215 / 281
銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
215 一刻を争う?
しおりを挟む
まさか、こんなことになるとは思わなかったんだけど。ベニが一鳴きして元のサイズに戻り、オレの左肩に鎮座。二人で小さく息を吐き出して、詠唱を開始する。やっぱり、状況を察してたんだろうな。周りにいる精霊の数が半端ない。それも、根元の精霊王に属する精霊だ。オレとルイの足元にそれぞれ浮かび上がった光の魔方陣。火の鳥二羽と魔狼二匹が淡い光に包まれる。
その中央に小さめの魔法陣が出現する。その上に淡い光が発生して、周りの精霊を飲み込み始める。気のせいか、体の中の何かがこの魔法に反応してる。驚いてルイを見ると、ルイは分かっているのか小さく頷いた。ユグドラシルが言っていた、マナの樹が助けてくれる。その言葉の意味をやっと理解する。種はただ、保管と印を目的としてるだけじゃねぇって。卵を作るときにオレ達を補助するように働いてくれる。
精霊を飲み込み凝縮したモノがポッカリと魔法陣の上に出現する。半透明の鶏の卵に似た力の塊。そっと両手を差し出すと、オレの手の上にふんわりと降りてきた。
「いつ見ても鶏の卵だよな」
「まあね。でも、成長を始めると大きくなるんだよ」
卵が成長しないと中が大きくなれないよな。
『本当に作り出すとはな。しかも、前のものより強い力を宿している。どの精霊王と契約した』
「それはここでは教えられないよ。私達も我が身が大事だからね」
根元の精霊王ユグドラシル。今ではマナの大樹は別の次元に存在している。独占されないように。そのマナの大樹の種がオレとルイの中で息衝いてる。
「キュウ」
「探す手間省けたかも」
ユラユラと近付いてくる気配。これ、遺伝子を抱えた精霊だ。
「これ、持っててくれよ」
ルイに卵を差し出したんだけど、なぜか躊躇う。どうしたんだよ?
「私が持っても大丈夫?」
何の心配してんだよ。ルイも一緒に作ってるんだから問題ねぇだろう。
「こいつはただの入れ物だろう?! 破壊の魔力が侵食なんかするかよ。オレ達が誓約した精霊王はそんなヘマしねぇだろ?」
おっかなびっくり卵を手にしたルイ。なぜか命に関わりがあるモノを手にしたがらねぇよな。
「大臣は誰が育てるか決めてくれよな。今から捕獲するからさ」
オレの言葉に周りの魔法使いだけじゃなく、守護獣や魔獣も驚いたような表情をした。魔獣が驚くってことは移動してきてることに気がついてねぇんだな。本来は解けた場所から動かねぇんだし。
小さく息を吐き出し、ゆっくり詠唱を開始する。慌てたら駄目だ。この精霊、前の二つの精霊より弱い。そのまま浮遊していた時間が長すぎたんだ。魔獣達に守られていたから、存在できてたに過ぎねぇ。
オレの目の前で弱々しい光が何とか球体を確保する。コロリと手のひらに落ちてきた精霊は、限界いっぱいいっぱいであったことを知る。つまり、魔力の強さも関係があるんだろうけど、精霊として存在していた期間が長ければ、自然消滅する可能性があるってことかよ。
「サクヤ?!」
何の躊躇いもなく卵に精霊を投入したオレ。本来なら飛び出してくる核の精霊が出てこない。つまり、入れた精霊と核の精霊が融合したんだよな。そのままじゃ、孵化まで持っていけねぇのか。
「核の精霊は?」
「多分、融合したんじゃね? 何とか存在してたみたいだしさ。卵の中の核の精霊が入ってきた遺伝子を抱えた精霊を補助したんだよ」
「もしかして、すぐに投入したのって?」
「危なかったから、確認取らずに投入したんだ」
もう少し遅かったら、危なかったよな。卵がほんのり色付いて、成長を始めたことが確認できた。この作業、もしかして、初めにしねぇとヤバいんじゃねぇの?
