219 / 281
銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
219 言い値
しおりを挟む
魔法省に乗り込んできたのはライカ、だった。まあ、無理難題押し付けられたんだから、仕方ねぇと思うけど。
「あの水晶は簡単に手に入るものじゃないんだよ」
腕を組んで半眼で、しかも、黒づくめ。髪の毛も黒いし長いから凄い迫力。
「知ってるよ。その、少ない水晶を使って作ったのはライカでしょう? それに、あの水晶にサクヤの魔力を込めたら効果覿面だったんだから」
「成功だった?」
「申し分なく」
ライカが思案顔だな。何考えてるんだ?
「水晶は基本的に浄化作用があるからね。金額に拘らないなら、少し遠出して更に希少価値の高い水晶を取ってこれるけど」
「数は?」
「少ないと思うけど、大きな結晶群のある場所を知ってるからね」
この二人は本当に異星人だよな。見た感じ深刻な話をしているように見えねぇんだけど、内容はかなり凄いんだよ。ライカが金額について軽く流してっけど、高額って意味だよな。
「金額に関しては言い値で払うよ。私の安全に必要なんだから」
「やっぱり、禁書庫の負のエネルギーは凄いの?」
「そうだね。サクヤといる分には問題ないんだよ。あの最強に溜め込まれた負のエネルギーを簡単に浄化するんだから」
いや、オレは基本的に何もしてねぇんだけど。ただ、指示に従って作業してるだけなんだけど。
「それで、遠いってどれくらい?」
「一月二月帰れないね」
「それ、ユエが耐えられるのかよ?」
思わず口挟んじまったじゃねぇか!
「耐えられないかもしれないね。でも、危険が伴うとかではないし。少し山登りをして、採掘場所に行くだけではあるんだけど」
「魔法で移動は?」
「ちょっと無理なんだよ。山の麓までは移動できるんだけど。山の中の鉱物の影響なのか、少し磁場がおかしくてね。下手な魔法を使うと痛い目に合うんだよ」
つまり、試したことがあるんだな。そうじゃねぇと、痛い目に合うとか分かんねぇよな。それに、一つ疑問があるんだよな。ユエは基本的に魔力が溜まり込んだとしてもなんとかなるだろう? でもさ、ライカは違うよな?
「一つ質問していいか?」
「なに?」
「魔力の循環はいいのかよ?」
俺の言葉に軽く目を見開いたライカ。その後の表情が怖いんだけど。
「行く前も後もユエは大変な目に合うね」
それはどう言うことですか?!
「何日か離さないってこと?」
ルイが面っとライカに問う。
「週単位」
「週単位?!」
「と言うのは冗談で、二、三日離さないね。その話はユエにしてあるよ。離れることも多いからね」
そうだよな。
「連れて行く選択はないの?」
「それは少し無理だよ。なんせ、隙あらば強奪しようとする輩がいなくなったわけじゃないんだし」
「そう言うこと」
「でもよ。ユエも自分の身くらい守れるだろう?」
どうも、ライカにかかるとユエはか弱い女性扱いなんだよな。
「守れるとは思うけどね。それはあくまで一人で襲ってこられた場合でしょう? 大抵、徒党を組んで行動するんだからね」
……それは身をもって経験した。確かに一人では来ねぇよな。
「サクヤみたいに、あの人を一人で封印したっていう逸話があれば、逆に誰もよってはこないと思うけど。いくら、魅力的な魔力の持ち主でもね」
あれはムカついたから成功したんだって! 通常の感覚じゃ、あんな痛くて辛いことすんのは無理だから!
「それで、どうするの?」
ライカがルイに向き直る。
「お願いするよ。依頼は手に入るだけ。期間も手に入った段階でその都度、言い値で払わせてもらうよ」
「契約成立」
「お願い」
ルイは言い値って言ってるけどさ、どれだけの金額がかかんだよ?あとが怖いんだけど……。
「あの水晶は簡単に手に入るものじゃないんだよ」
腕を組んで半眼で、しかも、黒づくめ。髪の毛も黒いし長いから凄い迫力。
「知ってるよ。その、少ない水晶を使って作ったのはライカでしょう? それに、あの水晶にサクヤの魔力を込めたら効果覿面だったんだから」
「成功だった?」
「申し分なく」
ライカが思案顔だな。何考えてるんだ?
