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銀の鳥籠Ⅱ マシロ&アサギ編
010 鏡
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二匹のカーバンクルの名前が決まらないまま、普通に授業に出る。勿論、そのまま連れて歩くのは問題だから、中等部特A担任には話した。父さんの指示だと言えば大抵通る。
そして、俺はと言えば、ここ数日、学校内を散歩中。父さんに頼まれた結界の綻びを見付ける為だ。当てがあるわけでもないから、本当に散歩してる感覚だ。その度に耳に痛い悲鳴が上がる。慣れはしたけど。それに、何時も付随する様に親衛隊が悲鳴を上げている生徒達を整理してる。本当に何時もの光景。
「一人で大丈夫だけど」
「そうはいかないよ。僕もその場に居たんだし」
アサギも一緒だったりする。そのせいで、一人の時より悲鳴が耳に痛い。しかも肩に其々、カーバンクルを乗せているせいで、別の悲鳴も上がってる。このカーバンクル。学校内が大騒ぎだ。父さんと母さんの例もあるから、納得されたことが納得出来ない。授業の度に教師がカーバンクルを見に来る。母さんがベニを頭に乗せて授業している時もそうだったみたい。
「普通の場所じゃないのかな?」
魔法学校はとてつもなく広い。何せ、教師や生徒の一存で廊下や階段が増えたりする。気が付けば、部屋の数も増える。地下も迷宮ばりの広さだ。特定の場所まで行って探索の魔法を使う。勿論、内緒で禁呪も使う。
学校の建物から敷地まで、鍵の魔法使いが鍵付きの結界で守っている。当然、その中には寮も入ってる。時と共に結界を強化しながらだ。結界の綻びを探し出すなど、本当に可能なのか。
二人で首を傾げ、今まで足を向けたことのない地下に進路を向ける。階段で下へと向かい、一階ずつ探索。すると、肩の上を陣取っているカーバンクル二匹がいきなり飛び降り走り出した。驚いた俺達は慌てて後を追う。まかり間違えて、入ってはいけない場所に入り込まれたら大変だ。そう思いながら、二人で必死で後を追った。
「どうしたんだよっ」
流石に四足歩行。肩に乗れるくらいの大きさでも、速さはかなりのもの。二匹は明らかに更に地下へと向かっている。下へ下へと続く階段だ。空気が冷え、明かりすら届かない地下だ。慌てて杖を出して、魔法で明かりを作り出した。
初等部から魔法学校に通っているけど、こんな深部の地下まで足を運んだことはない。いつかは探検しようとは思ってたけど。
魔法学校に入ってすぐ、深部の地下には魔物が徘徊しているって、教師に脅しはかけられた。それくらいじゃ、めげないのが俺だ。楽しそうだしさ。
「どこまで行ったんだ?」
「あそこじゃない」
視界のかなり奥に俺が作り出す魔法の光に赤い光が反射してる。あれ、カーバンクルの額の石かな? 慎重に進むと、二匹は俺達の肩に戻って来た。とは言え、かなり深い場所まで降りてきたな。
「こんな場所まで来たことないね」
「まあね。許可なく入り込んだら怒られるレベルの場所だし」
二匹が戻って来たって事は、この場所に何かがあるんだよな。まさか、結界の綻びだったりして。とりあえず、二匹が走って戻って来た場所に足を進める。
進んだ先は行き止まりだった。でも、よく見ると壁に切れ目がある。つまり、この壁は壁であって壁じゃない。魔法学校内に時々現れる部屋だ。しかも、たちが悪いのが学校中を移動するんだよ。知らない生徒も沢山いると思う。
「部屋?」
「一応、杖出して。危険があるかもしれない」
軽く壁を押してみた。駄目なら魔法で力ずくで開けちゃうけど。でも、余程でないと開かないということはない。それでも、開きにくい時もある。ほぼ暗闇で明かりは俺が灯した頼りない明かり一つ。開くかは完全に賭けだ。地下に現れた移動するって部屋には入ったことはないから。でも、見た目に反して、簡単に開いた。いや、それはそれで嫌な予感しかしない。何気に肩にいるカーバンクルが警戒してるし。
二人でゆっくり室内に入る。真っ暗だから、俺が作り出した明かりだけが頼りだ。アサギは俺の背中にくっ付いてる。一人で採集とかに行くのに。そんなんでよく、仕事してたよな。
中はかなり広い。柱が左右に立ち並び、何処ぞの宮殿みたいな作りだ。でも、暗さで分かるのはそれくらいだ。
「ここは何? まるで儀式の部屋みたい」
「こんな部屋の存在。教師も知らないじゃないか」
行けるところまで行くと、突き当たりの壁に巨大な鏡。鏡……。鏡って繋がってたりするんだよな。そう言う魔法アイテムあるし。通信用に使ってたりするし。まあ、父さんはアナログが好きだから。何より、あの場所でこの手のアイテムは問題あるからな。
鏡面に時々波紋が広がる。嫌な予感しかしない。
「この鏡、結界の気配がしない」
アサギの言う通りだ。この部屋には鍵の魔法使いが使う結界の気配がある。でも、この鏡だけ、結界の気配がない。気配がないと言う事は……。
「マシロ!!」
アサギが俺の手を引いて横に飛んだ。ギリギリで掠って行ったのは悪意を含んだモノ。慌てて、部屋いっぱいに魔法の光で満たす。その光を鏡が反射し、おそらく、繋がっていた何処の道が遮断された、ように感じた。
明るくなった事で部屋の中がよく分かる。高い天井。柱一つ一つに施された精巧な細工。床も色の違う石材を組み合せた美しいものだ。壁も壁画が描かれている。その床に俺を狙っただろう漆黒の矢が刺さってた。その矢は俺に襲いかかって来た黒い刃の気配を孕んでる。
「どうするの?」
「父さんに知らせる。綻びはこの鏡だ」
何の為の鏡なのか。俺では分からない。だから、調べてもらわないと。
そして、俺はと言えば、ここ数日、学校内を散歩中。父さんに頼まれた結界の綻びを見付ける為だ。当てがあるわけでもないから、本当に散歩してる感覚だ。その度に耳に痛い悲鳴が上がる。慣れはしたけど。それに、何時も付随する様に親衛隊が悲鳴を上げている生徒達を整理してる。本当に何時もの光景。
「一人で大丈夫だけど」
「そうはいかないよ。僕もその場に居たんだし」
アサギも一緒だったりする。そのせいで、一人の時より悲鳴が耳に痛い。しかも肩に其々、カーバンクルを乗せているせいで、別の悲鳴も上がってる。このカーバンクル。学校内が大騒ぎだ。父さんと母さんの例もあるから、納得されたことが納得出来ない。授業の度に教師がカーバンクルを見に来る。母さんがベニを頭に乗せて授業している時もそうだったみたい。
「普通の場所じゃないのかな?」
魔法学校はとてつもなく広い。何せ、教師や生徒の一存で廊下や階段が増えたりする。気が付けば、部屋の数も増える。地下も迷宮ばりの広さだ。特定の場所まで行って探索の魔法を使う。勿論、内緒で禁呪も使う。
学校の建物から敷地まで、鍵の魔法使いが鍵付きの結界で守っている。当然、その中には寮も入ってる。時と共に結界を強化しながらだ。結界の綻びを探し出すなど、本当に可能なのか。
二人で首を傾げ、今まで足を向けたことのない地下に進路を向ける。階段で下へと向かい、一階ずつ探索。すると、肩の上を陣取っているカーバンクル二匹がいきなり飛び降り走り出した。驚いた俺達は慌てて後を追う。まかり間違えて、入ってはいけない場所に入り込まれたら大変だ。そう思いながら、二人で必死で後を追った。
