孤独なライオンは運命を見つける

朝顔

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本編

①偽りのアルファは運命を見つける

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 小学生の頃、小さな封筒が配られた。
 それは男女の性とは別に、三つの性を判定する国のバース性簡易検査の結果だった。小学生と中学生の時に二回行われるが、詳しい判定を求める場合は個々で医療機関に赴いて行うことになっている。

 必ずお家の人と一緒に見てください。
 そう言われていたが、担任が出て行くと当然のように封筒を破ってみんなで見せ合いっこが始まった。

 ほとんどの人間はβ(ベータ)性だ。この世の人口の70%を占めると言われていて、当然のようにクラスメイト達は、ベータだったと言いながら紙を頭の上に掲げて見せていた。

 俺も封筒を開いて自分の結果を見た。そこに書かれていたのは、当たり前にそうだろうと思っていたそのものだったので、特に何も考えることなく封筒に戻して鞄に突っ込んだ。

 うわっ! お前、Ω(オメガ)じゃん!

 誰かが声を上げてみんなの視線がそこに注目した。
 今は人口の10%にも満たないと言われているオメガ。クラスではいつも揶揄われて大人しい女の子だったが、男子の一人がその子の封筒を破って勝手に結果を見たらしい。大声で言いふらしていた。
 クラスの中で、オメガの結果はその子だけだった。

 オメガはフェロモン周期に支配され、男性でも妊娠可能な存在だ。
 今の社会のシステムの中では、周囲を混乱させ、動物的な本能を呼び覚ましてしまうことから扱いが難しく、劣った存在だと言われてきた。
 まだ幼い年齢のクラスの中でもすでにその認識は芽生えていて、誰かが可哀想とボソリと呟くと、次々と可哀想という声が上がった。

 なぁあいつ、オメガだって、可哀想だよな。

 隣の席のクラスメイトにそう言われて、俺はぼんやりとその子を見た。
 泣きそうな顔になった後、下を向いて震えていた。

 可哀想に。

 俺も周りの人間と同じ。
 そう口にした。

 まだこれから社会に羽ばたいて行く年齢でありながら、この後の運命が決まってしまった瞬間。

 俺は彼女の境遇にそう言ったのか、それともその姿が哀れに見えたのか。
 今となってはよく覚えていない。

 けれど、自分とは関係のない世界の話だと、真剣に考えることもなく、そう口にした。

 その時はまだ……。

 自分の身に何が起こるのか

 何も……。

 何も分かっていなかった。










「どういう事ですか!!」

 母親が机を割りそうなくらいに力を込めて叩いたので、上に載っていた書類や筆記用具がバラバラと床に落ちていった。
 急いでそれを拾おうとすると、草壁の人間がそういうことをしてはいけませんとピシャリと手を叩かれた。

 看護師が無言で落ちたものを拾って机に戻すまで、気まず過ぎる沈黙が流れた。

「そう言われましても、結果はそのように示しています。中学生の時の検査は受けなかったそうですね」

 医師が顔色ひとつ変えずに銀フレームの眼鏡を指で押して持ち上げた。
 実に冷静だった。こういう光景に慣れているのかもしれない。

「ええそうです。一次検査では、アルファだと出ましたのよ! うちの家系はアルファしか生まれないですし、私が産む子供も……」

「草壁さん。一次検査は成長期ですので、変更が生じる時があるんです。だから二回あって詳しく調べることが必要なんです。家系の話は医学的な根拠があるわけではなく……」

「いいえ! あります! 上の二人はアルファです。この子が……一番優秀だと思っていたのに……オメガなんて……こんな子……私の子じゃない……」

 激昂した後、母親は泣き崩れた。
 別室にと看護師に連れて行かれるのを、俺は呆然としながら見ていた。
 その後、医師から淡々と説明を受けたが、最後まで自分のことだとは思えなかった。
 まるで現実感がないまま、授業を聞くみたいにノートにメモを取った。

