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第127話 おっさん、おしゃべりさせに行かせる
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――中央ゴレムス暦1583年9月5日
ドルガン辺境伯領 領都ダガン
ちょうど、トルゥン王がおっさんの到来に怯える中、ボンジョヴィはバルト王国北にある辺境伯領を訪れていた。
もちろん、ドルガン辺境伯に会うためである。
ボンジョヴィは領主の館で今まさにドルガンの前にいた。
「お初にかかります。アウレア大公国のボンジョヴィと申しまする」
「そうか。こんな時にわしに用などどういう訳だ?」
頭を下げるボンジョヴィにドルガンはすっとぼけた質問をする。
「野心家たる辺境伯閣下ならばお分かりになるのではございませぬか?」
「ふふッ……言うではないか。しかしわしも最近ボケてきてな。はっきり口にしてもらわねば分からん」
野心家と言われているがバルト王国建国以来、辺境伯として代々この土地を守ってきた家柄である。
「では申しましょう。現在我がアウレア大公国軍はヘリオン平原からバルト本国へ進軍中です。まもなく国境のヘリアラル砦に到着する頃でしょう。このまま行けば首都ベイルトンに迫るのは明らか。ドルガン閣下、今の内に我が陣営に入りなさいませ」
「(ボケてのくだりはスルーかよ)これはしたり。バルト王国軍とて簡単に負ける訳がなかろう。貴軍はヘリアラル砦で損耗し、山岳兵に手を焼くだろう」
平地の少ないバルト王国で山岳兵によるゲリラ戦を受ければ流石のアウレア大公国軍と言えども簡単には侵攻できまいとドルガンは踏んだのだ。
事実ドルガンは自信ありげで不敵な笑みが崩れる気配はない。
「砦など我が軍にかかれば1日もあれば落ちましょう。さすればベイルトンは裸も同然。野戦になればそちらに勝ち目はございませぬ。山岳兵など物ともせぬでしょう」
「貴殿は山岳兵を舐めておるようじゃ。バルトは山岳地帯。さすがの烈将アルデと言えども簡単には進めぬよ」
「ではバルト王国にトドメを刺す役は閣下にお任せ致します。ゆるりとベイルトンまで進軍なさいませ」
「!? トドメを刺すはわしだと言うのか?」
ドルガンの顔が驚愕に歪む。
今までの余裕が嘘だったかのように当惑している状態だ。
とんでもないことを言い放ったボンジョヴィは涼しい顔のままだ。
「必ずやそうなりましょう。なれば今ここでお約束頂いた方が閣下に及ぶ害は少なくてすみますが……」
「何もせずともわしがバルト王国を裏切るような言い方だが、寝返ってわしに何の得があろう」
「念願の地、カレソン領、ニッテス領を得ることができまする。バルト王国は戦いにつぐ戦いを経験しながらも領土は増やすことができませんでした。北のガーレ帝國との小競り合いで国を守ってきた閣下の働きに見合う領土が与えられぬことにご不満がおありでしょう」
バルト王国の領土は建国以来増えていない。
国力を増すために山を削り平地を増やす試みもされているが、その分災害も起こりやすくなっていた。
「(そこまで分かっておるのか……)よかろう。ではゆるりと参ろうか」
「ご英断、胸がすく思いにございます」
小気味よいと言った感じの笑みを浮かべるドルガンに対して、ボンジョヴィはまたしても涼しい顔のまま頭を下げたのであった。
ドルガン辺境伯領 領都ダガン
ちょうど、トルゥン王がおっさんの到来に怯える中、ボンジョヴィはバルト王国北にある辺境伯領を訪れていた。
もちろん、ドルガン辺境伯に会うためである。
ボンジョヴィは領主の館で今まさにドルガンの前にいた。
「お初にかかります。アウレア大公国のボンジョヴィと申しまする」
「そうか。こんな時にわしに用などどういう訳だ?」
頭を下げるボンジョヴィにドルガンはすっとぼけた質問をする。
「野心家たる辺境伯閣下ならばお分かりになるのではございませぬか?」
「ふふッ……言うではないか。しかしわしも最近ボケてきてな。はっきり口にしてもらわねば分からん」
野心家と言われているがバルト王国建国以来、辺境伯として代々この土地を守ってきた家柄である。
「では申しましょう。現在我がアウレア大公国軍はヘリオン平原からバルト本国へ進軍中です。まもなく国境のヘリアラル砦に到着する頃でしょう。このまま行けば首都ベイルトンに迫るのは明らか。ドルガン閣下、今の内に我が陣営に入りなさいませ」
「(ボケてのくだりはスルーかよ)これはしたり。バルト王国軍とて簡単に負ける訳がなかろう。貴軍はヘリアラル砦で損耗し、山岳兵に手を焼くだろう」
平地の少ないバルト王国で山岳兵によるゲリラ戦を受ければ流石のアウレア大公国軍と言えども簡単には侵攻できまいとドルガンは踏んだのだ。
事実ドルガンは自信ありげで不敵な笑みが崩れる気配はない。
「砦など我が軍にかかれば1日もあれば落ちましょう。さすればベイルトンは裸も同然。野戦になればそちらに勝ち目はございませぬ。山岳兵など物ともせぬでしょう」
「貴殿は山岳兵を舐めておるようじゃ。バルトは山岳地帯。さすがの烈将アルデと言えども簡単には進めぬよ」
「ではバルト王国にトドメを刺す役は閣下にお任せ致します。ゆるりとベイルトンまで進軍なさいませ」
「!? トドメを刺すはわしだと言うのか?」
ドルガンの顔が驚愕に歪む。
今までの余裕が嘘だったかのように当惑している状態だ。
とんでもないことを言い放ったボンジョヴィは涼しい顔のままだ。
「必ずやそうなりましょう。なれば今ここでお約束頂いた方が閣下に及ぶ害は少なくてすみますが……」
「何もせずともわしがバルト王国を裏切るような言い方だが、寝返ってわしに何の得があろう」
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