優の異世界ごはん日記

風待 結

文字の大きさ
57 / 80

氷晶の湖と霜露の実の輝き

しおりを挟む



日記 三十日目


星屑の洞窟の光を抜けて、今日、僕たちは氷晶の湖にたどり着いた。  
湖面に映る結晶と、霜露の実の冷たい甘さに心が躍る。  
みんなの笑顔とアイデアを合わせて、新しいレシピに挑戦した。  
キラのピピッという鳴き声が、まるで「僕もこの味、味わいたい!」って応援してるみたい。  
湖の魔法が、どんな新しい絆と冒険を連れてくるんだろう?  


---



星屑の洞窟の結晶の輝きを背に、セリナの案内で氷晶の湖へ向かう。洞窟の奥はひんやりと静かで、足元に光る苔が道を照らす。キラが馬車の荷台でピピッと鳴き、ふわふわの羽を揺らす。まるで「湖で何作る?」とワクワクしてるみたいだ。

僕は荷台の食材を整理しながら言う。  

「霜露の実ってどんな味なんだろう? リナ、トム、ジュースとグリル、どっちから試したい?」

リナが洞窟の苔を指差し、目を輝かせる。  

「優! この苔、キラキラしてる! 霜露の実、ジュースにしたら絶対キラキラだよね! 優のジュース、めっちゃ楽しみ! セリナ、どんな実?」

セリナが微笑みながら答える。  

「霜露の実は湖畔で育つ、冷たくて甘い実よ。ジュースにすると体がスッキリするし、ムースにも合うわ。優さんのアイデア、楽しみね。」

トムが追跡ランタンを手に、ニヤリと笑う。  

「優、ジュースもいいけど、グリルも頼むぜ! セリナ、湖に何かグリルできる魔獣いるか? 俺、狩りで気合い入れるよ!」

「トムは気合充分だね! グリルも作るよ。ジュースはリナと一緒にキラキラにしよう。カイラ、霜露の実の魔力はどんな感じ?」

カイラが苔の魔力をスキャンしながら言う。  

「霜露の実は癒しと魔力回復の効果が強そうね。優、ジュースにするなら、クローヴミントと合わせたらどう? 魔力のバランスが気になるわ。」

エリックが手綱を握り、突然笑い出す。  

「ハハ! 優、霜露の実にフロストウィング! 湖でド派手な料理作って、エルフの連中を驚かせようぜ! 昼過ぎには着くぞ!」

ローラが穏やかに微笑む。  

「エリック、声大きいわよ。優、霜露の実でジュース、クローヴミントでトッピングしたら素敵そう。リナ、トム、優をサポートしてね。」

僕が荷台から顔を上げて言う。  

「なるほど。クローヴミント、いいね! リナ、トム、ジュースの飾り付け一緒に考えよう。グリルもちゃんと焼くから、楽しみにしてて!」


---


昼過ぎに馬車が氷晶の湖に到着した。湖は結晶の岩に囲まれて透き通った水面が星屑のような光を映している。霜露の実の小さな木が湖畔に点在しめ冷たく輝く実が揺れる。エルフの集落から同行したシエルヴェインが、湖畔の草を指差した。