 一人になってから、待ち合いの椅子に座ったまましばらく動けなかった。
 握りしめたノートにはメモを取ったはずなのに、意味のわからない記号しか書いていなかった。
 その記号こそ、これからの俺の人生なのだと思った。
 誰にも理解されない意味のない人生。
 ぽたりと滴がひとつぶノートに落ちて記号が滲んだ。
 どこかで間違えたのだろうか。
 現実を受け入れることができなくて、あの日の女の子みたいに、顔を伏せてただ震えることしかできなかった。




 目を開けると白い天井が見えた。
 無機質な白い部屋。パイプベッドの硬さに背中が痛くなった。
 どうやらここまでたどり着けたようだとホッとして胸を撫で下ろした。

「草壁くん、起きた? 調子はどう?」

「ええ、少し頭痛がしますが、問題ありません。いつもすみません、ありがとうございます」

 上半身を起こしてお礼を言うと、保健医は大変ねぇと言って可哀想という目で見てきた。
 母親と同年代の女性だが、仕事柄色々な生徒を見てきたのだろう。いつもあまり深く聞いてこないが、今日は気が向いたらしく、話を続けてきた。

「薬が合ってないんじゃない?」

「いえ、僕の場合効きすぎてしまって、副作用で頭痛があるんです。あまり激しいと気を失うことも……。でもこの抑制剤のおかげで、発情することもありませんから」

 力なく微笑んだら、やはりまた大変ねと返された。一般人からしたら、それしか言いようがないのだろう。
 俺だってそうだ。
 こんな風になる前は、大変だねと言っていたに違いない。

「もう放課後よ。少ししたら起こそうと思っていたの。担任の先生から伝言、鞄は教室にあるから持って帰るようにって」

 起き上がってからの感覚でもう大丈夫そうだと判断した。ベッドから降りると足に力も入ったので静かに息を吐いた。

「薬があるって言っても気をつけてね。草壁理事の関係者だから、大目に見ているけど、校内で問題が起きたら大変なのよ。ここは、それなりの家の子が通っているんだから……。みんな揉め事はいやだからこそ、この学校を選んでいるのよ」

「理解しているつもりですが……ご面倒をおかけして申し訳ございません」

 同じようなことを何人にも言われてきた。耳にタコができてもいいくらいだ。
 その度に謝って、謝って。
 俺はいったいいつまで謝り続けないといけないのか。

 俺が何をしたんだろう。
 ただ生まれてきただけなのに。

 あの日からずっと、謝ってばかりだ。






「また一位だったって、柊」

 ぽんと肩を叩かれて振り返ると、友人の相沢悠真あいざわ ゆうまが立っていた。

「……ああ、共通テストの結果か」

「ああって…見てないのかよ!?」

 そうだと頷くと、悠真は頭を押さえて大袈裟に驚いたようなリアクションをとってきた。

「相変わらずだなぁ…、やっぱり柊は絵に描いたような優秀なアルファだし、テストの満点なんて当たり前だよな。俺なんかさ……」

 悠真の悪気のない一言が胸に刺さって、話の続きが頭に入ってこなかった。

 優秀なアルファ。
 俺、草壁柊くさかべ しゅうは、生まれてから高校一年の夏まで、自分のことをずっとそう思ってきた。

 草壁家は古くからある名家で、代々優秀なアルファの男子が生まれることで知られていた。代々アルファ同士の夫婦で子を産み、子はもれなく全員アルファ、唯一ひとりベータの子が生まれたことがあったが、判定が出たらすぐに養子に出されるという徹底したアルファ至上主義の一族だった。

 そんな、一族に俺は生まれた。
 上に兄が二人、兄達はもちろんアルファで、すでに独立して二人とも結婚し、それぞれ会社を経営している。
 人口の二割程度と言われているアルファは、文武両道、肉体的にも精神的にも優れていて。上に立つ者の条件が完璧に備わっている。
 社会的に認められ尊敬されるような職業に就くことが多い。
 草壁家もそうやって財と名声を失うことなく築いてきた。

 そんな家に生まれた俺は、幼い頃から当然のごとくリーダーになるべく教育を受けてきた。
 父から注がれる期待の眼差し、母から毎日もらう賞賛の言葉。
 もちろん期待に応えたいと必死で努力をしてきたけれど、この日常が自分の住むべき世界だと信じて疑わなかった。

