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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
171 最初の贈り物
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あの後、何度否定しても、無敵の微笑みで有無を言わせなかったルイ。極め付けはお店の人の懇願。まさに懇願だった。どうしてそこに拘るのだと問えば、オレ、と言う付加価値が今後の店としての箔につながるって。どういうことだ!
「私達は良くも悪くも有名人だからね」
「……それって……」
「魔法界ではかなりの認知度だと思うよ。そのおかげで、サクヤが襲われることはないと思うけど」
オレ的には有名になりたくないんだけど。
「私は生まれた時から望んでいないのにかなりの認知度だったし。サクヤは高等部に入る年齢まで隠されてて、稀な存在だってことで注目の的だったしね」
「隠されてると珍しいことなのかよ?」
「珍しいよ。隠されたってことは、魔法使いにとって魅力的な魔力を持ってるってことだから」
結局、店の人の涙目攻撃にオレは屈した。使われる場所がカタログの表紙とポスターですって、それだけは勘弁して欲しいと言えば、売り上げに貢献してください! って力説された。オレなんて売り上げアップ効果はねぇから!
店内の別のフロアーに向かうと確かに、普通の服も取り扱ってた。使ってる素材が今までオレが着ていたものと明らかに違うから。
「ご両親に何か購入する?」
「女物もあるのか?」
「ウェディングは男専門だけど、ここのフロアーは男女だよ。店内では繋がってるけど、入り口は別にあるんだ」
確かに女の人の姿が見える。
「よくよく考えたら、両親に何か買ったことねぇよ」
金銭的なものもあるけどさ。
「好みは?」
「母さんは可愛いものがとりあえず好きで、父さんは拘りねぇ」
ルイが思案顔。なんだ?
「私にちょっと考えがあるんだ。とりあえず、私達の服を買おう」
パッと見た感じ、ウェディングドレスのような装飾的な服はない。シンプルなものが多い。色や素材を生かすようなデザインばかりだ。数点選び購入した後、ルイが向かったのはいつぞやの宝飾店。待てよ。それこそ、うちの親、気にしない分野だ。
「ルイ!」
「装飾品を買うんじゃないから安心して。ここの品物が一番信用できるからだよ」
店の中に躊躇いなく入って行ったルイの後を追う。ルイが手に取ったのは涙型の石がついたシンプルなペンダント。本当にシンプル。金具に細かい模様を彫り込んであるし、チェーンも丁寧な作りだけどさ。
「これがなんだよ?」
「このペンダントは魔力を込めるものなんだよ」
「へ?」
「魔力をコントロールできない子供の魔法使いが使う水晶を覚えているでしょう?」
オレは素直に頷いた。
「あれの小型版だよ。ただ、この水晶は一度込めると魔力が霧散するまで入れることができない代物なんだよ」
「それをどうすんだよ?」
「ご両親はサクヤの影響で病気になりにくかったし、怪我の治りも早かったんだ。二、三年なら溜め込んだサクヤの魔力で効果はあっても、持続性はないんだよ」
それって……。
「サクヤは離れて暮らすことになるし、そうなると魔力の恩恵をご両親は受けることができなくなるんだ」
ルイから手渡されたペンダントを手に取る。本当に装飾品としては地味な見た目。水晶もただの水晶。
「オレがこれに魔力を込めて、親に贈ったら?」
「水晶の中に込められたサクヤの魔力で、近くにいるような効果が得られる。定期的に込め直す必要はあるけどね」
オレって便利なんだな。初めてそう思った。じゃあさ。
「ルイの両親にも贈っていいか?」
「サクヤ?」
「危険じゃなくなったけどさ、料理って怪我がつきもんじゃねぇの? 刃物を使うしさ」
オレの親だけじゃねぇよ。ルイの親もオレにとったら親と同じだ。同性だけど結婚してんだし。ルイは少し驚いた顔をしたけど、すぐに笑みを向けてきた。
「そうだね。喜ぶと思うよ」
ルイは噛み締めるようにそう言った。
「私達は良くも悪くも有名人だからね」
「……それって……」
「魔法界ではかなりの認知度だと思うよ。そのおかげで、サクヤが襲われることはないと思うけど」
オレ的には有名になりたくないんだけど。
「私は生まれた時から望んでいないのにかなりの認知度だったし。サクヤは高等部に入る年齢まで隠されてて、稀な存在だってことで注目の的だったしね」
「隠されてると珍しいことなのかよ?」
「珍しいよ。隠されたってことは、魔法使いにとって魅力的な魔力を持ってるってことだから」
結局、店の人の涙目攻撃にオレは屈した。使われる場所がカタログの表紙とポスターですって、それだけは勘弁して欲しいと言えば、売り上げに貢献してください! って力説された。オレなんて売り上げアップ効果はねぇから!
店内の別のフロアーに向かうと確かに、普通の服も取り扱ってた。使ってる素材が今までオレが着ていたものと明らかに違うから。
「ご両親に何か購入する?」
「女物もあるのか?」
「ウェディングは男専門だけど、ここのフロアーは男女だよ。店内では繋がってるけど、入り口は別にあるんだ」
確かに女の人の姿が見える。
「よくよく考えたら、両親に何か買ったことねぇよ」
金銭的なものもあるけどさ。
「好みは?」
「母さんは可愛いものがとりあえず好きで、父さんは拘りねぇ」
ルイが思案顔。なんだ?
「私にちょっと考えがあるんだ。とりあえず、私達の服を買おう」
パッと見た感じ、ウェディングドレスのような装飾的な服はない。シンプルなものが多い。色や素材を生かすようなデザインばかりだ。数点選び購入した後、ルイが向かったのはいつぞやの宝飾店。待てよ。それこそ、うちの親、気にしない分野だ。
「ルイ!」
「装飾品を買うんじゃないから安心して。ここの品物が一番信用できるからだよ」
店の中に躊躇いなく入って行ったルイの後を追う。ルイが手に取ったのは涙型の石がついたシンプルなペンダント。本当にシンプル。金具に細かい模様を彫り込んであるし、チェーンも丁寧な作りだけどさ。
「これがなんだよ?」
「このペンダントは魔力を込めるものなんだよ」
「へ?」
「魔力をコントロールできない子供の魔法使いが使う水晶を覚えているでしょう?」
オレは素直に頷いた。
「あれの小型版だよ。ただ、この水晶は一度込めると魔力が霧散するまで入れることができない代物なんだよ」
「それをどうすんだよ?」
「ご両親はサクヤの影響で病気になりにくかったし、怪我の治りも早かったんだ。二、三年なら溜め込んだサクヤの魔力で効果はあっても、持続性はないんだよ」
それって……。
「サクヤは離れて暮らすことになるし、そうなると魔力の恩恵をご両親は受けることができなくなるんだ」
ルイから手渡されたペンダントを手に取る。本当に装飾品としては地味な見た目。水晶もただの水晶。
「オレがこれに魔力を込めて、親に贈ったら?」
「水晶の中に込められたサクヤの魔力で、近くにいるような効果が得られる。定期的に込め直す必要はあるけどね」
オレって便利なんだな。初めてそう思った。じゃあさ。
「ルイの両親にも贈っていいか?」
「サクヤ?」
「危険じゃなくなったけどさ、料理って怪我がつきもんじゃねぇの? 刃物を使うしさ」
オレの親だけじゃねぇよ。ルイの親もオレにとったら親と同じだ。同性だけど結婚してんだし。ルイは少し驚いた顔をしたけど、すぐに笑みを向けてきた。
「そうだね。喜ぶと思うよ」
ルイは噛み締めるようにそう言った。
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