「ここが氷晶の湖よ。霜露の実はあの木に実ってるわ。クローヴミントも近くに生えてる。優さんの料理がどんな風になるか楽しみ。」

僕は霜露の実を見つめながら言う。  

「この実、すごく輝いてる。ジュースにしたらキラキラしそうだね。シエルヴェインさん、どんな味が好き? さっぱりしたの? それとも濃厚?」

シエルヴェインが柔らかく笑う。  

「さっぱりしたのが好きかな。霜露の実はジュースやムースにすると、湖の清涼感そのものよ。優さんのアイデアはどんな感じかしら?」

リナが霜露の実を手に取って興奮気味に言う。  

「優! この実、冷たくてキレイ! ジュースにクローヴミント入れて、キラキラの泡で飾ったら最高だよね! 泡のアイデア出したい!」

トムがランタンを肩にかけて笑いながら言う。  

「優、リナの言う泡のやついいな! 俺はジュースの飾り付けに何かキラキラした葉っぱ入れようぜ! 湖にグリルできる魔獣いるか?シエルヴェイン?」

シエルヴェインが湖畔を指差す。  

「フロストウィングが湖の周りを飛んでるわ。肉は軽い甘みがあって、グリルにすると美味しいよ。追跡ランタンなら簡単に見つけられるわ。」

カイラが霜露の実を手に、冷静に言う。  

「フロストウィングか。グリルに良さそうね。」

エリックが湖の水面を覗き込み、叫ぶ。  

「うおー! この湖、めっちゃ幻想的! 優、霜露のジュースとフロストウィングのグリルで、湖畔でドカンと宴会やろうぜ!」


「ジュースはリナとトムと一緒にキラキラにするよ。グリルもフロストウィングで焼こうかな。ローラ、どんなトッピングがいいと思う?」

ローラが微笑みながら言う。  

「霜露の実にクローヴミントの細かい葉を散らしたら、見た目も味も素敵よ。リナ、トム、優の料理、楽しみね。」



---



湖畔にキャンプを設営して結晶の光に照らされた焚き火を囲む。トムとエリックが追跡ランタンで霜露の実とクローヴミントを摘み、フロストウィングを一匹捕まえてきていた。キラが霜露の実を嗅ぎいでピピッと鳴く。まるで「この実で何かすごいの作って!」って応援してるみたいだ。


「霜露の実ってすごく冷たいね。ジュースはカイラの言う通り、クローヴミントで爽やかにしよう。フロストウィングのグリルは、ちょっとスパイシーにするか。リナ、トム、ジュースの泡、どうしたい?」

リナが目を輝かせて提案してきた。

「優! 泡を星屑みたいにキラキラにしよう! クローヴミントを細かくして、キラキラ散らすの! トム、葉っぱの飾り、どうする?」

トムがニヤリと笑って答える。  

「いいね、リナ! クローヴミントの葉をギザギザに切ってジュースに浮かべようぜ! 優、グリルはファイアペッパー強めで頼むな!」

試作開始。霜露の実を潰し、クリスタルハニーとクローヴミントを混ぜてスターオーブンで冷やしてジュースに。カイラが風魔法で星屑のような泡を加えると、ジュースは湖の輝きのようにキラキラし、飲むと爽やかな清涼感と魔力回復の効果が広がる。フロストウィングの肉は薄く切り、クローヴミントとファイアペッパーで味付けし、焚き火で焼く。さっぱりした甘みが香り、食べると体が軽く温まるスタミナアップ効果を感じる。

