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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
192 交差
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セイトと風紀委員長のことも気になるけど、それ以上に副会長のことが気になった。オレの魔力を込めたペンダントを渡して、夜明け前、三人で送り出した。軽い調子で、でも、かなりの装備で出掛けて行った副会長。信用はしてるし、帰ってくるって自信はあっても、それが本当の意味で無事かははっきり言って分からない。
あの日からユエは無口で、それを心配したセイトが特Aのクラスに入り浸ってる。本来なら普通クラスの生徒が入るのは御法度だけど、セイトは本来、特Aに移るはずだったから、見て見ぬ振りをされてる。
「三日経ったんだけど」
ルイに聞こえるくらいの声で、ボソリと呟いてみた。
「まだ、三日だよ。ドラゴンは納得しないと倒されてくれない」
は?! 今、おかしなことを言わなかったか?
「どう言うことだよ?」
「私の知識から学んでない? ドラゴンは魔法使い程度の攻撃力では倒れないよ。それに、魔法のスペシャリストだ。属性があるから、得意な魔法は決まってるけどね」
「それじゃあ……」
「ライカが向かった先にいるドラゴンは齢三千歳。かなりの高齢だよ。その辺にいる魔法使いなど足元にも及ばない経験と知識を持ってる。動きの鈍さは硬い皮膚と、魔法防御力が補ってくれる」
「そんな物が必要なのかよ」
「私達はあの人が開けた大穴を実際見てないからね。魔法大臣が危惧するくらいの大きさと、おそらくだけど、妖魔界側の繋がっている場所に問題があるんだと思うよ」
「あいつ、妖魔界のどこに穴開けたんだよ」
本当にどこまでいっても影響してくる。
「自分が認められていた場所、だろうね。そう考えると、力が全ての世界で妖魔を従えるほどの実力を持っていたなら、強い妖魔が住む地域に開けた可能性が高いよ」
溜め息しか出ねぇよ。本当に厄介者だよな! ……でも、元はと言えばあいつのせいってより、卵の魔法使いの好奇心のせいだよな。実験さえされなきゃ、魔力は強かったにしても、人格を破壊されるようなことにはならなかった。
「なにを考えてるのか分かるけどね」
ルイがポツリと呟く。
「確かに最初、あの人には非がなかったのかもしれない。でも、誕生した後に取った行動はあの人本人の責任だよ。魔力に人格が破壊されてくに任せたのは自分自身のせいなんだから」
ルイのどこか冷たい言葉に視線を向ける。
「私にしたら、自由に生きたあの人はある種の羨望に値するよ。確かに私はあの人と違って管理されたし、そのおかげで、私の持つ魔力が危険なんだって分かった。でもね。私自身が努力した部分もあるんだよ。結局は、本人が自覚しないと避けることもできない。癇癪を起こして逃げ出すことも実は可能だったしね」
感情を育てることを阻止されてたし、だからと言って感情がないってわけじゃねぇし。ルイがあの環境を受け入れていたから、何事もなかったんだ。ルイは努力してた。学校に上がる年齢に達して、いきなり変わった環境。それを受け入れる努力をしたのはルイだ。確かに副会長や書記や会計。風紀委員長と副委員長は協力してくれただろうけど。それはあくまで協力であって、本人の意識で全てが変わってく。
「あの人が取った行動で、多くの魔法使いが犠牲になって。魔法使いだけじゃなく、妖精にしても精霊にしても振り回されたんだ。この世界も大きな傷を負って。結局のところ、切っ掛けと、そのあとの人の有り様で全てが決まってく。サクヤのご先祖様が事前に手を打ってくれたことも。なにより、その言葉を信じた学友達も。本当なら誰よりも辛い立場だったかもしれない私達の杖を作った魔法使いも。今を構成する上で、必要不可欠だったんだよ」
それは分かってるけど。
「本来なら、私とサクヤの人生が交わることはなかったのかもしれないからね」
ルイの言葉にオレは息を呑んだ。
あの日からユエは無口で、それを心配したセイトが特Aのクラスに入り浸ってる。本来なら普通クラスの生徒が入るのは御法度だけど、セイトは本来、特Aに移るはずだったから、見て見ぬ振りをされてる。
「三日経ったんだけど」
ルイに聞こえるくらいの声で、ボソリと呟いてみた。
「まだ、三日だよ。ドラゴンは納得しないと倒されてくれない」
は?! 今、おかしなことを言わなかったか?
「どう言うことだよ?」
「私の知識から学んでない? ドラゴンは魔法使い程度の攻撃力では倒れないよ。それに、魔法のスペシャリストだ。属性があるから、得意な魔法は決まってるけどね」
「それじゃあ……」
「ライカが向かった先にいるドラゴンは齢三千歳。かなりの高齢だよ。その辺にいる魔法使いなど足元にも及ばない経験と知識を持ってる。動きの鈍さは硬い皮膚と、魔法防御力が補ってくれる」
「そんな物が必要なのかよ」
「私達はあの人が開けた大穴を実際見てないからね。魔法大臣が危惧するくらいの大きさと、おそらくだけど、妖魔界側の繋がっている場所に問題があるんだと思うよ」
「あいつ、妖魔界のどこに穴開けたんだよ」
本当にどこまでいっても影響してくる。
「自分が認められていた場所、だろうね。そう考えると、力が全ての世界で妖魔を従えるほどの実力を持っていたなら、強い妖魔が住む地域に開けた可能性が高いよ」
溜め息しか出ねぇよ。本当に厄介者だよな! ……でも、元はと言えばあいつのせいってより、卵の魔法使いの好奇心のせいだよな。実験さえされなきゃ、魔力は強かったにしても、人格を破壊されるようなことにはならなかった。
「なにを考えてるのか分かるけどね」
ルイがポツリと呟く。
「確かに最初、あの人には非がなかったのかもしれない。でも、誕生した後に取った行動はあの人本人の責任だよ。魔力に人格が破壊されてくに任せたのは自分自身のせいなんだから」
ルイのどこか冷たい言葉に視線を向ける。
「私にしたら、自由に生きたあの人はある種の羨望に値するよ。確かに私はあの人と違って管理されたし、そのおかげで、私の持つ魔力が危険なんだって分かった。でもね。私自身が努力した部分もあるんだよ。結局は、本人が自覚しないと避けることもできない。癇癪を起こして逃げ出すことも実は可能だったしね」
感情を育てることを阻止されてたし、だからと言って感情がないってわけじゃねぇし。ルイがあの環境を受け入れていたから、何事もなかったんだ。ルイは努力してた。学校に上がる年齢に達して、いきなり変わった環境。それを受け入れる努力をしたのはルイだ。確かに副会長や書記や会計。風紀委員長と副委員長は協力してくれただろうけど。それはあくまで協力であって、本人の意識で全てが変わってく。
「あの人が取った行動で、多くの魔法使いが犠牲になって。魔法使いだけじゃなく、妖精にしても精霊にしても振り回されたんだ。この世界も大きな傷を負って。結局のところ、切っ掛けと、そのあとの人の有り様で全てが決まってく。サクヤのご先祖様が事前に手を打ってくれたことも。なにより、その言葉を信じた学友達も。本当なら誰よりも辛い立場だったかもしれない私達の杖を作った魔法使いも。今を構成する上で、必要不可欠だったんだよ」
それは分かってるけど。
「本来なら、私とサクヤの人生が交わることはなかったのかもしれないからね」
ルイの言葉にオレは息を呑んだ。
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