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銀の鳥籠Ⅱ マシロ&アサギ編
016 狩人の一族
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「調べて簡単に分かるものなの?」
カエデさんの疑問はごもっとも。もしも、の話で父さんは魔法大臣。リッカさんは長老。ライカさんは多分だけど、一族の系図みたいなものを調べるんだと思う。
その錬金術師だったとして、どうやって俺とアサギを認識したかなんだよ。高等部に上がる前。つまり、中等部に入ってすぐ干渉してきたのは高等部に上がると都合が悪いって事だろう。
ただ、ユグドラシルは世界樹絡みかもしれないって言ってた。どうして、その考えに至ったのか。俺達家族があの場所に住んでるってのもあるんだろうけど。
それも考慮して、元々、世界樹はあの敷地内にあって、多分、その魔法使いにマナを搾り取られてた。危険を察したユグドラシルと妖精王、妖精女王が違う空間に世界樹を新たに育て始めた。だから、マナは無くならなかった。って言う結論が出てくる。
「どうしたの?」
アサギが俺の顔を覗き込んでくる。勿論、カエデさんとシロガネさんもだ。
「どうやって、俺達の事を知ったんだろうなぁって」
父さんとかライカさんじゃなくて、どうして俺達なんだろう? スオウとヒイロがいた島が、その魔法使いの幽閉地だったと仮定して。普通に考えるなら、ライカさんが干渉対象だよな。血筋なら尚更だ。
「ルイ達のお陰で魔力の強い魔法使いは増えてきてるけど、それでも、一定の魔力を持つ者は少ないよ」
カエデさんはそんな事を口にする。魔力の強さで感知したって事か? でもさ、もう一つ、疑問があるんだよ。幽閉されたって事は、少なくとも投獄の魔法は使ってる。下手すると強い魔力を帯びた鉱石の中に拘束される。鍵の魔法使いの結界がなくても、その鉱石の力が働いて、余程でないと外には出られないし、干渉は出来ない。
「アサギはあの時、ライカさんと一緒に凄く驚いてただろう?」
「あの時って、スオウからマシロが話を聞いてた時?」
「そう」
「だって。今の時代、僕達の一族は錬金術師って言われないから。その言葉自体、使われなくなってるし」
俺も言葉自体は知ってるけど、口に出した事はない。今は分業が進んでて、おかしな考えを持つ魔法使いはいるけど、危機感を感じる程ではない。
「錬金術師?」
カエデさんとシロガネさんが顔を見合わせた。何かを知ってるような顔。
「あれじゃない。ほら、あの人よりずっと前の話よ」
「だよね。多分、狩人の一族に伝わってる話」
俺とアサギが驚いて、体を乗り出した。どうして狩人の一族が知ってるんだ?!
「一族によって話は様々だと思うのよ」
若干、引き気味のシロガネさん。伝わってる話が様々って?
「狩人は辞めてしまったから、ルイには話してないし」
「私もシラユキには話してないわ。必要がないもの」
ちょっと待って。俺は元狩人の一族で、今は門の一族、卵の一族って言われてる。その関係で禁書庫の司書官も父さんと母さんはしてる。俺も将来的には二人の仕事を継ぐ身だ。
世界樹の種も身に宿しているし。知られないように実は秘密も多い。好奇心の塊である魔法使いに利用されないようにだ。
「どんな風に伝わってるの?」
カエデさんとシロガネさんが躊躇いを見せた。つまりは躊躇うくらい重大だって事だ。ライカさんが世界樹を枯らせた、って言っていたし。
「私の一族は絶海の孤島に幽閉されたって伝わっているわ」
「私の一族は、確か、特殊な洞窟の中に拘束されたって」
ん? つまり、其々の一族に、其々伝わったのか。じゃあ、クレハさんとクチバさんも違う情報を持ってるって事なのか?
「本当の事かは分からないわよ。ただ、必ず伝えるように言われていて。今では消えてしまった一族もあるし、どれだけ残っているのは分からないわね」
シロガネさんが思案顔で言った。一応、魔力が色んな情報を収集はするけど、俺の魔力はその手の情報は収集して来ていない。父さんも多分してないのかな? してたら、あの時、あんなに驚いてないよな。
つまり、俺は狩人の一族として。アサギはその血に連なる者として認識されたって事になるのか?