ジュースを飲みながら言う。  

「うん。このジュース、スッキリするね!リナ、トム、泡と葉の飾りも最高だよ! シエルヴェインさん、湖の雰囲気と合ってるかな?」

シエルヴェインがジュースを味わい、目を輝かせる。  

「優さん、素晴らしいわ! 霜露の清涼感とクローヴミントの香りが、湖の夜にぴったりね。リナ、トム、飾り付けのアイデアも素敵ね。」

カイラがジュースを飲み、頷く。  

「このジュース、魔力回復効果がすごいわ。クローヴミントのバランスも完璧よ。グリルもいい香りね。」

トムがグリルを頬張り、満足げに言う。  

「んー!このフロストウィング、めっちゃうまい! スパイシーで最高だぜ!ジュースの飾りも、俺たちのセンスいいだろ?」

リナがジュースを飲んで笑う。  

「優、トムと一緒に飾り付け、楽しかった! このジュースもキラキラでいい感じだね!シエルヴェインさん、もっと飲む?」

エリックがグリルを手に、湖畔で叫ぶ。  

「ハハ! 優、このジュースとグリル、湖の結晶より輝いてるぜ! シエルヴェイン、もっとエルフ呼んで、宴会拡大だ!」

もう、本当にエリックは宴をやりたすぎだよね…。
セリナがエルフの仲間たちと話しながら微笑む。  

「優さんの料理は湖の魔法と溶け合ってるわ。集落に持ち帰ったらみんな喜ぶわよ。次のレシピも楽しみね。」

ローラがジュースを味わいながら言う。  

「優、霜露の実のジュース、最高よ。リナ、トム、飾り付けのセンス、素敵ね。次も優をサポートしてね。」

キラがピピッと鳴き、ジュースの滴を舐めて跳ねる。まるで「優の料理、僕も大好き!」って歌ってるみたいだ。
可愛いなあ。


---


湖畔の結晶が月光を反射して幻想的な光がキャンプを包む。シエルヴェインが湖の対岸を指差す。  

「明日は湖の対岸にある霧の丘に行く? そこでしか採れない霞光の花があるわ。霜露の実と合わせると、癒し効果が強まる素敵なデザートになるわよ。」

「霞光の花?名前からしてキレイそうだね。ムースにしたらどうかな? リナ、トム、トッピングのアイデア、何かある?」

僕が二人に聞くと即座にリナが目を輝かせて提案してきた。

「優! ムースに花びら散らしたら、めっちゃロマンチックじゃない?!トム、どんな飾り付けにする?」

トムがニヤリと笑って答える。  

「いいね! 花びらをキラキラに並べようぜ! 優、霧の丘に魔獣いるなら、グリルも頼むな!」

カイラが微笑みながら言う。  

「ムースか。いいアイデアね。霞光の花の魔力分析楽しみだわ。セリナ、霧の丘ってどんな場所?」

セリナが穏やかに答える。  

「霧の丘は朝霧に包まれた静かな場所よ。霞光の花は甘い香りで、癒し効果が強いわ。霜露の実と合わせると、味も魔力も特別になるの。」

エリックが拳を振り上げ、叫ぶ。  

「霧の丘! なんか詩的だな! 優、そこでまたでっかい宴会やろうぜ! エルフの連中、もっと驚かせろよ!」

「わかったからもっと小さな声で喋って頂戴。」

ローラが溜息をつきながら言うとみんなが笑った。
うん、いつも通りだなあ。


---


氷晶の湖の輝きと、霜露の実の冷たい甘さが、僕たちの旅を特別にしてくれた。  
明日、霧の丘へ向かい、霞光の花と新たな冒険に出会う。  
楽しみだな。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

目立ちたくない召喚勇者の、スローライフな(こっそり)恩返し

gari@七柚カリン
ファンタジー
 突然、異世界の村に転移したカズキは、村長父娘に保護された。  知らない間に脳内に寄生していた自称大魔法使いから、自分が召喚勇者であることを知るが、庶民の彼は勇者として生きるつもりはない。  正体がバレないようギルドには登録せず一般人としてひっそり生活を始めたら、固有スキル『蚊奪取』で得た規格外の能力と(この世界の)常識に疎い行動で逆に目立ったり、村長の娘と徐々に親しくなったり。  過疎化に悩む村の窮状を知り、恩返しのために温泉を開発すると見事大当たり! でも、その弊害で恩人父娘が窮地に陥ってしまう。  一方、とある国では、召喚した勇者(カズキ)の捜索が密かに行われていた。  父娘と村を守るため、武闘大会に出場しよう!  地域限定土産の開発や冒険者ギルドの誘致等々、召喚勇者の村おこしは、従魔や息子(?)や役人や騎士や冒険者も加わり順調に進んでいたが……  ついに、居場所が特定されて大ピンチ!!  どうする? どうなる? 召喚勇者。  ※ 基本は主人公視点。時折、第三者視点が入ります。  

異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

修学旅行のはずが突然異世界に!?

中澤 亮
ファンタジー
高校2年生の才偽琉海(さいぎ るい)は修学旅行のため、学友たちと飛行機に乗っていた。 しかし、その飛行機は不運にも機体を損傷するほどの事故に巻き込まれてしまう。 修学旅行中の高校生たちを乗せた飛行機がとある海域で行方不明に!? 乗客たちはどこへ行ったのか? 主人公は森の中で一人の精霊と出会う。 主人公と精霊のエアリスが織りなす異世界譚。

うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。

かの
ファンタジー
 孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。  ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~

桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。 交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。 そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。 その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。 だが、それが不幸の始まりだった。 世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。 彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。 さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。 金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。 面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。 本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。 ※小説家になろう・カクヨムでも更新中 ※表紙:あニキさん ※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ ※月、水、金、更新予定!

異世界ネットスーパー始めました。〜家事万能スパダリ主夫、嫁のために世界を幸せにする〜

きっこ
ファンタジー
家事万能の主夫が、異世界のものを取り寄せられる異世界ネットスーパーを使ってお嫁ちゃんを癒やしつつも、有名になっていく話です。 AIと一緒に作りました。私の読みたいを共有します 感想もらえたら飛んで喜びます。 (おぼろ豆腐メンタルなので厳しいご意見はご勘弁下さい) カクヨムにも掲載予定

処理中です...