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中編
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「マリィが気にいるかわからないけどマリィの瞳と同じ色をした美しい宝石があったから送るよ」
「マリィのために一流の音楽家たちを用意した。一緒に聞きに行きませんか」
「マリィは本が好きということでたくさん書物を用意したよ。受け取ってくれないか」
公爵様はあのパーティー以後、うちの家にたくさんの贈り物をくださるようになった。
貧乏な我が家からすればとても嬉しいことだけど、それが全部お姉ちゃん宛だというのが気に食わなかった。
私が買ってもらったこともないような美しい宝石も全部お姉ちゃんへって。しかも私が出かけている好きに二人で出かけた時に採寸してもらったらしく、毎週毎週新作のドレスまで贈られてきた。お姉ちゃんと私は体型も全部一緒だからお姉ちゃんに理由をつけて何着か貰ったけど本当に気に食わない。
お父様もお母様もお姉ちゃんが公爵様に気に入られたことが嬉しいのか私が何しても放置して、お姉ちゃんに急に二人揃って優しくなり私のために使ってくれていたお金を減らしてお姉ちゃんのために使うようになり出した。あぁ腹が立つ。腹が立つ。お姉ちゃんも私に譲ろうとしたんだからそのまま公爵様ごと贈り物全部くれたらいいのに。
「お姉ちゃん鼻歌なんて歌ってご機嫌だね。贈り物がそんなに嬉しいわけ?」
「え? あっうん! 今まで贈り物なんて貰ったことがなかったから……それに公爵様は私の話をすごく聞いてくださるからお話しするのもすごく楽しくて」
「いいなぁ高級なものばっかり、お姉ちゃんが羨ましい」
「リリィだって毎日色々な男性から贈り物もらっているじゃない」
それは当たり前なのお姉ちゃん。リリィ宛に贈られてくるものもあるけど、どれもこれも金のかかってなさそうなものばかり。何この花、何この化粧品、せめて流行りのものを送りなさいよ。
花を部屋に持ち帰ってはぐしゃぐしゃに踏みつけて使用人に掃除させて、気に入らないドレスはちぎって掃除させてって感じで何もかも気に食わなくてイライラする。どうして私に金を寄越さないのよ皆、普通に考えて誰がその辺の野花で喜ぶかよ。全部あれも偶像だよ、頭おかしいでしょそんなことで喜ぶ令嬢って。
「何自慢?」
「そういうわけじゃ……あ、そうだ。私ね今日は公爵様のためにお菓子を作るの。公爵様が早めにいらっしゃったらごめんだけどリリィがお相手してくださる?」
「え、うん! いいよお姉ちゃん!」
ラッキー公爵様来るんだ。
しかもお姉ちゃん直々のご命令でお相手をって……まぁ二人きりになれば私に落とせない男はいないはず。
早速化粧を直して谷間が見えるようなドレスに着替えてお出迎えしなくちゃ。
使用人たちに次々と命令して私は美しい艶やかなドレスに着替え紅をさして公爵様を待つ。
あぁ~私にもいっぱい買って欲しいものがあるんだ。お姉ちゃんみたいにたくさんもらいたい。
馬のいななく声が聞こえたので私は慌てて玄関を開く。
光り輝くように美しい公爵様が馬車から降りてきて私を見た瞬間キョロキョロと露骨にお姉ちゃんを探し出す。
ふーんまぁまぁ今はいいわ。私の魅力さえわかれば公爵様も簡単に心変わりするだろうし。
「お姉様はどうしたんだい?」
「お姉ちゃんは公爵様のためにお菓子を作っているそうよ! その間リリィが公爵様のお世話まかされたの! さぁさぁ早く早く」
無邪気な子供のようなふりをして公爵様を無理やり引っ張り私の部屋へと案内する。
公爵様もお姉ちゃんが私のこと可愛がっているのを知っているからか、無下にもできない公爵様そのまま部屋へと引き摺り込まれる。
「寝室に連れ込むなんてどういうつもりなんだ」
「怖い顔しないでお義兄様。あ、まだ違いましたよね? お姉ちゃんとは婚約できていないんですよね~お姉ちゃんも罪な人だよね。好きな人がいるのに公爵様からのプレゼントが欲しくて仕方ないから断ることすらできていない。公爵様お姉ちゃんに利用されてるんですよ?」
「本当か?」
「えぇ妹の私がいうから間違いないじゃないですか。可哀想な公爵様をお慰めしてあげようと思ってリリィの部屋まで連れてきたんです。どうせまだケーキを焼いている途中ですから時間もかかります。リリィの愛で公爵様を癒してあげますね」