 小学生の時に受けた簡易検査の結果、俺はアルファだった。
 もう決まっているものなのに、わざわざ受ける必要があるのかとすら思っていた。
 母親も同じだったようで、中学の時の検査は受けなかった。

 しかし、夢の終わりは突然だった。
 高校一年の夏、突然起こったヒート。
 すぐに病院に運ばれて隔離され、薬を使って抑えられた。

 母は怒り狂った。
 アルファの一族の中で唯一のオメガ。それが自分の子だというのが受け入れられなかった。
 このままでは、義姉さん達に笑われる。
 そう言って頭を掻きむしっていた。

 すぐに一番効き目の強い抑制剤を手に入れた。軽いものを普段から飲み続けて、発情期前には強いものに変える。最初の医師にはそんな飲み方は強すぎると反対されたが、母は聞かなかった。言うことを聞く医師を探し出して、無理矢理そういった対策が組まれた。

 なぜそこまでと言えば、俺が緑光学園に在学中であったことも、母の憤慨に拍車をかけた。
 創設者に草壁一族の名があり、今も伯父が理事を務めているこの学園は、エリートを輩出することを目的とした学園で、生徒のほとんどがアルファであり、ベータも親が財力がある一部しか入学を許可されていない。
 自分の子が途中で退学になったら、母はもう恥ずかしくて外を歩けないと怒り狂った。
 伯父と母は仲が良かったので、伯父に話を通して協力を要請した。
 担任の教師や保健医と言った一部の者にしか性のことは知らされていない。
 俺は言われるままに従うしかなく、オメガであることを隠して、通学を続けることになったのだ。

 そもそも抵抗する気持ちなど湧いてこなかった。
 抵抗してどうなると言うのだろう。アルファに戻れるのなら、暴れてもいい。
 けれどもう、俺はオメガとして生きるしかなく、この学園を卒業したら家を出て行ってもらうと言われている。
 ずっと頑張ってきたから、今まで通り勉強に励んでいるが、本当はもう、何もかもが虚しかった。






「草壁くん、これ」

 走ってきた女子生徒からいきなり小さな紙を渡されて手に取ると、女子生徒はきゃーっと言いながら校門を出て走っていってしまった。

「出た出た。今月これで何回目? さすが、緑光の王子様だ」

 一緒に帰りながら、隣を歩いていた悠真が揶揄うように言ってきた。ペラりと紙を捲ると、中には名前と連絡先が書かれていた。

「俺は王子なんて大した身分じゃない」

「女の子達の中じゃ本当に言われてんだぜ。アルファらしく容姿端麗でキレーな顔してるもんね、まったく羨ましーぜ」

 悠真の言葉を聞き流して、メモをポケットに入れた。連絡をするつもりはないが、個人情報であるから、適切に処理しないといけない。

 ふと校舎のガラス窓に映る自分の顔が目に入った。
 背は高いが全体的に小作りな母親譲りの女顔、髪は染めているわけでもないのに薄いブラウンで、昔からよく黒く染めろと言われてきた。
 特に秀でた容姿には見えない。アルファは目立つ容姿の者が多いので、俺などこの学園では平凡で地味な部類だ。
 それに目尻にあるほくろが気に入らなくて、前髪を伸ばしている。
 下を向いていることが多いし、友人と呼べるのは小学生からの幼馴染である悠真くらいだ。
 悠真はベータであるが、親が飲食で有名なチェーン店をやっていて、その関係で入学が認められた。
 よく気が効くし話も上手い、人好きのする容姿であるし、悠真の方が男として魅力的だと思う。
 俺は気の利いた話もできないし、社交性のかけらもない。
 俺のどこがいいと思って手紙をくれるのか分からない。
 そう思うと頭に浮かぶのは草壁の名だ。
 草壁であることが、魅力に映るのであれば、誰とも付き合うことなどできない。
 俺はここを出たら草壁ではなくなるのだから……。



