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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
164 呼び出し
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寮に帰ると部屋の中で喚いている声が一つ。まあ、考えなくても分かるんだけどさ。で、ウィルの爺ちゃんはリッカについてった。リッカは嫌そうに眉を顰めたけど、コウガが楽しそうに許可してたんだよな。
リッカは鍵の一族で、精霊や妖精の加護が得られると、何かと便利なんだとか。まあ、リッカとウィルの爺ちゃんは噛み合ってねぇからなぁ。大丈夫かな?
ルイは喚き声の場所まで無言で歩き、指を鳴らして杖を出すと無言で振った。待て、声出さなくても魔法が使えるのかよ? しかも、使った魔法がかなりえげつなくないか? 霊体にぐるぐる縄のようなものが巻き付いてる。しかも口にはガムテープのようなもの。容赦なく目も隠してやがる。怒りは収まってねぇのか……。
「なに?」
「ここまでしなくてもいいんじゃね?」
「緩いよ。サクヤを狙うなんてとんでもない」
オレ、人の恨みを買うような行動は絶対とらねぇ。そんなことして窮地に立ったら、ルイがなにするか分からねえ!
学年末のテストが終わって(なんとか一般教養はギリギリでクリアした!)、冷たい空気が緩んでいく。卵の魔法使いが閉じ込められていた場所は季節感が全くなかったんだけど、冬なんだよな。おそらく、あいつの魔力で季節そのものが固定されてたんだろうな。春は目の前で、でも、標高が高い位置に学校があるから、なかなか寒さが抜けねぇ。
同じベッドで眠るのにも慣れたから、寒いと人肌ってあったかいんだよな。逆に夏は辛いんだけど、ここはあまり暑くならないから助かってる。
朝目が覚めて、ベッドの上でボーッと座っていたら、ルイが慌てたようにオレに服を着るように言ってきた。なんでだよ。逆らうと怖いから素直に着るけどさ。
「着替えた?」
「着替えたけど?」
どうして、卵の魔法使いの一族の魂の入った瓶と、あの煩い霊体の入ってる籠を持ってんだよ? よく見るとルイの右肩に小鳥の姿。左肩にクレナイ。ルイはいつものようにオレの頭にベニを乗せる。そして、キンとギンを抱きかかえるように言ってきた。
「連絡が来たんだ。要求していたものを捕獲できたのかって」
「それって」
「前と違って急には召喚されなかったんだよ」
確かに急に召喚されて、折角、捕らえた魂を持っていかないのは間抜けだ。
「今回はさすがに行方不明になるわけにはいかないし、学校側と私の両親には連絡したよ。魔法省の方には両親から話してもらうから」
「前は一週間だもんな」
「そう、今回はそれだけじゃ済まないだろうし」
一般教養、どうしてくれんだよ。なんとか進級はできたけどさ。また、ついていけなくなったらどうすんだよ?
「勉強は私が遅れた分を教えてあげるから」
「……お願いします」
本当に泣きたくなる。オレは学生で社会人じゃねぇんだけど。生徒らしい生活から、遠去かってってるだろう!
キンとギンを持ち上げて、きちんと抱えた。
「二匹もこのサイズは見納めかもね」
ルイはそう言うとギンの頭を軽く撫でた。キンはジッとルイを見上げたけど、主じゃないからか主張はしなかった。でも、撫でて欲しかったんだろうな。ルイもそれが分かったのか苦笑い。少し乱暴にルイがキンの頭を撫でる。驚いたように耳をパシパシと動かすし。
「ガウ」
抗議してるんじゃないところが笑える。
「どうやって移動すんだよ。あの場所、分らねぇだろう?」
『安心しろ。私が運んでやる』
この、なんとも偉そうな物言いは、何処から聞こえてくるんだ?
『ユグドラシルの庭に』
ルイの右肩の小鳥が喋ってる、そう気が付いたときには、視界は白色に染まっていた。
リッカは鍵の一族で、精霊や妖精の加護が得られると、何かと便利なんだとか。まあ、リッカとウィルの爺ちゃんは噛み合ってねぇからなぁ。大丈夫かな?
ルイは喚き声の場所まで無言で歩き、指を鳴らして杖を出すと無言で振った。待て、声出さなくても魔法が使えるのかよ? しかも、使った魔法がかなりえげつなくないか? 霊体にぐるぐる縄のようなものが巻き付いてる。しかも口にはガムテープのようなもの。容赦なく目も隠してやがる。怒りは収まってねぇのか……。
「なに?」
「ここまでしなくてもいいんじゃね?」
「緩いよ。サクヤを狙うなんてとんでもない」
オレ、人の恨みを買うような行動は絶対とらねぇ。そんなことして窮地に立ったら、ルイがなにするか分からねえ!
学年末のテストが終わって(なんとか一般教養はギリギリでクリアした!)、冷たい空気が緩んでいく。卵の魔法使いが閉じ込められていた場所は季節感が全くなかったんだけど、冬なんだよな。おそらく、あいつの魔力で季節そのものが固定されてたんだろうな。春は目の前で、でも、標高が高い位置に学校があるから、なかなか寒さが抜けねぇ。
同じベッドで眠るのにも慣れたから、寒いと人肌ってあったかいんだよな。逆に夏は辛いんだけど、ここはあまり暑くならないから助かってる。
朝目が覚めて、ベッドの上でボーッと座っていたら、ルイが慌てたようにオレに服を着るように言ってきた。なんでだよ。逆らうと怖いから素直に着るけどさ。
「着替えた?」
「着替えたけど?」
どうして、卵の魔法使いの一族の魂の入った瓶と、あの煩い霊体の入ってる籠を持ってんだよ? よく見るとルイの右肩に小鳥の姿。左肩にクレナイ。ルイはいつものようにオレの頭にベニを乗せる。そして、キンとギンを抱きかかえるように言ってきた。
「連絡が来たんだ。要求していたものを捕獲できたのかって」
「それって」
「前と違って急には召喚されなかったんだよ」
確かに急に召喚されて、折角、捕らえた魂を持っていかないのは間抜けだ。
「今回はさすがに行方不明になるわけにはいかないし、学校側と私の両親には連絡したよ。魔法省の方には両親から話してもらうから」
「前は一週間だもんな」
「そう、今回はそれだけじゃ済まないだろうし」
一般教養、どうしてくれんだよ。なんとか進級はできたけどさ。また、ついていけなくなったらどうすんだよ?
「勉強は私が遅れた分を教えてあげるから」
「……お願いします」
本当に泣きたくなる。オレは学生で社会人じゃねぇんだけど。生徒らしい生活から、遠去かってってるだろう!
キンとギンを持ち上げて、きちんと抱えた。
「二匹もこのサイズは見納めかもね」
ルイはそう言うとギンの頭を軽く撫でた。キンはジッとルイを見上げたけど、主じゃないからか主張はしなかった。でも、撫でて欲しかったんだろうな。ルイもそれが分かったのか苦笑い。少し乱暴にルイがキンの頭を撫でる。驚いたように耳をパシパシと動かすし。
「ガウ」
抗議してるんじゃないところが笑える。
「どうやって移動すんだよ。あの場所、分らねぇだろう?」
『安心しろ。私が運んでやる』
この、なんとも偉そうな物言いは、何処から聞こえてくるんだ?
『ユグドラシルの庭に』
ルイの右肩の小鳥が喋ってる、そう気が付いたときには、視界は白色に染まっていた。
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