その中央に小さめの魔法陣が出現する。その上に淡い光が発生して、周りの精霊を飲み込み始める。気のせいか、体の中の何かがこの魔法に反応してる。驚いてルイを見ると、ルイは分かっているのか小さく頷いた。ユグドラシルが言っていた、マナの樹が助けてくれる。その言葉の意味をやっと理解する。種はただ、保管と印を目的としてるだけじゃねぇって。卵を作るときにオレ達を補助するように働いてくれる。
精霊を飲み込み凝縮したモノがポッカリと魔法陣の上に出現する。半透明の鶏の卵に似た力の塊。そっと両手を差し出すと、オレの手の上にふんわりと降りてきた。
「いつ見ても鶏の卵だよな」
「まあね。でも、成長を始めると大きくなるんだよ」
卵が成長しないと中が大きくなれないよな。
『本当に作り出すとはな。しかも、前のものより強い力を宿している。どの精霊王と契約した』
「それはここでは教えられないよ。私達も我が身が大事だからね」
根元の精霊王ユグドラシル。今ではマナの大樹は別の次元に存在している。独占されないように。そのマナの大樹の種がオレとルイの中で息衝いてる。
「キュウ」
「探す手間省けたかも」
ユラユラと近付いてくる気配。これ、遺伝子を抱えた精霊だ。
「これ、持っててくれよ」
ルイに卵を差し出したんだけど、なぜか躊躇う。どうしたんだよ?
「私が持っても大丈夫?」
何の心配してんだよ。ルイも一緒に作ってるんだから問題ねぇだろう。
「こいつはただの入れ物だろう?! 破壊の魔力が侵食なんかするかよ。オレ達が誓約した精霊王はそんなヘマしねぇだろ?」
おっかなびっくり卵を手にしたルイ。なぜか命に関わりがあるモノを手にしたがらねぇよな。
「大臣は誰が育てるか決めてくれよな。今から捕獲するからさ」
オレの言葉に周りの魔法使いだけじゃなく、守護獣や魔獣も驚いたような表情をした。魔獣が驚くってことは移動してきてることに気がついてねぇんだな。本来は解けた場所から動かねぇんだし。
小さく息を吐き出し、ゆっくり詠唱を開始する。慌てたら駄目だ。この精霊、前の二つの精霊より弱い。そのまま浮遊していた時間が長すぎたんだ。魔獣達に守られていたから、存在できてたに過ぎねぇ。
オレの目の前で弱々しい光が何とか球体を確保する。コロリと手のひらに落ちてきた精霊は、限界いっぱいいっぱいであったことを知る。つまり、魔力の強さも関係があるんだろうけど、精霊として存在していた期間が長ければ、自然消滅する可能性があるってことかよ。
「サクヤ?!」
何の躊躇いもなく卵に精霊を投入したオレ。本来なら飛び出してくる核の精霊が出てこない。つまり、入れた精霊と核の精霊が融合したんだよな。そのままじゃ、孵化まで持っていけねぇのか。
「核の精霊は?」
「多分、融合したんじゃね? 何とか存在してたみたいだしさ。卵の中の核の精霊が入ってきた遺伝子を抱えた精霊を補助したんだよ」
「もしかして、すぐに投入したのって?」
「危なかったから、確認取らずに投入したんだ」
もう少し遅かったら、危なかったよな。卵がほんのり色付いて、成長を始めたことが確認できた。この作業、もしかして、初めにしねぇとヤバいんじゃねぇの?
10
あなたにおすすめの小説
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
ふたなり治験棟 企画12月31公開
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
神官姫と最強最弱の王
深也糸
BL
アズカヴァル国の王、リヴェラ・ライト・アズカヴァルは十八歳になり、成人したことで妃を娶らなければならなかった。
隣国のリゼルハイドの姫、シファ・ヴィオラ・リゼルハイドはリヴェラと娶せられるためにアズカヴァルに逗留することになる。リヴェラに城の中を案内してもらい親睦を深めようとするが、早々に男だとバレてしまい……。
※週一回 マイペース更新
兄弟カフェ 〜僕達の関係は誰にも邪魔できない〜
紅夜チャンプル
BL
ある街にイケメン兄弟が経営するお洒落なカフェ「セプタンブル」がある。真面目で優しい兄の碧人(あおと)、明るく爽やかな弟の健人(けんと)。2人は今日も多くの女性客に素敵なひとときを提供する。
ただし‥‥家に帰った2人の本当の姿はお互いを愛し、甘い時間を過ごす兄弟であった。お店では「兄貴」「健人」と呼び合うのに対し、家では「あお兄」「ケン」と呼んでぎゅっと抱き合って眠りにつく。
そんな2人の前に現れたのは、大学生の幸成(ゆきなり)。純粋そうな彼との出会いにより兄弟の関係は‥‥?
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる