銀の鳥籠

善奈美

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銀の鳥籠SS

023 今世紀最大級のカンニング

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■あの人を封印したサクヤ。その関係で昇級試験を免れた。そこでサクヤが疑問に思った事とは?
 
 
 
「一つ聞いて良いか?」
 
 オレは特A担任を捕まえて一つの疑問を解決しようとと質問した。オレがルイと魔法で知識の共有を果たしたからこその疑問。
 
「なんだ?」
「オレ、カンニングにならねぇの?」
 
 オレが首を傾げると、頭の上のベニが若干慌てたような動作をした。少しは刺激があった方がいい! オレの頭はベニの巣箱じゃねぇ!
 
「は?」
「いや、だって。オレ、勉強して覚えた訳じゃねぇし。ルイと、まあ、緊急事態ではあったけど」
「何が言いたいんだ?」
「つまり、オレ、カンニングしてる事と変わらないよなって言いたいんだけど?」
 
 特A担任が固まった。これ、本当に疑問なんだって。あいつ関係で仕方なかったとは言え、堂々と公開カンニングしてんのとかわんねぇじゃん。
 
「お前は……」
 
 特A担任が呆れたように溜め息吐きやがった!
 
「いいか。確かに知識の共有はしてるだろうが、それはあくまで一部だろう。魔法に関しては間違えなくルイに継ぐ知識量だろうが、一般教養は前と変わってないだろうが」
 
 ぐっ、痛いとこ突いてきた。オレとしては必要な知識のみ引っ張り出した事は分かってる。今でも、時々、夢の中でルイの中見てる感じだし。ルイにしてもオレの中を覗いてる感じだとは思う。
 
「あの短期間で、全部の知識を共有してるとは考え難い。つまり、カンニングにはならない。それどころか、魔法使いらしくなって実にいい」
「なっ!」
「全く魔法使いの何たるかの知識もないまま魔法学校に来たんだ。頓珍漢なのは理解していたが、魔力まで頓珍漢並みに変わってる上、本人も魔法使いから感覚がズレてる。カンニングしてるくらいで丁度いいくらいだろう」
 
 え……、そんな感覚なのかよ。
 
「ルイにスパルタ的に基本を叩き込まれていたようだが、全く追いついてなかったんだ。強制的とは言え、少なくとも魔法使いらしくなったと考えれば、カンニングなんて可愛いもんだ」
 
 いや、肩を竦めて言うことかよ。
 
「サクヤ? どうかしたの?」
 
 ルイが背後から声をかけて来たけど、実際問題、どう思ってんだろうな。
 
「カンニング? 知識の共有はカンニングではないでしょう?」
 
 どう言うことだよ。
 
「もし、私と同じだけの魔力量を持つ魔法使いが知識の共有をしたとしても、理解するのは無理だよ」
「やっぱりそうなのか?」
「ええ。サクヤは極端な話、全く魔法についての知識がない状態で、基礎のみ叩き込まれてます。真っ新なんですよ。少しでも魔法の知識がある状態で私の知識を叩き込まれたとします。間違いなく理解出来ず、旅立ちますよ」
 
 ルイがいい笑顔で言い切った。え? 旅立つのかよ。旅立つって、理解出来なくてって意味だよな……。
 
「それにサクヤにはベニがいるでしょう。火の鳥の知識もサクヤは持ってる状態だから、耐えられただけだしね」
 
 ひっ、マジか。オレはなんて危険な魔法を使われたんだよ。それで普通にしてるオレ。珍獣言われる筈だよな。なんか脱力だわ。
 
「頑張って身につけるんだな。こいつの頭の中は下手な図書館より知識が膨大だからな」
 
 特A担任が更に追い討ち。オレ、無事でいられるんだろうか。
 
 
終わり。
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