愛と禁欲のサーガ・腐食の魔法[第一部・人間界都市編]本格的異世界LOVEバトル・ファンタジー

田丸哲二

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第五章・四大元素の鍵

メルロンの合言葉

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 ソングとチーネがファラの体を押さえ付けて、手のひらの窪みと口を塞いで火を吐けないようにしたが、鉄の下着の鍵は難解な構造をしていた。

『むずいわ』

「アッ、アケて~」

 ファラのパワーにソングとチーネが突き飛ばされ、再度押さえ付けようとしたが、掴んだ服が破けて露わな姿になり、しかも悶えているので苦笑いして立ち止まった。

「意外と力あんだ」

「ソング、トーマに任せましょ」

 ファラは手のひらの炎をトーマの顔の側面に近付け、舌を出して炎の息を吹きかけている。しかも黒革のブラとコルセット、鉄の下着姿でトーマの腰に長い足を絡ませた。

「逃がさないわよ」

「それはこっちのセリフだ」

 トーマはファラのセクシー攻撃などに惑わされず、鉄の下着の鍵穴に集中した。

「金属生物錠か?」

 鉄の下着の表面にはドルトンの原子記号が刻まれ、股の中央にライプニッツの四大元素を表す円型の図形と三角形の鍵穴があった。

 ゴーグルを近付けて鍵穴の隙間を覗き込むと、中の歯車はゆっくり動いて見える。

 フェロモンの匂いなのか、熟れたグレープフルーツの香りがして頭がクラクラしたが、トーマは聴診器の位置を変えて鼻を指で擦った。

「でも、俺のも生きってからさ」

 イモムシは三角形の太さに合わせてピッタリと密着し、四枚に重なった歯車の動き合わせて部分ごとに回り、トーマはヘッドホンの音に耳を澄ます。

 歯車の雑音に混じって、微かに『唱えよ……』と聴こえる。

「闇の鍛冶屋に作らせたのだろうが、ドワーフには万能のキーワードがあんだ」

 そう言って微笑み、トーマはイモムシの鍵に顔を近付けて囁いた。

『メルロン』

 それはエルフ語で「友」の意味であるが、イモムシがその呪文に反応して四枚の歯車を逆回転させて解錠した時に回帰させる。

「合言葉ね」

 時計の針が逆回転するイメージがチーネにも伝わり、金属生物錠が扉を開けてイモムシの鍵を招き入れるのを感じた。

「ぴったんこん」

 トーマがソングから教わった成功の言葉を呟き、ソングもチーネと一緒に近寄って、「カチッ」という音を聴いた。

 鉄の下着がパカっと開き、肌から滑り落ちて床にずり落ちる。

「ウォー!」

 ファラが絶叫を上げて天井に向けて炎を吹き上げ、慌てて赤いネイルの指で口を押さえ、そっと下腹部を手で触って感動で体を震わせた。

 その瞬間、ブワーッと鉄の下着のノズルからエレメントが空気中に湧き上がった。

『なんなの……?』

 ファラの性器からも性欲ホルモンが漏れ、それを浴びたチーネの耳の花冠が濡れて蕾が開き始める。

『エッ?』

 エレメントが内耳まで侵入してエクスタシーの擬似快感に共鳴し、メシベがオシベの花粉で受粉して妖精の変身が巻き起こった。

『嘘でしょ?』

 チーネは体が縮小して蝶の羽で宙に浮かび、ソングの顔の前で舞うが小さくなり過ぎて気付いてない。

「チーネは?」

 鉄の下着に抽出されたファラのエレメントの効果であるが、真っ先に気付いたアリダリが頭を抱えて悔しがった。

「ヤバい。これじゃソングのドラゴンが使えねーぞ!」
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