銀の鳥籠

善奈美

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銀の鳥籠Ⅱ マシロ&アサギ編

004 面倒で厄介

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「とは言ったものの……」
 
 父さんは腕を組んで架空に視線を向ける。
 
「学校も鍵の魔法使いの管轄だよね?」
「その筈だよ。一番、人数を割いてるんじゃない?」
「いくら生徒を利用したとしても、普通なら感知するでしょう?」
 
 ライカさんも父さんの言葉に頷いてる。つまり、普通なら魔法を使って操られてても、結界に触れれば感知されるって事だよね。まさか、誰も知らない抜け道がこの魔法学校にあったりして。考えたくないけど。
 
「リッカに訊いてみないと」
「長老には?」
「まずはリッカだよ」
 
 父さん達でも分からない。でも、黒幕は父さんの魔力を利用しようとした元教師?
 
「でもね。本当に元教師なら簡単だけどね」
 
 簡単なの?! うん。父さんは普通じゃないから。
 
「何より問題は、まだ、未成年の二人に手を出した事だ。循環の魔法が使えないのが痛い」
 
 ライカさんがそんな事を口にした。つまり、俺とアサギを引き離そうとしてる。アサギってより、俺を利用しようとしてるのか。捕まる気も利用される気もないけど。
 
「だから、ユグドラシルに助けを乞うんだよ。循環の魔法じゃなくて種を使うしかない。あの種ならアサギを利用出来なくなる」
 
 それ、トップシークレットだから。こんな場所で言っていい事じゃないから。俺達家族の一番知られちゃいけない秘密だから。でも、アサギを利用って?
 
「種って?」
 
 アサギが問い掛けてきた。そりゃ、疑問持つよな。ライカさんは知ってるみたいだけど。アサギには話してないんだろうし。
 
「許されるものなの?」
「普通なら駄目だよ。あの種は印だからね。でも、二人は循環の魔法を使うでしょう。此方としても出来るなら卵の魔法使いの一人になってもらいたいしね」
「二人は属性を持つ使い魔は居ないよ」
 
 二人で勝手に俺達の話を進めるのはどうなんだ? アサギも種の事を俺に訊いてきたけど、父さん達が勝手に話進めるもんだから、また、固まってるし。
 
「こうなったら、クレナイに頼むしかないよ。どのみち、私達が没した後、どうするかを考える必要もあるからね」
 
 いや、父さんは下手したら俺より長生きしそうだけど。
 
「まず、魔法大臣に話をして、鍵の魔法使いに学校の結界について詳しく訊いてもらわないと」
 
 結局はそこからだよな。妖精達が騒いだって事は、あの場所絡みだろうし。放っておいたら、どうなるか分からない。何より、首謀者がその元教師でない可能性もあるのか。はあ、面倒。
 
「マシロ。とりあえず、何かあったらクレナイを呼び出して」
「分かってる」
「それで、誰かにこの話はしたの?」
「アサイ先生に。アサギに求愛する宣言した後話した」
 
 腕を組んで宣言したら、二人して頷いた。つまりは両家の親公認の仲って事だ。今のうちに宣言しとこ。まあ、ちょっかいかける奴なんて、命知らずだからな。切れないようにしないと。初等部の時、教室破壊しちゃったし。
 
「そう。じゃあ、そっちに顔出して今日は帰るよ」
「分かった。次の休みの日にアサギ連れてうち帰るから」
「その時に儀式と卵作るの手伝って貰うよ」
「父さんは?」
「ん? ちょっと、厄介な禁書と格闘していて、滞っててね」
 
 そういう事。俺とアサギは二人を見送る。当然、アサギは上目使いで俺を見てる。
 
「種って?」
 
 同じ質問してくるし。でも、父さんは次の休みには種をアサギに宿す気なんだろう。話しといた方がいいよな。
 
「ユグドラシルの種」
「その、マナの大樹の種が何なの?!」
「俺の中にあるから」
 
 アサギの顔が驚愕に染まる。まあ、普通の反応。当たり前だけど。
 
「この種さ。卵の魔法使いの印でもあるんだよ。この種がないと、卵を作れない」
 
 更に、驚いた表情をしたアサギ。
 
「そして重要なのが魔法使いに知られると研究材料にされる」
「さっき、ルイさんが言ってたのって?」
「アサギもユグドラシルの種を宿すんだよ。利用されないように」
「えええ!!!」
 
 アサギの叫びに俺、両手で耳を塞いだ。あれだけ、父さん達が話してたのに、理解してなかったんだな。我が身だとは思わなかったんだな。父さんが言い出してるし、殆ど決定事項だと思う。ほら、ここに何故か精霊と妖精が集まり出してるし。つまり、父さんの意向を精霊と妖精が承諾したって事だろう。はあ、面倒で厄介!
 
 
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