銀の鳥籠

善奈美

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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編

208 絶えた血筋

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 せっかくの料理が冷めるってんで、卵達は椅子の上に置いて、食べ始めたオレ達。みんなの動きが止まる。どうしたんだ? ちなみに、オレとルイ、ユエとライカは通常通り、美味しいと言いながら食べていた。
 
「相変わらずの腕前だな」
 
 担任が一言。食べたことがあるのか? それとも、この店に来たことがあるのか?
 
「そうだね。クチバ先輩とクレハ先輩は学生時代から腕前がプロ級だったからね」
 
 ……やっぱりか。ルイも美味しいもんな。他のメンバーもどうやら美味しくて動きが止まってたみてぇ。そのあとは、無言で食べる。男だと食べ始めたら無言で掻っ込むよな。ある程度、お腹が満たされた頃、コウガが担任とツユハ先生に視線を向けた。
 
「ところで、先生達の卵って、どうして、校内で解けたんです?」
 
 コウガがなんとも言えない笑みで問い掛けた。
 
「説明しないと分からないのか?」
「なんとなく、想像はできますよ。ツユハ先生の性格も熟知してるしね」
「じゃあ、訊くな」
「でも、面白そうだし」
 
 ……コウガ、強者だな。
 
「楽しいことはないぞ。ただ単に、ツユハが持ち込んだ卵が、その場所で解けただけだ」
「つまり、お二人は卵が解けた姿を目にしていたってことですね」
 
 何が言いたいんだ?
 
「二人に頼みたいことがあるんだけど」
 
 コウガがオレとルイに視線を向けてきた。
 
「なに?」
「もしかして、卒業後、禁書庫の引越し整理の他に、何か仕事をしたりするの?」
「……まあ」
 
 さすがのルイも言葉を濁すよな。
 
「実はね。僕の一族に連なる血筋なんだけど、血が絶えた一族があるんだ」
「どう言うこと?」
「僕の一族は傍系なんだ。直系の血筋が絶えちゃったんだけど、もしかして、その、遺伝子を抱えた精霊がいる可能性があるんだよね?」
「守られていたらだよ。野ざらし状態だと捕食されてると思う」
「言われなくても分かってるよ。僕はその技や方法が才能の関係なのか全く扱えないんだ」
 
 コウガの直系の仕事ってなんだったんだ?
 
「魔獣召喚って知ってる?」
「知ってるもなにも、その血筋は……」
 
 担任が驚いたように目を見開く。
 
「お前がその血筋なのか?」
「そう」
「そうか。だから、その容姿か?」
 
 白髪に褐色の肌。確かに、この中じゃ違和感があるよな。
 
「僕の姿は直系の血を引いたんだけど、姿だけだったんだ。一族の館に連れて行かれて、ある場所の扉が開けば一族の念願は叶ったんだ」
 
 つまり、落胆されたんだな。でも、コウガは荒んでねぇってことは、また駄目だったくらいで、責められるとかはなかったんだろうな。
 
「最後の当主夫婦の卵が目の前で解けたって話が伝わっていて、もしかしたらって」
「さっきも言ったけど、守られていなければ捕食されてるよ」
「可能性はゼロじゃない。あの館は一族で守っていて、人が入り込まないようにすると同様に、魔の物も入れないようにしてあるんだ」
 
 つまり、結界が張ってあるのかよ。
 
「もし、精霊がいたとして、直ぐに卵を渡すことができると言うわけじゃないよ。魔法省の方で調整をするはずだからね」
「それは分かってる。ただ、いるかどうかを知りたいんだ。いるなら、いつかは育てて一族の技を継いで欲しいから」
 
 コウガの表情に、ルイだけじゃなくリッカも小さく息を吐き出した。コウガって、何気に頑固なのか? 調べて捕獲する分には問題ねぇと思うけどさ。それにしても、もしかして、直系が絶えて、傍系が細々と血筋を継いでるパターンがたくさんあるように感じるのはオレだけか? ルイに視線を向けたら、思いっきり苦笑いされた。やっぱり、そうなのかよ……。
 
 
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