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160 ボクの考えた超最強生物
しおりを挟む増えて、共食い、残り一体になったとこで、また眠りについては、わずかな休眠期を経て、再分裂、タマゴとなり、孵化してはまた……のくり返し。
延々と戦い、貪り続ける生き物。
これは自己再生、自己増殖、自己進化を体現しているといえるのか?
まぁ、進化のテイストはちょい弱めだけど、それを差し引いても十分に凶悪な仕様にて。
「なにこの中二病が黒歴史ノートに書き綴った『ボクの考えた超最強生物』みたいなの? 妄想なら妄想だけに留めておきなさいよ。なんで本当に作っちゃうのかなぁ。バカなの? ねえ、バカなの?」
私は顔もしらぬマッドサイエンティストに対して、ブーブー文句をたれずにいられない。
なお新たに発見された二ヶ所の貯水槽には、ちょっかいを出さずに遠目にて監視するだけに留めておく。いまのところ静かなものらしいので。
おそらくだが、私たちが遭遇したデカピタは、こちらが触れたことに反応したとおもわれるので。触らぬ神になんとやらだ。
「……にしてもやっかいなのがあらわれたね。なんだ、あの攻撃? 中性子ビームなの?」
非破壊検査とかで使うのは知ってる。
その透過性を活かした兵器転用を、某大国が研究しているという都市伝説も耳にしたことがある。いや、あれはビームじゃなくて爆弾だったっけか。
ボカンと一発、都市部からキレイさっぱり生き物だけを消し去るけれども、核兵器みたいに放射能汚染とかならないから、地球と環境にとっても優しいけれど、人間にはやたらと厳しい夢のキリングウエポン。
「中性子って、たしか中性子線のエネルギーと似たようなモノだったはず。だとすれば、水やコンクリートだったら完全ではなくても、散らせるかもしれないけど。
あーん、もうっ! 私はリケジョはリケジョでも竹専門の農学系なんだよ! 完全に専門外なのに!」
水素原子により、減速、遮蔽される……はず。
だけど、それはデカピタらが放つ怪光線が、私の知るモノと同じであることが大前提にて。
「悲しいことに、ここは異世界なのよね。似通っていることも多々あるけど、似て非なるモノもまた多々にて」
だから前世の記憶を頼りにするのはいいけれども、引きずられ過ぎるのはかえって危うい。
地球の常識は、異世界の非常識というパターンもあるのだ。
「あの怪光線を防ぐ手立ては……残念ながらいまのところ思いつかない。となれば……」
デカピタがカエル形態になる前段階、足の生えたオタマジャクシのところを叩くか、もしくはタマゴの時に殲滅するのが無難なんだけど。
「その程度の工夫で攻略できるような相手に、この泡沫都市を建造するほどの文明を持つ者たちが、あっさり滅ぼされるとはおもえないんだよね~」
まぁ、あれこれと悩んでいてもしょうがない。
とりあえず試しに、ひと当たりしてみるか。
〇
金の玉々。
ただいま三度目のフィーバー中につき。
それをスコープ越しに見つめているのは、竹スナイパーライフルを構えた竹砲兵である。
よくわからない敵にうかつに接近するのは危険と判断し、離れたところから狙い撃つ。
その場面を拠点にいる私たちは、上空の竹蜻蛉から送られてくる中継映像にて見ていた。
ばっちり照準を合わせてから、射手のタイミングで引き金をひく。
タァアァァァァーン!
乾いた発射音が響いて、狙い通りに着弾する。
だがしかし、当たったはずの弾は金玉を通り過ぎて、背後の壁へとめり込んだもので、一同「はぁ!?」
みなが呆然とするなか、私は「続けて同じヤツを攻撃してちょうだい。ただし発射後は、すみやかに移動して」との指示を与える。
同じ対象を狙わせたのは、先ほどの現象について再確認するため。
そしてすぐに射撃ポイントを離れるように命じたのは、同じ射線を続けたことで、射手の居場所を向こうに特定されると判断したから。
すぐさま弾が装填されて、第二射が放たれる。
が、結果は一射目とまったく同じであった。
理屈やからくりは不明だが、どうやらタマゴ形態の時には、外部からの物理攻撃は通用しないようである。
ならばと、別の射撃ポイントから今度は足の生えたオタマジャクシ形態の時を狙ってみたのだけれども……
「な、なによアレ? 爆発したの」
脳天をぶち抜いたら、とたんにピカ! どーん!
超新星のごとき輝きを放ち、対象は消滅したのだけれども、これがまたけっこう広範囲にて、半径30メートルぐらいが白い光に包まれた。
にもかかわらず、地面や建物が傷つくことななく、また周囲にいた同胞どもも、多少吹き飛ばされたものの、無傷にて。
「まさか、死ぬと自爆するの? しかも滅びの光を放ちながら……なんてはた迷惑なっ!」
せめて誘爆でもしてくれたらよかったのに、死ぬのは撃たれた一体のみ。
それでもチマチマ片付けていけば、やっつけられるかもしれないけれど。
とか考えていたら、パクリ。
撃ち殺した骸を他の個体がペロリと食べちゃった。
半端に撃ち殺したところで、飢えた群れにエサを提供するばかり。
やるならば一気にに包囲殲滅するぐらいでないと。う~ん。
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