日本列島、時震により転移す!

黄昏人

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第3章 時震後1年が経過した

67.2123年4月、東京

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「あの時震から100年か。この100年は日本にとってはいい100年ではなかったなあ」
 佐川慎吾が立体テレビの映像を見ながら言い始め、それに対して妹のマユが返す。

「そりゃあ無理はないわよ。95%もの国民が消えてしまったんだから。それでも、その時のご先祖の人々の頑張りでまあまあの立場にはなってはいったよね。それに、もう国というくくり自体があまり意味をなさないようになりつつはあるもの。そういう議論こそ古いわ」

 慎吾は25歳で、ゼネコンに務める技術者であり、マユは21歳の大学生兼のアパレルメーカーのデザイナーである。彼らの家は親が建てた東京市内の一戸建てであり、父親の真人は電力会社の社員、母は近所の親せきが営むレストランで手伝いをしていて、今日は両親とも留守である。

 近年日本に限らず、結婚するものは大幅に減ってきている。40歳から25歳に限れば、結婚しているカップルは20%以下で、多くは複数の相手と契約を結んだ契約カップルである。これは、主として子供が出来た場合にはお互いに責任を持つという契約であり、都合の良い相手と都合が良ければ同棲するというものだ。

 子育ては、通常女性は出産前後1年以上の育児休暇をとり、その後は公立の保育園で預かってもらうことになる。その間はパートナーの男が休暇をとって面倒を見ることも多い。従って、現状では女性も大部分が職を持っているので経済的には互いに独立している。
 慎吾も2人の契約相手がいて、マユはボーイフレンドからその相手として口説かれているところであるが、今では男で2.3人、女で3.2人の契約相手がいるという調査結果がある。

 現在日本の人口は3525万人であり、地震当時から概ね2倍になっているが、10年ほど前からほとんど人口増加は止まっている。ちなみに、世界の人口は最新のデータでは100億をわずかに越えたと報告されているが、現在はほぼ増加が止まっており、間もなく減少を始めると予測されている。

 つまり、日本人の地球人口に占める割合は極めて少なく、時震でコアになる人材を大部分失ったことによって、その産業生産力と技術開発力を損なったために、世界に対する影響力を落としたことは当然であった。世界の一人当たりGDPは1万5千ドルを超えたが、日本がようやく4万5千ドル、世界の30位内外である。

 ただ、比較的少ない人口に対して、国土面積は変わらないわけで、現在では食料の自給率は100%を上回り、食品、繊維、様々な雑貨なども嘗ての国際分業は放棄して、生産性の低い物品の自給も行っている。

 これは当然のことで、時震前によって海外からの莫大な輸入を賄うだけの優位性のある素材や部品などについての生産力とそれを生み出す人材を失った。従って、国内で消費するものは極力自給を図って、貿易収支の均衡を図る必要があるのだ。

 それでも日本の場合には、時震時点で海外への莫大な投資残があり、さらには特許料などの収入があったため、日本列島に残された人々にとって、これは大きな助けになった。さらに、今も世界一の大国であるアメリカ合衆国のコモンウェルス入りによるその助けもあって、海外権益の確保とアメリカ国債の償還による開発原資を確保できた。

 このため、500年前から現れた日本列島に短期間に多大な投資を行って、概ね30年でインフラは先進国として通用するレベル、一人当たりGDPが3万5千ドルと比較的豊かな国の中に入ることが出来ている。これは、北海道と沖縄を除き、本州3島が15世紀末の未開発の状態であり、700万人の21世紀に生活していた今人と1千万の元人と呼ばれた15世紀の人々を抱えた状態から始めたことを考えると、なかなかの成果とも言えよう。

 時震後30年後では元人・今人という言葉は知られてはいるがほぼ死語になっており、現在は歴史上の言葉になっている。そして、その能力や生活ぶりには今では両者に有意な差はないことが確かめられている。

「ところで、兄さん、時震当時の我が家のご先祖は元人だよね。たしか、曽々々々おばあちゃんは塩釜の辺りの農家の出とか、その旦那さんのおじいちゃんは今人だったとか聞いたけど」
 マユの言葉に慎吾が応じる。

「ああ、そうだよ。千代さんだ。随分優秀で頑張り屋さんだったらしいよ。農家の出であったにもかかわらず自分で塩釜ベースに入って勉強して認められ、大学も卒業してお爺さん、と言ってもそのころは若い佐川義男に巡り合って結婚したんだ」

「そのころは、農家といえばとても勉強なんか出来る状態ではなかったのでしょう?」
「ああ、でも千代さんは字の読み書きは多少できたらしいね。自分で頼んで教えてもらったらしい。ベースに入ってからも勉強では最優秀だったらしくて、パソコンも半年で使えるようになったと言うよ」

