4 / 192
第四話 ステータス
しおりを挟む……日雇いバイトのような依頼をこなす事3か月。
冒険者登録をした僕は、とりあえず食べていけるだけのお金を手に入れる為、どぶさらいとかベビーシッターとか、とにかく食っていけるよう誰が相手でも依頼を受けてくれるものばかりこなして1日を過ごしていた。
「いや、違う。僕の思ってた冒険者と違う」
ふと我に帰った僕は3カ月の依頼でいい加減溜まってきた銅貨と銀貨を握って冒険者ギルドへと向かった。
「あ!ケインさん。ちょうど良かった。先程いつも犬の散歩を依頼しているタナカさんが、給料2倍にするから、散歩の時間を少し延長してくれないかって……凄いですよ!。一体どんな魔法であの狂犬を……」
ウッ!給料2倍は離し難いが、このままだとダメな気がする。
「仕事を褒められるのは嬉しいですけど、お断りします。今日はゴブリン退治に行こうかと……」
お姉さんは驚いた顔で問い詰める。
「ほ、本当に良いんですか?だってあのタナカさんとこの依頼ですよ?給料2倍なんてそうそう……」
「このまま何とも戦わず下級冒険者に甘んじている気はないですよ」
「そうですか……わかりました。ゴブリン退治ですね?こちらがゴブリン退治の依頼になっています。1日5匹狩って、剥ぎ取った魔石を冒険者ギルドに提出してください。もし必要以上に倒しても魔石さえあれば買い取ります」
簡単な説明を終えた後、僕は依頼書を持って街の外に行った。
さてと……まずは自分の現状を知るとするか
「ステータスボードオープン」
恥ずかしいセリフを人に聞かれないよう小声で魔法を使う。
ステータスボードというのは、Fランクに属する、生まれた時から全ての人間が等しく持っているスキルだ。
自分の状態や能力値、獲得スキルや称号が表示される。
一般的に大半のステータスは平均値が100になるという。
冒険者なら500は硬い。王都の騎士ならば低くても1000だ。駆け出し冒険者ならば普通100くらい。僕は……
名前 ケイン
Lv1
体力 141
魔力 101
筋力 102
速度 100
肉体硬度 84
魔力強度 117
幸運値 25
スキル
ステータスボード
スキル重複
称号
無し
幸運値が馬鹿みたいに低いのを除けばそこまで高くも低くもない。体力はタナカさん家のコロンちゃんの散歩で鍛えられたのかな。
ステータスだけ見れば別に冒険者としてやっていけなくもないが、スキルと適性値が絶望的すぎる。
とりあえずこの『スキル重複』の効果を知らないといけない。
もしかしたら戦闘で効果を発揮するかもしれない。というわけでゴブリン退治だ。
44
あなたにおすすめの小説
異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?
よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ!
こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ!
これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・
どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。
周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ?
俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ?
それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ!
よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・
え?俺様チート持ちだって?チートって何だ?
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。
僕だけレベル1~レベルが上がらず無能扱いされた僕はパーティーを追放された。実は神様の不手際だったらしく、お詫びに最強スキルをもらいました~
いとうヒンジ
ファンタジー
ある日、イチカ・シリルはパーティーを追放された。
理由は、彼のレベルがいつまでたっても「1」のままだったから。
パーティーメンバーで幼馴染でもあるキリスとエレナは、ここぞとばかりにイチカを罵倒し、邪魔者扱いする。
友人だと思っていた幼馴染たちに無能扱いされたイチカは、失意のまま家路についた。
その夜、彼は「カミサマ」を名乗る少女と出会い、自分のレベルが上がらないのはカミサマの所為だったと知る。
カミサマは、自身の不手際のお詫びとしてイチカに最強のスキルを与え、これからは好きに生きるようにと助言した。
キリスたちは力を得たイチカに仲間に戻ってほしいと懇願する。だが、自分の気持ちに従うと決めたイチカは彼らを見捨てて歩き出した。
最強のスキルを手に入れたイチカ・シリルの新しい冒険者人生が、今幕を開ける。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
竜皇女と呼ばれた娘
Aoi
ファンタジー
この世に生を授かり間もなくして捨てられしまった赤子は洞窟を棲み処にしていた竜イグニスに拾われヴァイオレットと名づけられ育てられた
ヴァイオレットはイグニスともう一頭の竜バシリッサの元でスクスクと育ち十六の歳になる
その歳まで人間と交流する機会がなかったヴァイオレットは友達を作る為に学校に通うことを望んだ
国で一番のグレディス魔法学校の入学試験を受け無事入学を果たし念願の友達も作れて順風満帆な生活を送っていたが、ある日衝撃の事実を告げられ……
無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~
甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって?
そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる