床に沈んでた。
「クレナイ、助かったよ」
ルイの穏やかな声に、あの鋭い鳴き声がクレナイだって初めて認識した。
『ふむ。二羽の火の鳥か。また、珍しいな』
「この二人は珍獣なんだ」
渋々、ウィルの爺ちゃんに答えるリッカ。諦めたんだな。
「この無駄に力を溜め込んだ魂が卵の魔法使いの成れの果て?」
警戒もせず、左肩にクレナイを乗せたルイが部屋に入って行く。霊体を見下ろす視線が冷たい。まあ、オレでも冷たくなるしな。
『そうだろうなぁ』
ウィルの爺ちゃんがルイの横まで移動し、同じように霊体を見下ろす。体がないのは、半透明になった体で分かる。でもさ、存在がはっきりしすぎてんだよな。恐る恐る部屋に入って、室内を見渡す。よく見ると壁に沿って無数の人骨。この骨って親族の人のだよな? 骨の近くにはクレナイに縛られた霊体とよく似た面差しの霊体もいる。
『どうやって捕まえる気だ?』
「禁呪を使うよ。許可ももらってる」
『入れ物はどうする気だ? 周りの奴等と同じ入れ物は論外だぞ。吸収しようとするだろう』
気のせいか、ルイが異常に怒ってないか?
「ああ、久々に切れたね。サクヤを標的にするからだよ」
コウガが楽しそうにそう言った。え? オレが狙われたの?! あの攻撃、オレだけに向けられてたのかよ?! 思いっきり目見開いてコウガを見てたら、呆れたような表情を向けられた。
「多分ね。ベニが魔力を喰べてるでしょう? パッと見て感じる魔力がベニの方にむくんだ。だから、一番、魔力が弱いって思ったんだと思うよ」
火の鳥を従えてる時点で只者じゃないって見抜かないとね、って、そんなに火の鳥は珍しいのか? 確かにベニとクレナイしか知らないけどさ。
「それに、この中で一番怖いのはサクヤなのにね。莫迦だとしか思えないしさ」
いや、一番怖いのはルイだろうよ。あの頭の中は下手な図書館より知識が詰まってんだぞ。
ルイは珍しく舌打ちすると、何やら呟いた。ルイさん、何しようとしてんだよ。それ、禁呪だよな。それも、許可もらってねぇ禁呪だよな。何も無いところから現れたのは二つの物体。一つは見たことのある小さめの銀の鳥籠。もう一つは銀の蓋のついた少し大きめの瓶。
『何も無いところから、物質を作り出すか』
「たくさん精霊がいるでしょう。結界が解かれたし、サクヤが一部屋浄化したから負の瘴気も薄れたしね」
『核が無いだろうに』
「その辺に転がってるでしょう」
それって……。
「本当に切れたな。普段のルイなら骨なんか利用しないからな」
何気にリッカさんも楽しそうじゃないですか?
「骨だけじゃないよね? 劣化はしてるだろうけど、床に広がってる赤黒い血液も利用してるよ」
「ま、俺達じゃ使えない魔法なのは確かだ」
二人の会話も怖いんだけどよ。つまり、ルイを怒らせたら怖いとか思ってたけどさ、真実だったんだな。
『物質変化まで行えるのか。普通の魔法使いではないな』
「今に始まったことじゃないよ」
今はルイに近づかない方が無難な気がする。だってさ、ルイの前で沈んでる霊体が霊体なのに青みを増してるよ。それって、恐怖からだろう?!
「話は捕らえてからするよ。勿論、吐き出すまであらゆる手段をとらせてもらうけどね」
……オレは誓った。絶対、ルイを怒らせないようにしよう。自分自身のために。
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