「へえ、でも元人は算数どころか字も書けない人がほとんどだったんでしょう。それはすごいわね。ところで、日本はそのころは自然が豊かで、まだ採掘されていないたくさん鉱物資源があったと思うのだけど、どの程度経済成長と国土開発に使えたのかな?」

「うん、日本は鉱物の種類は豊富だからね。量は大したことはないけど。まあ本当の意味で豊富なのは石灰位だ。とは言え、人口が激減したから、人口に対しては馬鹿にしたものではなかったし、鉱業は地元産業だし、少なくとも国際収支の改善に役立つものね。
 あまり規模の小さい鉱山は開発されなかったけど、ほとんどの主だった鉱山は開発されたよ。主として金銀に鉄と銅だね。今はもうほとんど掘りつくしたけど、特に金は時震後10年で500トン位掘られたから、結構経済に貢献しているし、大小の鉱山開発と操業は雇用創出と地域開発に貢献したね。

 それに、70年ほど前から海底の資源開発のシステムが開発されたので、メタンハイドレートをはじめとして、日本はエネルギーを含め鉱物資源の多くを自給できるようになっている。これらは、将来は枯渇することが判っているので、基本的には輸出はせずに自給に回す方針だけどね。
 まあ、エネルギーは核融合炉が実用化されたから、問題なくなったけどね」

 そう、原子の構造と成り立ちが理論的に解明されたのは、50年前で世界中の研究機関の様々な実験の成果であったが、その後5年をかけて実験炉による核融合の前駆現象が確認された。それらの結果として、核融合炉は巨大システムであって一定の規模が必要であることが実証され、最小の発電能力は、500万㎾であることが判った。

 その連鎖反応については、100万㎾の電力によって形成する場にトリチウムを注入することでヘリウムを生み出す連鎖反応を起こすものである。このエネルギーは、結局は核分裂方式の原発と同様に熱の形で出てくるために、水を媒体としてタービンを回して発電することになる。

 ただ、この枝研究の過程で水素原子を3重水素トリチウムに転化させる技術が開発された。これは、膨大な熱を生む融合炉の付属施設として、燃料たるトリチウムは無限に生み出されることになった。つまり、核融合発電所のために100万㎾の電力引き込みが必要であるが、連鎖反応が生じて発電が行われるようになれば生み出す電力で融合炉の場を形成できるのだ。

 この際に燃料として必要なのは、水素ガスの供給のみである。核融合炉の1号機はアメリカ合衆国で40年前に建設され、1年ほどの様々な改修・改善の結果設計された2号機~5号機が30年前に完成した。核融合発電によっても放射能はある程度発生するが、核分裂炉ほどの高濃度のものではなく遮蔽は容易である。

 しかも、廃棄燃料棒などの高濃度廃棄物が発生しないという意味では、その管理も容易である。反応炉についても核分裂のように臨界に達して爆発的な反応が起きることはなく、さらに供給電力を切れば反応は直ちに止まる点で熱の面でも安全である。

 500万㎾の核融合発電所の建設費は概ね100億ドルであり、核分裂炉に比べて3割以上安く、燃料が核分裂物質に代わり水素ガスなので、施設の償却費を含めれば、発電コストは40%余と計算されている。

 世界において、気候変動の影響は時震の後数年はますます著しくなり、誰の目にも何らかの手を打つ必要があることは明らかになってきた。このことから、石炭発電や石炭の燃料としての使用はもはや害悪とみなされるようになった。だから原子力発電は、反対論者にとっても必要悪とされて、世界で設置が促進されてきた。

 しかし、ウラニウムなど核分裂物質の資源量は豊富とは言えず、プルトニウムの再生もその余りの危険性のため行き詰っているので核燃料の確保が懸念された。その意味で、核融合発電の実用化が強く望まれてきた経緯がある。だからアメリカでの実証が終わった時点では、世界中の国々が建設を希望した。

 世界で核融合発電所の建設が始まろうとした時期、日本の必要発電量は4千万㎾であり、時震前の2億5千万㎾に比べ大きく減少していた。さらに、日本近海で採取されるメタンハイドレートによる発電所の能力が2千万㎾原発が1千万㎾という事情があった。

 だから、必ずしも急いで核融合発電所を建設する必要はなかったし、1か所で500万㎾もの出力の発電所は、現状の電力網の関係からいささか使いかってが悪かったのだ。しかし、その明らかな経済的・安全面での優位性から建設しないという選択肢はなく、原発の老朽度等を勘案しつつ、10年前に2か所の発電所を建設しており、現在も2か所を建設中である。