「そう言えば、二組のアイツが来たらしいね」

「あいつ…? 誰のことだよ?」

 商店街を歩きながらぼけっと考えていたら隣のクラスの話題を出された。他人に興味がなさすぎて、自分のクラスの人間ですら顔と名前が一致しないのに、隣のクラスなんて誰一人知るわけがない。

「あれだよ。入学以来一度も登校せずに進級しているという幽霊生徒。柊は草壁の人間なら名前くらい聞いたことがあるだろう。ほら、あの………」

 悠真の話を聞きながら、俺の目線は前に注がれて、捕らわれたように動けなかった。
 シャッターが閉まった店の前で、同じ制服の男子生徒が、明らかに柄の悪い風体の男達に囲まれていた。
 エリート学校である緑光学園の生徒のほとんどが車の送迎だ。
 悠真は家が近く、俺も今後を考えて自主的に電車通学を選んでいるが、登下校で同じ学校の生徒はあまり見かけない。
 緑光学園の制服は上下白の特徴的なデザインなので、どこにいても目立つ。
 俺も町で絡まれたことがあったが、まともに相手はしなかった。
 学園の生徒がお坊ちゃんだということは周知の事実。
 もしかしたら、そういった関係を知らないで、トラブルに巻き込まれた新入生かもしれないと思った。

「おい、あれ……」

 俺の言葉にペラペラ喋っていた悠真も、マズイなと言って足を止めた。

「学校に連絡して誰かに来てもらうか……っておい! 柊!」

 一番体が大きくて柄の悪い男が、男子生徒の胸ぐらを掴んだ。よく見れば、男子生徒も負けないくらい背が高く体格が良かったが、俺は体が勝手に動いてしまい悠真の静止も気がずに飛び出した。

「何してるんだ! こんなところでうちの生徒に何の用だ」

「あん? 誰だお前?」

 胸ぐらを掴んできた男が声をかけた俺を振り返って睨んできた。
 血走った目にこめかみに青筋が立っているのが見えて、足がすくみそうになった。

「おい……お前の相手はこっちだ」

 その時、胸ぐらを掴まれていた男子生徒が声を出した。
 腹に響くような低音、ゾクゾクするような冷たい旋律。
 思わず目をやろうとした瞬間、鈍い音がして俺を睨みつけてきた男は苦悶の声を上げて崩れ落ちた。
 地面に転がって腹を押さえながら、白目を剥いて口から泡を吹いている。

「なっ……え……」

 一瞬何が起きたのか分からなかった。
 しかし、顔を上げると拳を握って突き出している男の姿が目に入り、ようやく男子生徒が腹に一発入れたのだと分かった。

 近くで見ると俺より背の高い男だった。
 黒々とした艶のある髪、長い前髪は片方だけ目にかかり、片方は後ろに流している。
 人形のように整った相貌、日本人離れした目鼻立ちに、薄い唇は強く結ばれていた。
 髪と同じ真っ黒な瞳には触ったら火傷しそうな強さがあり、何も映さないように漆黒の闇が広がっていた。

 これは何という感覚なのだろう。
 男と目が合った瞬間、心臓は全速力で駆けたみたいにバクバクと破裂しそうに鳴っていて、全身が痺れたように動かなくなった。
 腹の奥から燃えるような熱さが込み上げてきて、自分の体の明らかな変化を感じた。
 背中を冷たい汗が流れていく。

「……お前」

 男の低い声が俺の下半身を突き抜けていく。

 やばい

 この男はやばいと思った。


「おい! 柊! やばい、人が集まってきた! 逃げるぞ」

 悠真に肩を強く掴まれて我に返った。
 誰かが倒れたみたいだと人が集まってきて、緑光の制服だと声が上がり始めた。

 悠真に引っ張られて気を取られていたが、男のいた方向を見ると、もうすでに姿が消えていた。

 人の波をかき分けるようにして、悠真に引っ張られながら俺もその場から逃げ出した。

 あれはいったい何だったのか。
 胸を焦がすような熱は冷めないまま、わけの分からない状態に呆然とすることしかできなかった。







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