銀の鳥籠

善奈美

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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編

161 魔法使いは魔法使い

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 卵の一族の霊体達がルイが語る説明をおとなしく聞いてくれた。屋敷の敷地一帯を覆っていた結界が解かれたことはすぐに分かったと言い、理由があるとも理解していたと。
 
 魔力の強い魔法使いが減り続けていること。このままでは精霊達の助けを得られなくなり、卵を作ることができなくなること。精霊王の要請で卵の魔法使いの一族の魂を所望されたこと。そして、代わりの魔法使いが精霊王と契約し、卵を作ることになったこと。ルイはオレとルイが契約先であることをあえて言わなかった。
 
『そいつから音を遮断できないか。どちらの音もという意味でだが』
「なぜ?」
『訊きたいことがある。その問いをすれば確実に騒ぎ出すからな』
 
 そう問いかけてきたのは目の前にいる霊体で、代表者になるのか?
 
『儂がサービスで遮断してやる』
 
 ウィルの爺ちゃん太っ腹だな!
 
『ウィル オ ウィプス?』
「大量の魂の嘆きに、仕事に来た真面目なやつだよ」
 
 リッカが憮然と言い切る。
 
『鍵の魔法使い?』
「そうだ」
「何が訊きたいの?」
 
 ウィルの爺ちゃんが銀の鳥籠に囚われた霊体から音を奪うのを確認してから問い掛けた。
 
『卵の魔法使いに指名されたのはお前達二人だろう?』
「どうしてそう思うの?」
『簡単だ。卵は陰と陽二つの魔力と、四元素を構成する媒介が必要だ。我々は使い魔を使わずに一族の人間でそれを補っていた』
 
 それって……。
 
『初代は使い魔を使っていたようだが、代を重ね使い魔が変わるとそれもできなくなった。ただ、一族の人間はそれなりの人数がいたから、魔法使いがそれを補う形になったんだ』
 
 卵は四人の魔法使いが作っていたのか。
 
『四大精霊王が再契約に同意するとは考えられない。我々は契約を違えた』
「貴方が?」
 
 ルイは疑問に思ったんだろうな。そう、問い掛けた。だが、目の前の霊体は緩く首を振る。
 
『年若い魔法使いを拐かした。気が付いたときには、歪んだ卵を同性の夫婦の魔法使いに手渡したあとだったんだ。それも、魔法使いの中で筆頭と呼ばれる強い魔力の魔法使いの一族だ。慌てたが時すでに遅かった。育ち始めた卵をどうにかする術を我々は持ち合わせていない』
 
 そう言うと、目の前に集まっていた霊体達がルイに頭を下げた。何がどうなってんだよ?
 
『謝ってすむことではない。貴方はその歪んだ卵から孵化した魔法使いの血族ではないのか? あの哀れな子がどうなったのか、我々は閉じ込められ知ることはできなかった』
 
 頭を上げた魔法使いが真摯な視線をルイに向ける。ルイは小さく息を吐き出した。
 
「あの人は人であることをやめてしまっていたよ。いまは魔法省の地下で魔力の供給源になってる」
 
 でもさ、一つ疑問なんだよな。どうしてルイが、血族だって分かったんだ?
 
「どうしたの?」
「あのさ。どうしてルイが血族だって分かるんだよ?」
 
 オレの疑問になぜか、ウィルの爺ちゃん以外が目を見開く。
 
「あの人の姿を見たでしょう?」
 
 コウガの言葉に頷く。確かに見たけどさ。
 
「見た目年齢はかなり違ったと思うけど、そっくりだったでしょう? 見た目だけじゃなく、魔力もだけどね」
 
 そうか! 両手を打って納得したオレに、周りが脱力。その態度、酷くねぇ?
 
『随分と変わった魔法使いだな』
「魔法使い二年目だから」
 
 オレが面っと言ってのける。まあ、生まれた時から魔法使いだったんだろうけど、本人が認識したのは二年くらい前だからさ。
 
『魔法使いは生まれたときから魔法使いだと思うが』
 
 うん。当たり前のこと返された。納得はできるけどさ。
 
 
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