竹林にて清談に耽る~竹姫さまの異世界生存戦略~

月芝

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380 降下・侵入作戦 ― エアボーン

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 航空機により部隊を機動・展開させる戦術のことをエアボーンという。
 今回は残存する飛空艇を使ってボントク本体の上空へと移動してから、パラシュートによる降下作戦をおこなう。
 なお自分の翅を持つセレニティらで構成された第四部隊は、パラシュートはナシだ。

 ではどうして空から侵入を試みることになったのかといえば、ひとえに地上と海上および海中には、ミニボントクどもがひしめいているから。
 それらを蹴散らし敵の本丸に辿り着くのは至難にて。
 あと飛空艇で直接乗り込まないのは、ボントクの尻尾にあるトゲトゲミサイルを警戒してだ。

 ――えっ、それならパラシュートでも同じなのでは?

 ノンノン。
 的のサイズがぜんぜんちがう。
 飛空艇にトゲを当てるのと、豆粒みたいな兵士らを狙うのとでは雲泥の差にて。
 それにカイザラーン製のパラシュートは、たんに落ちていくだけの自由落下傘ではなくて、長方形にてある程度は手元で軌道修正が可能なタイプ。巧みに操作することで大空を滑空するように降下できるのだ。

 ――でも、それには高度な技術が必要なのではないのかしらん?

 ウイー、ムッシュ。
 その通り。
 だが心配ご無用。うちは日頃から訓練をしているし、オービタルの連中は優れた体幹と運動神経により、あっという間に技術をマスターしてしまったのである。
 昆虫特撮ヒーローっぽい見た目は伊達じゃない。
 これには私もびっくらポンや!

 ……てなわけで、わずかな準備期間を経て、さっそく降下・侵入作戦が開始された。

  〇

「――あと三分で降下ポイントへと到着します」

 コクピットからの連絡を受けて、突入する者らは二人一組となり装備の最終チェックを行う。
 問題がなければすみやかに降下を行うべく、列となりハッチが開くの待つ。
 なお降下の順番は以下の通り。

 第一陣は……
 竹忍者頭領コウリンが率いる竹忍者らで構成された第二部隊だ。
 もっとも身軽かつ、パラシュートとはちがい竹忍者専用の装備である特殊マントを使用したムササビの術にて先陣を切る。
 そして着地後には周辺の敵を掃討し陣地を構築しては、後続部隊が安全に降りて来られるようにする。

 第二陣は……
 ブルマクが率いるオービタルたちで構成された第三部隊だ。
 パラシュートによる降下は、あとになるほど難易度が跳ねあがることが予想されている。
 理由は、こちらの意図に気がついたボントク側が阻止に動くからだ。
 本体の背面および周囲に展開しているミニボントクたちが、時間を経るほどに集まってくるだろう。
 万が一、下が混戦になっていた場合、いかに技術を習得したとはいえ不慣れなオービタルたちでは対応できない。
 そこで彼らには先に行ってもらう。

 第三陣は……
 竹侍将軍サクタと竹女武将マサゴが率いる竹武者らで構成された第一部隊だ。
 これに私も同伴する。
 というかマサゴに抱っこヒモでくくられた状態で、降りていくことに。

「え~カッコ悪いからヤダ!」

 と駄々をこねてみたけど、うちの子たちは頑として受け入れずこの形になってしまった。
 我ながら愛されまくっており、なんとも面映ゆい。

 で、残るはザロールが率いるセレニティたちで構成された第四部隊なんだけど、彼女たちは自在に飛べるので第二、第三陣の補助に回ってもらうことになっている。
 ぶっちゃけ彼女たちに引っ張ってもらえば、パラシュートが即席のパラグライダーみたいになるから、大助かり。
 だったら最初からそれでいけばいいのにとおもわれるかもしれないが、それはダメ。
 あくまで補助だ。
 なぜなら全員が好き勝手に動いたら、とっても危ないから。
 うっかりぶつかってパラシュートがからまったら、団子になって墜落しちゃう。
 まぁ、それでも死ななそうな面々ではあるけれど。

 と、そんなこんなで、やってきました降下ポイント。
 ハッチが開いて冷たい風がびゅうびゅうと機内に吹き込んでくる。
 それをものともせずに次々に宙へと踊り出ていく竹忍者たち。
 第一陣の降下開始とともに、地上では竹戦車部隊による援護射撃が展開される手筈となっている。
 目くらましだ。
 敵勢が竹戦車たちに意識を向けているうちに、さっさと降りてしまおうという算段にて。

 キャタピラが砂煙を巻き上げなら砲門が火を噴き、ムササビと化した竹忍者たちが空を滑空していく。

 さぁ、反撃の時間だ。


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