「マリィのために一流の音楽家たちを用意した。一緒に聞きに行きませんか」
「マリィは本が好きということでたくさん書物を用意したよ。受け取ってくれないか」
公爵様はあのパーティー以後、うちの家にたくさんの贈り物をくださるようになった。
貧乏な我が家からすればとても嬉しいことだけど、それが全部お姉ちゃん宛だというのが気に食わなかった。
私が買ってもらったこともないような美しい宝石も全部お姉ちゃんへって。しかも私が出かけている好きに二人で出かけた時に採寸してもらったらしく、毎週毎週新作のドレスまで贈られてきた。お姉ちゃんと私は体型も全部一緒だからお姉ちゃんに理由をつけて何着か貰ったけど本当に気に食わない。
お父様もお母様もお姉ちゃんが公爵様に気に入られたことが嬉しいのか私が何しても放置して、お姉ちゃんに急に二人揃って優しくなり私のために使ってくれていたお金を減らしてお姉ちゃんのために使うようになり出した。あぁ腹が立つ。腹が立つ。お姉ちゃんも私に譲ろうとしたんだからそのまま公爵様ごと贈り物全部くれたらいいのに。
「お姉ちゃん鼻歌なんて歌ってご機嫌だね。贈り物がそんなに嬉しいわけ?」
「え? あっうん! 今まで贈り物なんて貰ったことがなかったから……それに公爵様は私の話をすごく聞いてくださるからお話しするのもすごく楽しくて」
「いいなぁ高級なものばっかり、お姉ちゃんが羨ましい」
「リリィだって毎日色々な男性から贈り物もらっているじゃない」
それは当たり前なのお姉ちゃん。リリィ宛に贈られてくるものもあるけど、どれもこれも金のかかってなさそうなものばかり。何この花、何この化粧品、せめて流行りのものを送りなさいよ。
花を部屋に持ち帰ってはぐしゃぐしゃに踏みつけて使用人に掃除させて、気に入らないドレスはちぎって掃除させてって感じで何もかも気に食わなくてイライラする。どうして私に金を寄越さないのよ皆、普通に考えて誰がその辺の野花で喜ぶかよ。全部あれも偶像だよ、頭おかしいでしょそんなことで喜ぶ令嬢って。
「何自慢?」
「そういうわけじゃ……あ、そうだ。私ね今日は公爵様のためにお菓子を作るの。公爵様が早めにいらっしゃったらごめんだけどリリィがお相手してくださる?」
「え、うん! いいよお姉ちゃん!」
ラッキー公爵様来るんだ。
しかもお姉ちゃん直々のご命令でお相手をって……まぁ二人きりになれば私に落とせない男はいないはず。
早速化粧を直して谷間が見えるようなドレスに着替えてお出迎えしなくちゃ。
使用人たちに次々と命令して私は美しい艶やかなドレスに着替え紅をさして公爵様を待つ。
あぁ~私にもいっぱい買って欲しいものがあるんだ。お姉ちゃんみたいにたくさんもらいたい。
馬のいななく声が聞こえたので私は慌てて玄関を開く。
光り輝くように美しい公爵様が馬車から降りてきて私を見た瞬間キョロキョロと露骨にお姉ちゃんを探し出す。
ふーんまぁまぁ今はいいわ。私の魅力さえわかれば公爵様も簡単に心変わりするだろうし。
「お姉様はどうしたんだい?」
「お姉ちゃんは公爵様のためにお菓子を作っているそうよ! その間リリィが公爵様のお世話まかされたの! さぁさぁ早く早く」
無邪気な子供のようなふりをして公爵様を無理やり引っ張り私の部屋へと案内する。
公爵様もお姉ちゃんが私のこと可愛がっているのを知っているからか、無下にもできない公爵様そのまま部屋へと引き摺り込まれる。
「寝室に連れ込むなんてどういうつもりなんだ」
「怖い顔しないでお義兄様。あ、まだ違いましたよね? お姉ちゃんとは婚約できていないんですよね~お姉ちゃんも罪な人だよね。好きな人がいるのに公爵様からのプレゼントが欲しくて仕方ないから断ることすらできていない。公爵様お姉ちゃんに利用されてるんですよ?」
「本当か?」
「えぇ妹の私がいうから間違いないじゃないですか。可哀想な公爵様をお慰めしてあげようと思ってリリィの部屋まで連れてきたんです。どうせまだケーキを焼いている途中ですから時間もかかります。リリィの愛で公爵様を癒してあげますね」
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