「クレハとクチバにも訊いてみる? クレハはマシロに会いたがってるし」
俺は頷く。この二人が此処にいるのは、裏方ではないから。旦那様二人がいないのは裏方だから。ツバキ叔母さんとシラユキさんが手伝うようになって、かなり、楽になったっていうのが真相なんだけど。
「連れてくるわ」
シロガネさんがそう言うと、部屋を出て行く。
「……また、とんでもない事に巻き込まれたんだね。ルイとサクヤみたいに、学生が出来ない状態にならなきゃいいんだけど」
カエデさんは困ったと言わんばかりの表情で深い溜め息を吐く。俺としてもそれだけは勘弁願いたい。魔法学校を卒業したら、両親の仕事量のせいで、かなりハードな日常が待ってる。学生の時ぐらい、のんびりしたいんだから。
「あの伝説の?」
アサギが恐々訊いてくる。カエデさんは、そうだと言わんばかりに頷いた。そんなに経ってないのに、既に伝説化してるのがなんとも言えない。母さんなんて、まだ生きてるのに伝説の人って言われてるからな。
カエデさんの疑問はごもっとも。もしも、の話で父さんは魔法大臣。リッカさんは長老。ライカさんは多分だけど、一族の系図みたいなものを調べるんだと思う。
その錬金術師だったとして、どうやって俺とアサギを認識したかなんだよ。高等部に上がる前。つまり、中等部に入ってすぐ干渉してきたのは高等部に上がると都合が悪いって事だろう。
ただ、ユグドラシルは世界樹絡みかもしれないって言ってた。どうして、その考えに至ったのか。俺達家族があの場所に住んでるってのもあるんだろうけど。
それも考慮して、元々、世界樹はあの敷地内にあって、多分、その魔法使いにマナを搾り取られてた。危険を察したユグドラシルと妖精王、妖精女王が違う空間に世界樹を新たに育て始めた。だから、マナは無くならなかった。って言う結論が出てくる。
「どうしたの?」
アサギが俺の顔を覗き込んでくる。勿論、カエデさんとシロガネさんもだ。
「どうやって、俺達の事を知ったんだろうなぁって」
父さんとかライカさんじゃなくて、どうして俺達なんだろう? スオウとヒイロがいた島が、その魔法使いの幽閉地だったと仮定して。普通に考えるなら、ライカさんが干渉対象だよな。血筋なら尚更だ。
「ルイ達のお陰で魔力の強い魔法使いは増えてきてるけど、それでも、一定の魔力を持つ者は少ないよ」
カエデさんはそんな事を口にする。魔力の強さで感知したって事か? でもさ、もう一つ、疑問があるんだよ。幽閉されたって事は、少なくとも投獄の魔法は使ってる。下手すると強い魔力を帯びた鉱石の中に拘束される。鍵の魔法使いの結界がなくても、その鉱石の力が働いて、余程でないと外には出られないし、干渉は出来ない。
「アサギはあの時、ライカさんと一緒に凄く驚いてただろう?」
「あの時って、スオウからマシロが話を聞いてた時?」
「そう」
「だって。今の時代、僕達の一族は錬金術師って言われないから。その言葉自体、使われなくなってるし」
俺も言葉自体は知ってるけど、口に出した事はない。今は分業が進んでて、おかしな考えを持つ魔法使いはいるけど、危機感を感じる程ではない。
「錬金術師?」
カエデさんとシロガネさんが顔を見合わせた。何かを知ってるような顔。
「あれじゃない。ほら、あの人よりずっと前の話よ」
「だよね。多分、狩人の一族に伝わってる話」
俺とアサギが驚いて、体を乗り出した。どうして狩人の一族が知ってるんだ?!
「一族によって話は様々だと思うのよ」
若干、引き気味のシロガネさん。伝わってる話が様々って?
「狩人は辞めてしまったから、ルイには話してないし」
「私もシラユキには話してないわ。必要がないもの」
ちょっと待って。俺は元狩人の一族で、今は門の一族、卵の一族って言われてる。その関係で禁書庫の司書官も父さんと母さんはしてる。俺も将来的には二人の仕事を継ぐ身だ。
世界樹の種も身に宿しているし。知られないように実は秘密も多い。好奇心の塊である魔法使いに利用されないようにだ。
「どんな風に伝わってるの?」
カエデさんとシロガネさんが躊躇いを見せた。つまりは躊躇うくらい重大だって事だ。ライカさんが世界樹を枯らせた、って言っていたし。
「私の一族は絶海の孤島に幽閉されたって伝わっているわ」
「私の一族は、確か、特殊な洞窟の中に拘束されたって」
ん? つまり、其々の一族に、其々伝わったのか。じゃあ、クレハさんとクチバさんも違う情報を持ってるって事なのか?
「本当の事かは分からないわよ。ただ、必ず伝えるように言われていて。今では消えてしまった一族もあるし、どれだけ残っているのは分からないわね」
シロガネさんが思案顔で言った。一応、魔力が色んな情報を収集はするけど、俺の魔力はその手の情報は収集して来ていない。父さんも多分してないのかな? してたら、あの時、あんなに驚いてないよな。
つまり、俺は狩人の一族として。アサギはその血に連なる者として認識されたって事になるのか?
「クレハとクチバにも訊いてみる? クレハはマシロに会いたがってるし」
俺は頷く。この二人が此処にいるのは、裏方ではないから。旦那様二人がいないのは裏方だから。ツバキ叔母さんとシラユキさんが手伝うようになって、かなり、楽になったっていうのが真相なんだけど。
「連れてくるわ」
シロガネさんがそう言うと、部屋を出て行く。
「……また、とんでもない事に巻き込まれたんだね。ルイとサクヤみたいに、学生が出来ない状態にならなきゃいいんだけど」
カエデさんは困ったと言わんばかりの表情で深い溜め息を吐く。俺としてもそれだけは勘弁願いたい。魔法学校を卒業したら、両親の仕事量のせいで、かなりハードな日常が待ってる。学生の時ぐらい、のんびりしたいんだから。
「あの伝説の?」
アサギが恐々訊いてくる。カエデさんは、そうだと言わんばかりに頷いた。そんなに経ってないのに、既に伝説化してるのがなんとも言えない。母さんなんて、まだ生きてるのに伝説の人って言われてるからな。
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