銀の鳥籠

善奈美

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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編

162 正直なのも考えもの

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 ルイの説明に納得した卵の魔法使いの一族は、抵抗ないまま瓶の中に収まってくれた。さすがのルイも瓶の中に大量に押し込まれる魂のことを考えたのか、オレが精霊に魔法をかけた時のように丸い石の姿に変えた。よく見ると石の中で丸くなってる。あえて言うなら胎児のような姿だ。
 
 ただ、彼等が一番気にしていたのが、屋敷内に閉じ込められた、理不尽に命を奪われた人々の魂だった。穢れた場所に縫い留められ、そのままでは上がっていくこともできない。それについてはオレがなんとかするとルイが説明した。まあ、立ってるだけで浄化はできてるみてぇだけど、この屋敷と敷地の広さでは魔法を使わないと駄目だよな。
 
「とりあえず解決だね」
 
 コウガが短息する。確かに解決だけどさ、鳥籠の中の霊体がなにやら喚き散らしてる。ウィルの爺ちゃんは煩いだろうと思ってるのか、籠内とこちら側を遮断したままにしてくれてる。なんとなく、何が起こってるのか察し始めたんだろうけどさ。
 
「サクヤに浄化はしてもらうけど、建物や遺骨の処理は魔法省に託すよ。そのままにしておくことは今後のことを考えると駄目だって分かるだろうし」
「当たり前だ。まさか、ここまで酷いことになってるとは思ってなかった」
 
 リッカが苛ついたように吐き捨てた。まあ、中の惨状に吃驚だったけどさ。人の好奇心は危険な場所にすら足を向けるからな。オレだったら絶対近付かないけどな。昔からその手の感は外れたことねぇし。まあ、寄ってくるのは、おかしな感じの霊体じゃなかったしな。今考えると、不浄な霊体は俺に近付いたら消されてたんだろうけどさ。
 
「長老に報告して、魔法大臣経由でその道のプロが片付けるだろう」
『魂は儂が導いてやる』
「それがお前の仕事だろうが」
 
 リッカの苛つきがピークだな。
 
『そのあとはお前の傍にいてやろう』
 
 ウィルの爺ちゃんの言葉に目を見開いたのは当然リッカ。ありえない言葉だったんだろうな。あからさまに表情が歪んでるし。
 
「必要ない!」
『儂はもう決めた。お前の傍は楽しそうだ』
「そんなわけがあるか?! 楽しいのは確実にこっちの二人だ!」
 
 リッカさ、人を指差すのやめてくんね? それに、オレとルイの傍は楽しくなんかねぇよ。厄介事が集まってきてるだけだしさ。
 
「良かったじゃない。精霊? 妖精? まあ、どっちにしても加護を得られるのは良いことなんだし」
「魂の導き手に好かれたって、良いことないだろうが! 逆に利用されるのがオチだろう!」
 
 リッカの言ってることは間違ってねぇよな。オレとルイの使い魔がいい例だしさ。まあ、ある程度は守ってくれると思うけど。
 
「不毛な言い争いは放っておいて、ここ一帯の浄化が先だよ」
「それは良いけどさ。オレ、倒れるかもよ」
「どうして?」
「一部屋なら簡単だけどさ。こう、広範囲だとそれなりの魔法を使わないといけないしさ」
 
 そうだよな。ルイは浄化は専門外だもんな。でもよ、なぜかルイの知識の中にあったりするんだよな。本当に無差別に吸収してたんだな、ルイの魔力は。
 
「結構、魔力を使うと思う。無理するつもりはねぇけど、中途半端にしたら、変なモノが集まってくると思うんだよな?」
 
 一度、負のモノを集めた場所って変化しててさ、似たようなものを引き寄せんだって。やるなら徹底的にだ。
 
『分かってるな、変わった魔法使い』
 
 ウィルの爺ちゃん、それ褒めてんのかよ?
 
「じ……、ウィル オ ウィプスも仕事してくれよな」
 
 危ねぇ……、爺ちゃん言うところだった。
 
『分かっておる。あと、爺ちゃんと言われても不快感はないから安心しろ』
 
 あっ、バレてた! オレ、焦りが顔に出てたんだな。自分の正直さに、グッタリする。
 
 
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