 日本の核融合の導入は、すでに発電量の半分を核融合によっているという世界の潮流からは遅れているが、メタンハイドレート資源の活用と既存原発の有効利用という面からは、経済的に合理性があってのことだ。
 また、世界的に核融合発電の実用化によって、化石エネルギーから核融合による原子エネルギーへ転化し、その供給に不安が無くなったことから、インフラ、社会産業の在り方が様変わりしてきた。これは一つには様々な資源が不足・枯渇の兆候を見せ始めていることが起因している。

 当面2030年ころから、不足が顕在化し始めていた水資源が典型的なもので、この問題については日本には無縁であったが、西アジア、中近東、アフリカを中心に深刻さを増していた。だから、こうした地域においては水の使用量は一人一日100㍑以下で極端に少ない時期が長かった。

 それが故に、少なくとも金融資産に富む中東においては、核融合発電所を精力的に建設しており、その電力を潅水・海水の淡水化に回し現在では水供給事情は大いに改善されている。しかし、貧しい西アジアやアフリカについては、1か所500万㎾かつ100億ドルを要する発電所は、貧弱な電力ネットワークと予算の確保の面で厳しく、現状では全く建設されていない。このように、南北問題は未だ解消されていないということだ。

「ところで、明日、留学生のファイサちゃんを呼びたいのだけど、いい?」
「ああ、モンゴル共和国からの留学生だったね。可愛い娘だったね。むろんいいさ」

「兄さん、可愛いからって、手を出しちゃだめよ」
 マユが睨むが、話を続ける。
「でも、中国も8つに分裂して、モンゴル自治区はモンゴル共和国にくっついちゃったわよね。2032年だったかな」

「ああ、モンゴル自治区だけではちょっと国としては成立しないからね。モンゴルもくっついた地域を含めて資源探査に力を入れて、様々な資源を見つけてそれなりに発達してきたよね。資源を質に入れて核融合発電所も建設したし、ウランバートルはすっかり近代都市になっている」

「ええ、ロシアのシベリア地区も独立して、シベリア共和国になったわね。それに、新疆とチベット自治区がくっついて中央アジア共和国、さらには黒竜江省と吉林省がくっついて、吉林共和国ができたよね。
 これらの国にモンゴルは、いずれも様々な資源が見つかってだいぶ経済状態が良くなったけれど、事情が似ていることから、東北アジア経済共同体を結成している。いずれも、北京の中国とロシアとは距離を置いて、アメリカと経済的に深く結びついているから、すでに東側という存在はないに等しいわね」

「うん、一時中国が世界一の経済大国になるなどと言われていたけど、中国の場合もソ連と一緒で、中身の粉飾がひどかったね。分裂時に判明した実際のGDPは、公称の半分もなかったからな。結局、中国は内乱でつぶれはしなかったけど、分裂したから、過去の王朝の歴史をたどったわけだ。
 逃げた高官連中も、アメリカなどに預けた資産が全部把握されており、結局取り上げられたけど総額1兆ドルを超えたと言うからひどいものだよね。その資産の分配で、アメリカは独立した共和国への影響力を大いに高めたから、連中も抜け目はない。流石にアングロサクソンで謀略にかけては敵わんな」

「とは言っても、日本が持っていた1兆ドルのアメリカ国債は結局返してくれたのでしょう?それに、日本の海外資産の確保の後ろ盾になってくれたそうだから、結構好意的に動いてくれた方じゃない?」

「ああ、コモンウェルスも約束通り10年後には解消されたしね。たしかに、それは言えるな。ただ、アメリカにとって日本は世界の成長センターであるアジアへの入口だからね。現に資源が続々と見つかって急速に成長している東北アジア経済共同体への入口が日本だ。
 無論、このことはわが日本にとっても大いにメリットはあるがね。ちなみに、ロシアのこの100年の凋落はひどいものだったな。親父の言うことには、一旦共産主義に染まると人材の有効活用という意味でどうしようもないらしいけど、その通りになったな。今は、人口が1億2千万でGDPが日本の1.2倍だからね」

「うん、ロシアもだけど、韓国も統一したけど冴えないわね」

「中国が分裂前の大混乱の時期に、北がとうとう国民を食わせられなくなって民衆と軍が反乱を起こしたよね。金一族は徹底殺戮、ピョンヤンのいわば貴族連中も強姦略奪の中で数十万殺されたと言うな。で、多数が韓国に逃げ出してきて、なし崩しに合併になっちゃったな。
 世界の最貧国を抱えて、ものすごく重しになったようだな。しかも、日本から集ろうにも、日本も国力を落としてそれどころじゃないし。でも結局は、世界最先端の工業国日本が隣にいなくなったことが、彼らの低空飛行の理由だと思うね」
 兄・妹の話はなおも続いた。
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