87 / 192
第九十三話 もう2度と
しおりを挟む「クウガさん!クウガさん!」
理性を取り戻しかけたクウガさんに僕は呼びかける。
エルナがエルファトクレスさんの首を絞めるのを躊躇った理由がわかったよ……
これはたしかにやりずらい。
まだクウガさんが生き残れる可能性があるなら、その可能性に賭けたいと思ってしまう。
頭では殺すべきだと分かっていても実際に剣を向けることは躊躇われる……
あと5分だけ……
あと5分間クウガさんと戦っても理性が戻らない様ならその時は腹を括るしかない……
「ゲイン!なにじでる!?はやぐぼぐをごろさないど……」
「あと5分……それまでにクウガさんの意識が戻らなければ僕は貴方を殺します……」
「やめろ、いまずぐ殺さないと……君も死んでじまう…」
掠れた声で訴えかけてくる。
だけど僕は聞かない。ごめんね、言うこと聞かなくて……
「じゃあクウガさんがやめないと……僕死んじゃうかもしれませんね?」
「グゥ……プレッシャーがけてぐるなぁ……分かったよ」
クウガさんは自分の身体を取り戻そうとし始めた。それなら僕は剣を構えて打ち合うだけ……
きっとクウガさんなら自分を取り戻せる。
縮地と投擲を使いながら僕は長く……どれだけ経ったのか分からぬ程戦った。
しかし、そんな攻防も永遠には続かない。
ある時、クウガさんの剣が僕の胸を突き刺した。
動けなくなってしまい、その場で倒れ込む……
その隙を見逃される筈がなかった。
僕はクウガさんにトドメを刺されそうになる。
(ああ…ここまでか)
諦めかけたその時、クウガさんの動きが止まる。
僕に向かって全速力で近寄ってきていたというのに、嘘みたいに立ち止まって剣を離した……
「クウガさん……元に戻ったんですか?」
「あぁ……おかげさまで。もう指一本動かせないけどね」
「そりゃ良かった」
「まったく良くないよ……」
僕はクウガさんに近寄ると握手をした。
名前 ケイン
Lv67
体力 522 / 11531(336)
魔力 61918(296)
筋力 193305(297)
速度 110284(295)
肉体硬度 11204(279)
魔力強度 61934(312)
幸運値 25
スキル
ステータスボード
スキル重複
投擲×9999
片手剣の基本×9999
身体強化×9999
防御の初心×376
防御の基本×55
魔法の初心×1503
魔法の基本×5012
回復の基本×103
大剣の基本×3500
短剣の基本×9999
両手槍の基本×302
縮地×1205
称号
ゴブリンキラー
四天王を殺した者
戦乙女
ヴァンパイア狩りの猛者
スライム狩りの猛者
12
あなたにおすすめの小説
異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?
よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ!
こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ!
これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・
どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。
周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ?
俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ?
それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ!
よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・
え?俺様チート持ちだって?チートって何だ?
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。
僕だけレベル1~レベルが上がらず無能扱いされた僕はパーティーを追放された。実は神様の不手際だったらしく、お詫びに最強スキルをもらいました~
いとうヒンジ
ファンタジー
ある日、イチカ・シリルはパーティーを追放された。
理由は、彼のレベルがいつまでたっても「1」のままだったから。
パーティーメンバーで幼馴染でもあるキリスとエレナは、ここぞとばかりにイチカを罵倒し、邪魔者扱いする。
友人だと思っていた幼馴染たちに無能扱いされたイチカは、失意のまま家路についた。
その夜、彼は「カミサマ」を名乗る少女と出会い、自分のレベルが上がらないのはカミサマの所為だったと知る。
カミサマは、自身の不手際のお詫びとしてイチカに最強のスキルを与え、これからは好きに生きるようにと助言した。
キリスたちは力を得たイチカに仲間に戻ってほしいと懇願する。だが、自分の気持ちに従うと決めたイチカは彼らを見捨てて歩き出した。
最強のスキルを手に入れたイチカ・シリルの新しい冒険者人生が、今幕を開ける。
最強の異世界やりすぎ旅行記
萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。
そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。
「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」
バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!?
最強が無双する異世界ファンタジー開幕!
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~
甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって?
そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。
明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる