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第126話 バルト領、侵攻!
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――中央ゴレムス暦1583年9月2日
アラモ砦 おっさん
おっさんがアラモ砦を奪還し、貴族諸侯に大動員令をかけたため各地からそれぞれの軍が終結した。
それにより、おっさんの軍は一気に膨れ上がった。
今回は傭兵団などは動員しておらず、貴族と軍部の軍だけである。
その数、三七○○○。
もちろん全力出撃ではないが、おっさんがこの世界に来た頃に比べて大兵力を動員できるようになったものである。
思わずしみじみして当時を振り返ってしまうほどだ。
これは軍制改革が進んだこともあるが、エレギス連合王国との同盟で飛躍的に進むようになったのだ。とは言えまだまだ貴族諸侯軍が主力である。
アラモ砦は続々と集まって来た軍によって、野営陣地が大地を埋め尽くすほどの数になっていた。
「閣下、ドーガ・バルムンク、着陣致しました。」
「同じくガイナス・キリング、着陣だぜ」
「おう。ご苦労様。調子はどうだ?」
「良い休暇になりました」
「そうだな。柄にもなく休んじまった」
「お前らに領地預けてないもんなぁ……」
その他にもアルタイナで共に戦った貴族諸侯たちが小さな執務室に入ってくる。
遅れてベアトリスとノックスもやってくると、おっさんに挨拶をする。
「皆、アルタイナ戦争の疲れは取れたかな?」
おっさんが労いの言葉を掛けると集まった者たちが一斉に話し出す。
うるさくて何を言っているのか聞こえないが、皆一様に笑顔なので問題ないのだろう。おっさんはひとしきり諸侯を騒がせた後、言葉を掛けて制止した。
執務室は一時、静まり返る。
「これより西進しヘリオン平原を経てバルト王国の首都ベイルトンへ侵攻する。そろそろ因縁に決着をつけるぞッ! 今こそバルト王国を滅ぼす時だッ!」
『おおおおおおおおおおおおおおおお!!』
狭い室内に兵共の雄叫びが響き渡った。
―――
――中央ゴレムス暦1583年9月4日
バルト王国 首都ベイルトン
「何をしておるッ! 軍の再編を急がせろッ!」
バルト王国のトゥルン王は焦燥の交じった声で叱咤している。
ブレインのアウレア攻略軍の敗報を聞いてから彼はずっと冷や汗をかきっぱなしであった。
「今、非常招集をかけているところでございますが……中々集まらぬのです」
「傭兵でもなんでも掻き集めろッ!」
トゥルン王から吐いて出る言葉の語気は荒い。
「カイラス、デナード、ブレインは何故負けたのだッ!! あのブレインだぞッ!」
「陛下……ブレインは焦ったのです。鬼哭関とアラモ砦で兵を分けたのが間違いだったのです……」
「うぬらが目付をつけておかぬからであろうがッ!」
「はッ……誠に申し訳なく……」
先程から怒鳴り散らすばかりのトゥルン王に、カイラス軍務卿とデナード軍務大臣は恐縮しきりであった。そこへ宰相のカルケーヌが諫言をする。
「陛下、まだ負けると決まった訳ではございませぬ。山岳地帯に引き込んで戦えば、如何にアルデと言えどそう簡単には破れませぬ」
その言葉に救われたカイラスとデナードはほっと胸を撫で下ろすと、少し冷静さを取り戻してトゥルン王に物申す。
「戦は数ではございません。我らが得意とする山岳戦で目に物を見せてやります」
「本当に勝てるのだな? 総大将は誰にするのだ」
「ここは守護神テラリス中将に任せるのがよいかと」
「テラリスか……。あのアルデに勝てるのか……」
「陛下、必ず勝てる戦などございません」
「分かっておるわッ!」
トゥルン王は冷静に突っ込んでくるカルケーヌを怒鳴りつける。
「鬼哭関にいる兵を動かせないのは痛いですが、北の貴族領から動員をかけております。しばしのご辛抱でございます」
その後も側近を始め、将校がトゥルン王の御前で策を練り始めるが、彼の耳はそれを聞くことを放棄していた。
「(このままでは国が亡ぶ……。ドルガン辺境伯軍を頼みにしなければならんとはッ……)」
トゥルン王は脳と言う狭い闇の中で迫るアウレア大公国軍の足音に怯えるのであった。
アラモ砦 おっさん
おっさんがアラモ砦を奪還し、貴族諸侯に大動員令をかけたため各地からそれぞれの軍が終結した。
それにより、おっさんの軍は一気に膨れ上がった。
今回は傭兵団などは動員しておらず、貴族と軍部の軍だけである。
その数、三七○○○。
もちろん全力出撃ではないが、おっさんがこの世界に来た頃に比べて大兵力を動員できるようになったものである。
思わずしみじみして当時を振り返ってしまうほどだ。
これは軍制改革が進んだこともあるが、エレギス連合王国との同盟で飛躍的に進むようになったのだ。とは言えまだまだ貴族諸侯軍が主力である。
アラモ砦は続々と集まって来た軍によって、野営陣地が大地を埋め尽くすほどの数になっていた。
「閣下、ドーガ・バルムンク、着陣致しました。」
「同じくガイナス・キリング、着陣だぜ」
「おう。ご苦労様。調子はどうだ?」
「良い休暇になりました」
「そうだな。柄にもなく休んじまった」
「お前らに領地預けてないもんなぁ……」
その他にもアルタイナで共に戦った貴族諸侯たちが小さな執務室に入ってくる。
遅れてベアトリスとノックスもやってくると、おっさんに挨拶をする。
「皆、アルタイナ戦争の疲れは取れたかな?」
おっさんが労いの言葉を掛けると集まった者たちが一斉に話し出す。
うるさくて何を言っているのか聞こえないが、皆一様に笑顔なので問題ないのだろう。おっさんはひとしきり諸侯を騒がせた後、言葉を掛けて制止した。
執務室は一時、静まり返る。
「これより西進しヘリオン平原を経てバルト王国の首都ベイルトンへ侵攻する。そろそろ因縁に決着をつけるぞッ! 今こそバルト王国を滅ぼす時だッ!」
『おおおおおおおおおおおおおおおお!!』
狭い室内に兵共の雄叫びが響き渡った。
―――
――中央ゴレムス暦1583年9月4日
バルト王国 首都ベイルトン
「何をしておるッ! 軍の再編を急がせろッ!」
バルト王国のトゥルン王は焦燥の交じった声で叱咤している。
ブレインのアウレア攻略軍の敗報を聞いてから彼はずっと冷や汗をかきっぱなしであった。
「今、非常招集をかけているところでございますが……中々集まらぬのです」
「傭兵でもなんでも掻き集めろッ!」
トゥルン王から吐いて出る言葉の語気は荒い。
「カイラス、デナード、ブレインは何故負けたのだッ!! あのブレインだぞッ!」
「陛下……ブレインは焦ったのです。鬼哭関とアラモ砦で兵を分けたのが間違いだったのです……」
「うぬらが目付をつけておかぬからであろうがッ!」
「はッ……誠に申し訳なく……」
先程から怒鳴り散らすばかりのトゥルン王に、カイラス軍務卿とデナード軍務大臣は恐縮しきりであった。そこへ宰相のカルケーヌが諫言をする。
「陛下、まだ負けると決まった訳ではございませぬ。山岳地帯に引き込んで戦えば、如何にアルデと言えどそう簡単には破れませぬ」
その言葉に救われたカイラスとデナードはほっと胸を撫で下ろすと、少し冷静さを取り戻してトゥルン王に物申す。
「戦は数ではございません。我らが得意とする山岳戦で目に物を見せてやります」
「本当に勝てるのだな? 総大将は誰にするのだ」
「ここは守護神テラリス中将に任せるのがよいかと」
「テラリスか……。あのアルデに勝てるのか……」
「陛下、必ず勝てる戦などございません」
「分かっておるわッ!」
トゥルン王は冷静に突っ込んでくるカルケーヌを怒鳴りつける。
「鬼哭関にいる兵を動かせないのは痛いですが、北の貴族領から動員をかけております。しばしのご辛抱でございます」
その後も側近を始め、将校がトゥルン王の御前で策を練り始めるが、彼の耳はそれを聞くことを放棄していた。
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