銀の鳥籠

善奈美

文字の大きさ
245 / 281
銀の鳥籠SS

003 疑問

しおりを挟む
■133命と精霊で教師にタメ口をきいていたサクヤ。読んでくださった方に疑問を投げかけられて書いたお話です。
 
 
 
「訊きてぇんだけど」
「なんだ?」
「オレさ。仮にも年上、しかも教師に対してかなり、タメ口だけど。気にしねぇの?」
「その前に、お前。俺を教師だって認識があるのか?」
 
 う~ん。教師か?
 
「そこで悩むのはどうしてだ?」
「まず、授業を受けたことがねぇ」
「まあな。俺は専門の教師だからな」
「専門って?」
「攻撃系の魔法だな。遠距離じゃなく、接近戦の即戦力系だ」
 
 つまり、オレでは習っても全く使えないってヤツだな。
 
「それにな。魔法使いは年齢というより、魔力で上下が決まる場合が多くてな。あの人を一人で封印したお前は一目置かれた存在なんだよ」
「あれはさ。ムカついたから、意地でも封印してやるって意気込みだったからできたんだよ」
「……あ、理由は聞いた」
「誰から?」
「ルイの父親」
 
 なんでそんな話をしてるんだ?
 
「知り合いか?」
「先輩だな」
「担当生徒の両親だからじゃなかったんだな?」
「そうだな。先輩は狩人の魔法使いとしては一流だ。魔法だけじゃなく、その頭脳も特出してる」
 
 ルイも頭がいいもんな。魔力が知識を拾ってきてるって言っても、それを理解する頭がないと使えねぇしな。
 
 っていうかよ。ルイの両親を先輩っていうことは、この見た目と年齢が合ってねぇ。まあ、クレハさんとカエデさん。シロガネさんとクチバさんも見た目と年齢が合わねぇよな。
 
「じゃあさ。オレの言葉遣い、不愉快じゃねぇわけ?」
「最初は吃驚したけどな。慣れたらそんなもんか、って感じだけどな。それに、お前、変えるつもりないだろう?」
「……そうだけど」
「まあ、ルイと色々、共有するようになって、若干、言葉遣いも丁寧になってきてるけどな」
 
 そうなのか?
 
「そんなに気になるんなら、今からでも丁寧な言葉遣いで構わないぞ」
「ごめん。今更無理」
「そうだろうな」
 
 あ、なんとなく今、うちの親くらいの年齢だって気がする。あくまで、気がするだけだ。見た目が若すぎんだって。
 
「言っとくが、お前も見た目の年齢がそのうちゆっくりに変わるぞ。親と同じだと思うな」
 
 はい。肝に銘じておきます。
 
 
終わり。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

従僕に溺愛されて逃げられない

大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL! 俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。 その傍らには、当然のようにリンがいる。 荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。 高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。 けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。 当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。 居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。 さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。 主従なのか、恋人なのか。 境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。 従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。

完成した犬は新たな地獄が待つ飼育部屋へと連れ戻される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

ふたなり治験棟 企画12月31公開

ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。 男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!

神官姫と最強最弱の王

深也糸
BL
アズカヴァル国の王、リヴェラ・ライト・アズカヴァルは十八歳になり、成人したことで妃を娶らなければならなかった。 隣国のリゼルハイドの姫、シファ・ヴィオラ・リゼルハイドはリヴェラと娶せられるためにアズカヴァルに逗留することになる。リヴェラに城の中を案内してもらい親睦を深めようとするが、早々に男だとバレてしまい……。 ※週一回 マイペース更新

兄弟カフェ 〜僕達の関係は誰にも邪魔できない〜

紅夜チャンプル
BL
ある街にイケメン兄弟が経営するお洒落なカフェ「セプタンブル」がある。真面目で優しい兄の碧人(あおと)、明るく爽やかな弟の健人(けんと)。2人は今日も多くの女性客に素敵なひとときを提供する。 ただし‥‥家に帰った2人の本当の姿はお互いを愛し、甘い時間を過ごす兄弟であった。お店では「兄貴」「健人」と呼び合うのに対し、家では「あお兄」「ケン」と呼んでぎゅっと抱き合って眠りにつく。 そんな2人の前に現れたのは、大学生の幸成(ゆきなり)。純粋そうな彼との出会いにより兄弟の関係は‥‥?

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

処理中です...