「どうしたんだよっ」
流石に四足歩行。肩に乗れるくらいの大きさでも、速さはかなりのもの。二匹は明らかに更に地下へと向かっている。下へ下へと続く階段だ。空気が冷え、明かりすら届かない地下だ。慌てて杖を出して、魔法で明かりを作り出した。
初等部から魔法学校に通っているけど、こんな深部の地下まで足を運んだことはない。いつかは探検しようとは思ってたけど。
魔法学校に入ってすぐ、深部の地下には魔物が徘徊しているって、教師に脅しはかけられた。それくらいじゃ、めげないのが俺だ。楽しそうだしさ。
「どこまで行ったんだ?」
「あそこじゃない」
視界のかなり奥に俺が作り出す魔法の光に赤い光が反射してる。あれ、カーバンクルの額の石かな? 慎重に進むと、二匹は俺達の肩に戻って来た。とは言え、かなり深い場所まで降りてきたな。
「こんな場所まで来たことないね」
「まあね。許可なく入り込んだら怒られるレベルの場所だし」
二匹が戻って来たって事は、この場所に何かがあるんだよな。まさか、結界の綻びだったりして。とりあえず、二匹が走って戻って来た場所に足を進める。
進んだ先は行き止まりだった。でも、よく見ると壁に切れ目がある。つまり、この壁は壁であって壁じゃない。魔法学校内に時々現れる部屋だ。しかも、たちが悪いのが学校中を移動するんだよ。知らない生徒も沢山いると思う。
「部屋?」
「一応、杖出して。危険があるかもしれない」
軽く壁を押してみた。駄目なら魔法で力ずくで開けちゃうけど。でも、余程でないと開かないということはない。それでも、開きにくい時もある。ほぼ暗闇で明かりは俺が灯した頼りない明かり一つ。開くかは完全に賭けだ。地下に現れた移動するって部屋には入ったことはないから。でも、見た目に反して、簡単に開いた。いや、それはそれで嫌な予感しかしない。何気に肩にいるカーバンクルが警戒してるし。
二人でゆっくり室内に入る。真っ暗だから、俺が作り出した明かりだけが頼りだ。アサギは俺の背中にくっ付いてる。一人で採集とかに行くのに。そんなんでよく、仕事してたよな。
中はかなり広い。柱が左右に立ち並び、何処ぞの宮殿みたいな作りだ。でも、暗さで分かるのはそれくらいだ。
「ここは何? まるで儀式の部屋みたい」
「こんな部屋の存在。教師も知らないじゃないか」
行けるところまで行くと、突き当たりの壁に巨大な鏡。鏡……。鏡って繋がってたりするんだよな。そう言う魔法アイテムあるし。通信用に使ってたりするし。まあ、父さんはアナログが好きだから。何より、あの場所でこの手のアイテムは問題あるからな。
鏡面に時々波紋が広がる。嫌な予感しかしない。
「この鏡、結界の気配がしない」
アサギの言う通りだ。この部屋には鍵の魔法使いが使う結界の気配がある。でも、この鏡だけ、結界の気配がない。気配がないと言う事は……。
「マシロ!!」
アサギが俺の手を引いて横に飛んだ。ギリギリで掠って行ったのは悪意を含んだモノ。慌てて、部屋いっぱいに魔法の光で満たす。その光を鏡が反射し、おそらく、繋がっていた何処の道が遮断された、ように感じた。
明るくなった事で部屋の中がよく分かる。高い天井。柱一つ一つに施された精巧な細工。床も色の違う石材を組み合せた美しいものだ。壁も壁画が描かれている。その床に俺を狙っただろう漆黒の矢が刺さってた。その矢は俺に襲いかかって来た黒い刃の気配を孕んでる。
「どうするの?」
「父さんに知らせる。綻びはこの鏡だ」
何の為の鏡なのか。俺では分からない。だから、調べてもらわないと。
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