銀の鳥籠

善奈美

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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編

219 言い値

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 魔法省に乗り込んできたのはライカ、だった。まあ、無理難題押し付けられたんだから、仕方ねぇと思うけど。
 
「あの水晶は簡単に手に入るものじゃないんだよ」
 
 腕を組んで半眼で、しかも、黒づくめ。髪の毛も黒いし長いから凄い迫力。
 
「知ってるよ。その、少ない水晶を使って作ったのはライカでしょう? それに、あの水晶にサクヤの魔力を込めたら効果覿面だったんだから」
「成功だった?」
「申し分なく」
 
 ライカが思案顔だな。何考えてるんだ?
 
「水晶は基本的に浄化作用があるからね。金額に拘らないなら、少し遠出して更に希少価値の高い水晶を取ってこれるけど」
「数は?」
「少ないと思うけど、大きな結晶群のある場所を知ってるからね」
 
 この二人は本当に異星人だよな。見た感じ深刻な話をしているように見えねぇんだけど、内容はかなり凄いんだよ。ライカが金額について軽く流してっけど、高額って意味だよな。
 
「金額に関しては言い値で払うよ。私の安全に必要なんだから」
「やっぱり、禁書庫の負のエネルギーは凄いの?」
「そうだね。サクヤといる分には問題ないんだよ。あの最強に溜め込まれた負のエネルギーを簡単に浄化するんだから」
 
 いや、オレは基本的に何もしてねぇんだけど。ただ、指示に従って作業してるだけなんだけど。
 
「それで、遠いってどれくらい?」
「一月二月帰れないね」
「それ、ユエが耐えられるのかよ?」
 
 思わず口挟んじまったじゃねぇか!
 
「耐えられないかもしれないね。でも、危険が伴うとかではないし。少し山登りをして、採掘場所に行くだけではあるんだけど」
「魔法で移動は?」
「ちょっと無理なんだよ。山の麓までは移動できるんだけど。山の中の鉱物の影響なのか、少し磁場がおかしくてね。下手な魔法を使うと痛い目に合うんだよ」
 
 つまり、試したことがあるんだな。そうじゃねぇと、痛い目に合うとか分かんねぇよな。それに、一つ疑問があるんだよな。ユエは基本的に魔力が溜まり込んだとしてもなんとかなるだろう? でもさ、ライカは違うよな?
 
「一つ質問していいか?」
「なに?」
「魔力の循環はいいのかよ?」
 
 俺の言葉に軽く目を見開いたライカ。その後の表情が怖いんだけど。
 
「行く前も後もユエは大変な目に合うね」
 
 それはどう言うことですか?!
 
「何日か離さないってこと?」
 
 ルイが面っとライカに問う。
 
「週単位」
「週単位?!」
「と言うのは冗談で、二、三日離さないね。その話はユエにしてあるよ。離れることも多いからね」
 
 そうだよな。
 
「連れて行く選択はないの?」
「それは少し無理だよ。なんせ、隙あらば強奪しようとする輩がいなくなったわけじゃないんだし」
「そう言うこと」
「でもよ。ユエも自分の身くらい守れるだろう?」
 
 どうも、ライカにかかるとユエはか弱い女性扱いなんだよな。
 
「守れるとは思うけどね。それはあくまで一人で襲ってこられた場合でしょう? 大抵、徒党を組んで行動するんだからね」
 
 ……それは身をもって経験した。確かに一人では来ねぇよな。
 
「サクヤみたいに、あの人を一人で封印したっていう逸話があれば、逆に誰もよってはこないと思うけど。いくら、魅力的な魔力の持ち主でもね」
 
 あれはムカついたから成功したんだって! 通常の感覚じゃ、あんな痛くて辛いことすんのは無理だから!
 
「それで、どうするの?」
 
 ライカがルイに向き直る。
 
「お願いするよ。依頼は手に入るだけ。期間も手に入った段階でその都度、言い値で払わせてもらうよ」
「契約成立」
「お願い」
 
 ルイは言い値って言ってるけどさ、どれだけの金額がかかんだよ?あとが怖いんだけど……。
 
 
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