「水晶は基本的に浄化作用があるからね。金額に拘らないなら、少し遠出して更に希少価値の高い水晶を取ってこれるけど」
「数は?」
「少ないと思うけど、大きな結晶群のある場所を知ってるからね」
この二人は本当に異星人だよな。見た感じ深刻な話をしているように見えねぇんだけど、内容はかなり凄いんだよ。ライカが金額について軽く流してっけど、高額って意味だよな。
「金額に関しては言い値で払うよ。私の安全に必要なんだから」
「やっぱり、禁書庫の負のエネルギーは凄いの?」
「そうだね。サクヤといる分には問題ないんだよ。あの最強に溜め込まれた負のエネルギーを簡単に浄化するんだから」
いや、オレは基本的に何もしてねぇんだけど。ただ、指示に従って作業してるだけなんだけど。
「それで、遠いってどれくらい?」
「一月二月帰れないね」
「それ、ユエが耐えられるのかよ?」
思わず口挟んじまったじゃねぇか!
「耐えられないかもしれないね。でも、危険が伴うとかではないし。少し山登りをして、採掘場所に行くだけではあるんだけど」
「魔法で移動は?」
「ちょっと無理なんだよ。山の麓までは移動できるんだけど。山の中の鉱物の影響なのか、少し磁場がおかしくてね。下手な魔法を使うと痛い目に合うんだよ」
つまり、試したことがあるんだな。そうじゃねぇと、痛い目に合うとか分かんねぇよな。それに、一つ疑問があるんだよな。ユエは基本的に魔力が溜まり込んだとしてもなんとかなるだろう? でもさ、ライカは違うよな?
「一つ質問していいか?」
「なに?」
「魔力の循環はいいのかよ?」
俺の言葉に軽く目を見開いたライカ。その後の表情が怖いんだけど。
「行く前も後もユエは大変な目に合うね」
それはどう言うことですか?!
「何日か離さないってこと?」
ルイが面っとライカに問う。
「週単位」
「週単位?!」
「と言うのは冗談で、二、三日離さないね。その話はユエにしてあるよ。離れることも多いからね」
そうだよな。
「連れて行く選択はないの?」
「それは少し無理だよ。なんせ、隙あらば強奪しようとする輩がいなくなったわけじゃないんだし」
「そう言うこと」
「でもよ。ユエも自分の身くらい守れるだろう?」
どうも、ライカにかかるとユエはか弱い女性扱いなんだよな。
「守れるとは思うけどね。それはあくまで一人で襲ってこられた場合でしょう? 大抵、徒党を組んで行動するんだからね」
……それは身をもって経験した。確かに一人では来ねぇよな。
「サクヤみたいに、あの人を一人で封印したっていう逸話があれば、逆に誰もよってはこないと思うけど。いくら、魅力的な魔力の持ち主でもね」
あれはムカついたから成功したんだって! 通常の感覚じゃ、あんな痛くて辛いことすんのは無理だから!
「それで、どうするの?」
ライカがルイに向き直る。
「お願いするよ。依頼は手に入るだけ。期間も手に入った段階でその都度、言い値で払わせてもらうよ」
「契約成立」
「お願い」
ルイは言い値って言ってるけどさ、どれだけの金額がかかんだよ?あとが怖いんだけど……。
10
あなたにおすすめの小説
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
ふたなり治験棟 企画12月31公開
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
神官姫と最強最弱の王
深也糸
BL
アズカヴァル国の王、リヴェラ・ライト・アズカヴァルは十八歳になり、成人したことで妃を娶らなければならなかった。
隣国のリゼルハイドの姫、シファ・ヴィオラ・リゼルハイドはリヴェラと娶せられるためにアズカヴァルに逗留することになる。リヴェラに城の中を案内してもらい親睦を深めようとするが、早々に男だとバレてしまい……。
※週一回 マイペース更新
兄弟カフェ 〜僕達の関係は誰にも邪魔できない〜
紅夜チャンプル
BL
ある街にイケメン兄弟が経営するお洒落なカフェ「セプタンブル」がある。真面目で優しい兄の碧人(あおと)、明るく爽やかな弟の健人(けんと)。2人は今日も多くの女性客に素敵なひとときを提供する。
ただし‥‥家に帰った2人の本当の姿はお互いを愛し、甘い時間を過ごす兄弟であった。お店では「兄貴」「健人」と呼び合うのに対し、家では「あお兄」「ケン」と呼んでぎゅっと抱き合って眠りにつく。
そんな2人の前に現れたのは、大学生の幸成(ゆきなり)。純粋そうな彼との出会いにより兄弟の関係は‥‥?
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる